後陣痛とは?いつまで続く?帝王切開や経産婦も痛い?和らげる方法は?

後陣痛 いつまで 痛み 和らげる

無事赤ちゃんが生まれて一安心と思っていたら、下腹部に痛みを感じるようになります。

後陣痛です。

後陣痛は、出産後まもない頃から下腹部に感じる痛みです。

どうして後陣痛が起こり、和らげるにはどうすれば良いのでしょうか?

また、経産婦や帝王切開の場合でも後陣痛が起こるのでしょうか?

この記事では、後陣痛の概要、時期(いつから、いつまで)、帝王切開や経産婦の後陣痛、和らげる方法について紹介します。

後陣痛とは

後陣痛とは、赤ちゃんが生まれて胎盤なども排出された後、空っぽになった子宮が妊娠前の大きさまで戻ろうと急速に収縮すること(子宮復古)で起こる下腹部の痛みです。

女性の子宮は、妊娠初期から少しずつ大きくなり、臨月を迎える頃には大きさが約5倍、容量が500~1000倍(いずれも妊娠初期と比較)になりますが、出産後は短時間のうちに元の大きさに戻ります。

具体的にいうと、出産から約2時間でおへその下まで収縮した後、半日程度かけて再びおへそ周辺まで膨らみ、そこから6~8週間かけて少しずつ妊娠前の大きさまで戻ります。

妊娠から出産までの約10ヶ月間かけて大きくなったものが、約2ヶ月間という約1/5の期間で元の大きさに戻るということです。

後陣痛の読み方

後陣痛と書いて「こうじんつう」と読みます。

「あとじんつう」、「後腹(あとばら)」と呼ばれることもあります。

後産と後陣痛の違い

後陣痛と混同されやすい言葉に、後産(あとざん、こうざん、のちざん)があります。

後産とは、赤ちゃんが生まれた後、胎盤、卵膜、臍帯(へその緒)などが体の外に出される現象です。

赤ちゃんの分娩から10~30分程度で始まり、大量の出血を伴います。

後陣痛の原因

後陣痛の原因は、赤ちゃんや胎盤などが出て空っぽになった子宮が、急激に収縮することによる子宮内圧の低下と、オキシトシンなどの影響だと考えられています。

後陣痛はいつからいつまで

赤ちゃんが生まれ、胎盤や臍帯なども子宮内から出た後(後産が終わって15~30分程度経過した頃)から、下腹部に疼痛を感じるようになります。

これが後陣痛の始まりです。

母乳分泌を促すホルモン(オキシトシン)に子宮収縮を促す効果があるため、授乳時に痛みが増すことがあります。

後陣痛がいつまで続くかは個人差が大きく、約80%の女性が出産後3日以内に痛みを感じなくなるものの、中には一週間以上痛みが続いたという女性もいます。

出産から1ヶ月以上経っても後陣痛が治まらない場合、何らかの異常がある可能性が高いので、産婦人科を受診して適切な対処をしてもらう必要があります。

退院後は、赤ちゃんのお世話に追われて病院に通うのが困難になることが多いため、退院前日に後陣痛が残っている場合は、念のため、医師に相談しておくと安心です。

後陣痛の痛み

後陣痛は、下腹部に疼痛を感じることは一致していますが、痛みの程度や感じ方は個人差が大きいものです。

例えば、通常分娩で標準的な体重の赤ちゃんを産んだ女性が「陣痛並みに痛む」と訴えることもあれば、双子を出産した女性が「生理痛と同じくらいかな」と答えることもあり、痛みの程度や感じ方は千差万別です。

ただし、初産よりも経産婦、通常分娩よりも帝王切開の方が後陣痛による痛みが強くなり、また、多子出産・巨大児・羊水過多症・過期産児などの場合も痛みが強くなる傾向があります。

