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乳児期の子育て

胆道閉鎖症とは?原因、症状、治療は?予後と合併症は?【難病】

胆道閉鎖症 予後 赤ちゃん 合併症

胆道閉鎖症は、日本で難病指定されている病気の一つです。

胆道閉鎖症は、発見が遅れると命の危険がある病気ですが、出生後の入院期間には症状が出ないため、診断することは困難です。

そのため、早期発見・早期治療には、お父さんお母さんが病気の症状を理解し、赤ちゃんの普段の様子を注意深く観察することが大切になります。

このページでは、胆道閉鎖症の概要、原因、症状、治療法、予後、合併症について紹介します。

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胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症とは、生まれつきもしくは生まれて間もない頃に胆管がつまり、肝臓内の胆汁を排泄できなくなって肝硬変や肝不全を引き起こす病気です。

胆汁は、肝臓で作られるアルカリ性で黄褐色の液体です。

通常は、胆管を通って十二指腸へ流れ、脂肪の消化吸収に重要な役割を果たします。

しかし、胆管が詰まって肝臓内に溜まると黄疸を引き起こし、さらに肝臓組織を破壊して胆汁性肝硬変症という完治しない病気を引き起こすこともあります。

胆道閉鎖症の分類

胆道閉鎖症は、胆管が詰まった場所によって3つに分類されます。

  • Ⅰ型(Ⅰcyst型):十二指腸側の胆管が詰まる
  • Ⅱ型:十二指腸側や胆のう付近の胆管が詰まる
  • Ⅲ型:肝臓側や胆のう付近の胆管が詰まる(重症型)

日本では、Ⅲ型(重症型)を発症する赤ちゃんが約90%です。

胆道閉鎖症の発症率と男女比

胆道閉鎖症を発症するのは、9000人~1万人に1人くらいだと考えられています。

日本国内の患者数は、赤ちゃん~未成年の子供が約2000人、成人が1500人くらいと言われています。

男の子:女の子=06:1で、女の子の赤ちゃんの発症率が高くなっています。

遺伝との関係性は明らかになっていませんが、家族内での発症率が高い傾向にあります。

胆道閉鎖症の原因

現在の医学では、胆道閉鎖症の原因は分かっていません。

各種研究では、遺伝によるもの、胎児期の器官発生段階における異常、ウィルス感染、免疫異常などが原因として指摘されていますが、特定には至っていないのが現状です。

なお、「先天性胆道閉鎖症」と記載されているサイトがあります。

先天性疾患だと指摘する研究があることや、生後間もない時期の発症が多いことから「先天性」と記載しているものと思われますが、先天性かどうか特定されているわけではありません。

胆道閉鎖症の症状

胆道閉鎖症の主な症状は、次のとおりです。

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 白い便(真っ白ではなく、ミルクコーヒー色、クリーム色、黄色がかった白の場合もある)
  • 茶褐色の尿
  • 肝臓が硬くなる(赤ちゃんのおなかを触った時に分かるくらい)
  • 出血しやすくなる(ビタミンKの欠乏)

黄疸

黄疸とは、胆汁に含まれる黄色い色素(ビリルビン)が皮膚や粘膜に沈着した状態のことです。

胆道閉鎖症を発症して胆道が詰まると、血液中に占めるビリルビンの量が増加して皮膚や粘膜に沈着します。

胆道閉鎖症による黄疸と新生児黄疸の区別

新生児黄疸とは、多くの新生児に見られる黄疸のことです。

赤ちゃんは、胎児のうちは、お母さんもらう酸素を活用するために大量の赤血球を必要としますが、出生して自力呼吸を始めると必要な量が減ります。

そのため、出生後は余分な赤血球は分解されて、ビリルビンがたくさん発生します。

しかし、生まれたての赤ちゃんは、肝臓機能が未熟で大量のビリルビンを処理しきれないので、血液中にビリルビンが過剰に残り、新生児黄疸の症状が現れるのです。

新生児黄疸は、生後2日~4日頃に症状が出て、生後1週間~10日頃に自然に消失していきます。

生後2週間以降に黄疸が出たり、生後1ヶ月以降も黄疸が消えなかったりする場合は新生児黄疸ではなく、胆道閉鎖症の可能性があります。

ただし、母乳育児の赤ちゃんの場合は、生後2ヶ月頃まで新生児黄疸(母乳性黄疸)が続くこともあります。

そのため、時期のみではなく、黄疸以外の症状の有無を確認することになります。

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新生児黄疸の原因と数値は?症状はいつまで?治療法は?

