コッホ現象とは?BCG跡の赤い腫れは副反応?コッホ現象?

コッホ現象 BCG 予防接種

通常、結核(BCGワクチン)の予防接種は、接種直後は針痕が目立たず、2週間ほど経過した後にうっすら浮かび上がってくるものです。

しかし、予防接種から2~10日で針痕が赤く腫れるなどの症状が現れることがあり、これをコッホ現象と呼びます。

どうしてコッホ現象が起こり、どのようなリスクがあるのでしょうか?

この記事では、結核(BCGワクチン)の予防接種の概要とコッホ現象について紹介します。

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結核(BCGワクチン)の予防接種とは

結核(BCGワクチン)の予防接種とは、結核を予防するための予防接種です。

BCGとは、ワクチンを開発したフランスのパスツール研究所の研究者2人(アルベール・カルメット、カミーユ・ゲラン)の名前が付けられた菌「Bacille Calmette-Guerin(意味:カルメットとゲランの菌)」の略です。

Bacille Calmette-Guerinは、牛型結核菌を弱めた菌で、1921年に新生児に投与されて効果が確認された後、1924年には日本に輸入されました。

BCGの効果については、接種により結核の発症を52~74%、全身性結核や結核性髄膜炎などを64~78%予防できるという研究結果があります。

また、BCGワクチンの効果は10~15年程度続くと考えられていますが、異なる見解を示す研究者もいます。

結核とは

結核とは、結核菌が体内に入り込んで感染することにより発症する病気です。

結核菌が肺の内部で増殖して炎症が起こり、咳、痰、発熱など風邪に似た症状が長く続く他、体重減少、食欲不振、寝汗などの症状も現れます。

症状が進行するにつれて肺が破壊される他、肺以外の臓器(腎臓、リンパ節、脳、骨など)が侵されることもあり、慢性的な倦怠感、息切れ、血の混じった痰、吐血、呼吸困難などの症状が現れて、最悪の場合は命を落とします。

結核に発病している人が咳やくしゃみをすることで菌が空気中に飛び散り、他人がそれを吸い込むことで感染します。

多くの場合、感染しても体内に追い出されるか、体内に封じ込められて発症には至りません。

昭和25年までは日本人の死因第一位の病気だったところ、治療法が確立されたことで結核患者は大きく減少していますが、厚生労働省の発表では、現在でも年間約1万7000人が発症して年間約1800人が命を落としています。

特に、乳児が結核菌に感染して発症すると、全身性の結核症、結核性髄膜炎、粟粒結核など重篤な結核になりやすく、重い後遺症が残るリスクが高くなっています。

結核(BCGワクチン)の予防接種のスケジュール

結核(BCGワクチン)の予防接種は、定期接種(予防接種の対象となる病気、対象者、接種期間が定められている予防接種)の一つに指定されています。

定期接種では生後1歳未満(生後11ヶ月まで)に1回接種することができ、標準的な接種期間(推奨されている接種期間)は生後5ヶ月~8ヶ月未満です。

生後1歳以降は任意接種(自己負担の予防接種)となります。

結核(BCGワクチン)の接種方法

結核(BCGワクチン)の接種方法は、経皮接種(小さな針がたくさんついたスタンプで皮膚に傷をつけ、ワクチンを体内へ入れる方法)です。

以前は経口投与や皮下注射などが行われていましたが、効果の程度や副反応の問題から日本においては経皮接種による接種が行われるようになっています。

結核(BCGワクチン)の副反応

BCGワクチンの主な副反応は、以下のとおりです。

  • リンパ節の腫れ
  • 皮膚症状(局所的な腫れや発熱など)
  • 骨髄炎
  • リンパ節炎
  • 結核アレルギー性の皮膚症状
  • 全身性BCG感染

リンパ節の腫れ、局所的な皮膚の腫れや発熱などは比較的よく起こりますが、骨髄炎や全身性BCG感染などの重い症状が発症することはほとんどありません。

厚生労働省は、平成25年度にBCGワクチンを接種した約90万人のうち、副反応の報告があったのは174件(リンパ節の腫れ:74件、皮膚症状:40件、骨髄炎(骨炎):10件、全身性BCG感染症:2件など)と発表しています。

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結核(BCGワクチン)の予防接種の痕(跡)

BCGワクチンの接種痕は、接種から10日前後から赤くなっていきます。

接種から1~2ヶ月頃に最も強くなり、黄色いカサブタができたり、膿んだり、リンパ節が腫れたりすることもありますが、接種から3ヶ月程度で自然に消失します。

ただし、完全には消失するかどうかは個人差があり、大人になった後もうっすらと接種痕が残っていることも珍しくありません。

なお、痕が残っても困らない場所に接種するよう希望する人もいますが、法律上認められておらず、医師に応じてもらうことはできません。

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コッホ現象とは

コッホ現象とは、結核(BCGワクチン)の予防接種を受けてから10日以内(多くの場合は接種から2~3日以内)に、接種した部位が赤く腫れたり、化膿したりする現象です。

通常は、BCGワクチンの接種から10日前後経過して赤みや腫れなどの症状が現れるところ、症状が前倒しで現れるわけです。

結核菌を発見したドイツの細菌学者ロベルト・コッホが、結核に感染している動物に結核菌を接種すると、感染していない動物に接種した場合よりも症状が早くかつ強く出て、早く治まることを発見したことから、コッホ現象と名づけられました。

BCGワクチンを乳児に接種した場合もコッホ現象が起こることが分かっており、結核感染の有無を確認する目安とされています。

つまり、コッホ現象が出た場合、赤ちゃんが結核に感染している可能性があるということです。

結核菌に似た菌に感染していてもコッホ現象が出ることがあるため、「コッホ現象=100%結核に感染している」というわけではありませんが、症状が出たら早急に小児科を受診させ、結核感染の有無を確認する必要があります。

コッホ現象の経過

BCGワクチンの接種後10日以内(多くの場合は接種から2~3日以内)に、摂取した部位が急に赤く腫れたり、膿んだりします。

症状が出てから1~2日程度で赤みや腫れが落ち着き始め、さらに1~2週間経過すると症状がおおむね治まります。

症状から1~2ヶ月で、接種痕も目立たなくなります。(個人差が大きいので、日数は目安だと考えてください。)

厚生労働省の発表では、2005~2009年にコッホ現象として報告された814例のうち、コッホ現象によって重大な障害が生じたとという報告はなかったとされています。

コッホ現象への対応

結核菌に感染していた場合は、すぐ治療を始めます。

一方で、感染していなかった場合は経過観察となるのが一般的です。

接種部位をガーゼなどで覆う必要はなく、清潔に保っておくことで足ります。

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まとめ

結核は、昔に比べると減ったとはいえ、現在でも多くの人が発症し、命を落とす人も少なくない怖い病気です。

そのため、赤ちゃんには適切な時期に予防接種を受けさせてあげてください。

また、予防接種によってコッホ現象が出る可能性も頭に入れておき、症状が出たらすぐ小児科を受診させてあげられるようにしておくことも大切です。

うちの場合

生後6ヶ月でBCGワクチンを摂取させましたが、接種から2日目にコッホ現象が出ました。

朝起きた時は針痕さえ見えなかったのに、昼食前には二の腕が真っ赤に腫れており、針痕が膿み始めていました。

すぐに小児科へ連れて行くと、案の定、コッホ現象の可能性が高いと言われましたが、結核にはかかっておらず、経過観察となりました。

一週間くらい経過すると赤みや腫れが治まり、膿んでいたところもましになっていきました。