経産婦の後陣痛

経産婦は、個人差はありますが、初産の女性に比べて分娩時間が短く出産も軽いことが多いものです。

一方で、初産の女性よりも子宮が伸縮しやすく、出産後の収縮が急激に起こりやすいため、初産の女性よりも後陣痛の痛みが強くなる傾向があります。

帝王切開の後陣痛

帝王切開で出産した場合でも子宮の収縮は起こるので、後陣痛は感じます。

また、後陣痛の痛み自体は経腟分娩の場合と大差ありませんが、切開した跡の痛みもあるため、「経腟分娩よりも強い痛みを感じた。」という女性は少なくありません。

ネット上では「後陣痛を感じるのは経腟分娩の場合のみで、帝王切開の場合はない。」、「帝王切開は後陣痛が軽い。」という記載が散見されますが、間違いです。

多子出産・巨大児・羊水過多症・過期産児

多子出産の場合、赤ちゃんが一人だけの場合よりも子宮が大きく膨らみ、その分だけ出産後の収縮も大きいため、後陣痛が強くなる傾向があります。

同じ理由で、巨大児や過期産児の出産、羊水過多症などの場合も後陣痛の痛みが強くなることがあります。

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後陣痛を和らげる方法

後陣痛は、子宮が妊娠前の状態に回復している証ですが、出産を終えて一安心と思った頃に始まり、出産後のストレスの一因になりやすいものです。

出産後は、出産により疲弊した状態で赤ちゃんのお世話をしなければならないところ、後陣痛による強い痛みが継続すると、お世話や日常生活に支障をきたしかねません。

入院中は医師や看護師に痛みを訴えることで対応してもらえますが、退院後は後陣痛とうまく付き合いながら赤ちゃんのいかなければなりません。

そこで、家庭で手軽に実践できる「後陣痛を和らげる方法」を紹介しておきます。

  • 身体を温める
  • 十分に休む
  • 下腹部をマッサージする
  • 下腹部を圧迫する
  • ミルクに切り替える
  • 医師に相談する

身体を温める

身体を温めて血の巡りを良くすることで、後陣痛の痛みを和らげることができます。

腹巻きをつける、タオルを巻いた湯たんぽを抱えるなど、下腹部を中心に身体を温めてください。

靴下、レッグウォーマー、ストッキング、足湯などで下半身を温める、温かい飲み物を飲んで身体の内側から温めるのも効果があります。

なお、出産後はホルモンバランスの変化により暑さを感じやすくなることがありますが、薄着、エアコンの利かせすぎ、冷たい飲み物の飲み過ぎなどは、後陣痛の痛みが増す原因になるので控えましょう。

十分に休む

出産後まもない時期に身体に負担をかけすぎると、妊娠による身体の変化や出産に伴う疲労の回復が遅れ、後陣痛が長引いたり痛みが増したりすることがあります。

赤ちゃんのお世話などで忙しい時期ではありますが、こまめに休息する時間を確保しましょう。

布団に横になって身体を休めることが一番効果的ですが、好きな音楽を聴く、読書をするなど、落ち着いて過ごせる時間を持って気持ちを落ち着けることも、痛みの緩和に効果を発揮することがあります。

下腹部をマッサージする

下腹部をマッサージすることで痛みを和らげられることがあります。

マッサージの方法は、以下のとおりです。

  1. 楽な姿勢で布団に寝る
  2. 手のひらで下腹部を撫でたり揉んだりする
  3. 効果が薄い場合は、姿勢や身体の向きを変えてみる

可能であれば、夫や上の子にマッサージをしてもらってみましょう。

不思議なことに、自分でマッサージするよりも気持ちが落ち着き、痛みも和らぐことが多いものです。

下腹部を圧迫する

下腹部を軽く圧迫することで痛みを和らげる方法です。

  1. 布団の上に枕やクッションを置く
  2. うつ伏せになり、下腹部に枕やクッションを軽く押し当てる

強く圧迫しすぎるとかえって痛みを感じることがあるので、注意してください。

また、日常的に強く圧迫し続けると、子宮の回復に悪影響が出るリスクもあるので、他の方法で痛みがなくならない場合に試してみる程度にしておきましょう。

ミルクに切り替える

母乳分泌を促すオキシトシンなどのホルモンには子宮収縮を促す作用もあります。

授乳時に後陣痛が強くなる場合は、母乳を中断してミルクに切り替えることで、痛みが和らぐことがあります。

いきなりミルクのみに切り替えると赤ちゃんがビックリするため、3回に1回、2回に1回というように少しずつ切り替えましょう。

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医師に相談する

日常生活に支障が出るくらい痛みがひどい場合や、出産から1ヶ月経過しても痛みが続く場合は、何らかの異常が生じているリスクを考え、産婦人科の医師に相談してください。

日本は、世界的に見ても産科医療が発達した国の一つではありますが、出産に問題がなかったとしても出産後の病気や障害のリスクが0になるわけではなく、産褥熱をはじめ様々な症状に悩まされる女性はたくさんいます。

まとめ

後陣痛は、子宮が妊娠前の状態に回復する過程で起こる現象であり、開腹が進んでいることの証でもあります。

しかし、出産後の疲労が蓄積し、赤ちゃんのお世話で多忙な時期に起こるため、出産後のストレスの原因になりやすいものです。

お世話などの合間に痛みを和らげる方法を試し、必要に応じて産婦人科に相談して、できるだけ日常生活に支障が出ないよう工夫することが大切です。