白い便

通常、便は、胆汁に含まれる黄色い色素(ビリルビン)の影響で黄色や茶色がかった色になります。

しかし、胆道閉鎖症になると胆汁が腸まで流れていかず、便にビリルビン由来の色がつかずに白いままになります。

日本では、平成24年度から母子手帳に「便色カード」が載せられています。

毎日の便の色と便色カードを見比べて、赤ちゃんの便の色を確認する習慣をつけておくことがで、早期発見できることがあります。

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茶褐色の尿

胆道閉鎖症になると、胆道の閉塞によって胆汁が腸に流れなくなって便が白色化する一方で、胆汁の分解物が尿に混じり、尿が茶褐色になります。

茶褐色だけでなく、濃い黄色や茶色のこともあります。

腎臓が硬くなる

腸に流れず溜まった胆汁の影響で肝臓が腫れ、外から赤ちゃんのおなかを触ると硬くなっているのが分かります。

出血しやすくなる

胆道が詰まって胆汁が腸へ流れず、腸内で脂肪の吸収が十分にできなくなり、脂肪と一緒に吸収されるビタミンも身体に取り込まれにくくなります。

その結果、ビタミンKが欠乏して出血しやすくなり、通常よりも高い確率で脳出血などを引き起こすリスクが生じます。

胆道閉鎖症の治療

胆道閉鎖症は手術によって治療する必要があります。

まずは、胆道の詰まった部分を取り除いて胆汁が腸に流れるようにする手術を行います。

肝臓付近で胆管が詰まっている場合は、肝臓の外の胆道を切り取って肝臓と腸管をつなぐ手術、胆管が開いている場合は胆管と腸管をつなぐ手術を行います。

手術後は、利胆剤(胆汁の流れを促す薬)や抗生剤による治療を行い、必要に応じてビタミン剤等も使用します。

なお、手術が成功しなかった場合は、黄疸が進んで胆汁性肝硬変や肝不全を引き起こし、肝移植による治療が必要になります。

胆道閉鎖症の手術後に合併するリスクのある病気

胆道閉鎖症は、手術が成功すれば安心できる病気ではなく、手術後も合併症のリスクがあります。

主な合併症は、次のとおりです。

  • 上行性胆管炎:腸内に入った食べ物が肝臓に流れ込むことで細菌感染し、黄疸、痛み、発熱を引き起こす病気
  • 門脈圧亢進症:門脈(消化管から肝臓へ流れる血管)がつまって圧力が高まった状態
  • 肝内結石:胆管に結石ができて発熱、黄疸、腹痛を引き起こす

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胆道閉鎖症の予後

胆道閉鎖症の手術を受けた赤ちゃんの予後は、次のとおりです。

  • 黄疸が消失する:約60%
  • 黄疸が残るが肝移植せず生活できる:約10%
  • 肝移植:約25%
  • 死亡:約5%

なお、胆道閉鎖症の手術を行った後の状態は、手術した時期によって異なります。

新生児期(生後4週間以内)に手術した場合、約70%の赤ちゃんの黄疸が消失しますが、生後120日以降に手術した場合は約40%、150日以降だと約20%になっています。

また、手術とその後の適切な処置により、支障なく日常生活を送れる赤ちゃんはたくさんいますが、成長の過程で肝臓の状態が悪化するリスクは残っており、長期にわたって経過観察を行うのが一般的です。

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まとめ

赤ちゃんが病気になると、親としては自分を責めて落ち込んでしまいやすいものです。

特に、胆道閉鎖症など生まれつきの病気の場合、お母さんが自責の念にかられることが多く、また、周囲から心無い発言を浴びせられることもあるでしょう。

しかし、親にも赤ちゃんにも責任はありません。

赤ちゃんの病気を知った時は動揺、混乱するものですが、落ち込んで立ち直れないでいると、それこそ赤ちゃんの成長に影響が出てしまいます。

とても難しいことではありますが、周囲を頼りながら気持ちを整理し、「これから赤ちゃんとどう関わるか。」に目を向けていくことが大切です。

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