ウルトラディアンリズムとは?新生児の生活・睡眠リズムは大人と違う?

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新生児期の赤ちゃんが、昼夜問わず頻繁に目を覚ますのを見て、「どこか異常があるのではないか。」、「睡眠障害ではないか。」と心配になる親は多いものです。

実は、新生児期の赤ちゃんは、大人のような「夜に寝て朝に起きる」という生活リズム(睡眠リズム)が身についておらず、「1日の周期とは関係のない」体内リズムによって寝たり起きたりしているのです。

この「1日の周期とは関係のない体内リズム」がウルトラディアンリズムです。

聞き慣れない名前ですが、ウルトラディアンリズムとはどのようなものなのでしょうか?

また、ウルトラディアンリズムはいつ赤ちゃんに備わり、いつ大人と同じような生活リズムに切り替わるのでしょうか?

この記事では、大人の生活リズムとウルトラディアンリズム(新生児期の赤ちゃんの睡眠リズム)について紹介します。

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ウルトラディアンリズムとは

ウルトラディアンリズムとは、1日の周期とは関係のない、数十分~数時間周期の体内リズムのことです。

英語では「ultradian rhythm」と表記され、日本語では「超日リズム」と訳されますが、最近は「ウルトラディアンリズム」と呼ばれることが増えています。

本来、人間の身体は、様々な周期のリズムによって律せられており、ウルトラディアンリズムもこうしたリズムの一つです。

ウルトラディアンリズムによるリズムとしては、新生児の睡眠リズム(睡眠周期)、レム・ノンレム睡眠のリズム、授乳やおむつ交換で目を覚ますリズムなどが挙げられます。

成長するにつれ、親の生活リズム、保育所、幼稚園、学校や仕事など社会的な要因の影響を受けて1日周期の生活リズムが作られていいきます。

しかし、新生児期の赤ちゃんのうちは、社会的な要因の影響を受けることがほとんどなく、生まれ持った体内リズムに基づいて生活しています。

つまり、私たち大人のように「朝起きて夜眠る」のではなく、数十分から数時間の周期で睡眠と覚醒を繰り返すのです。

ウルトラディアンリズムはいつできる?

ウルトラディアンリズムは、赤ちゃんが生まれた頃には赤ちゃんの睡眠リズムを律しています。

生まれてくる前の胎生期30週前後には現れていることが分かっています。

つまり、胎児のうちからウルトラディアンリズムによるリズムで寝たり起きたりを繰り返しているわけです。

大人の生活リズム

ウルトラディアンリズム(新生児の睡眠リズム)の特殊性を理解するために、まず、大人の生活リズムの仕組みについて見ていきましょう。

大人の生活リズム

人には、1日を周期として睡眠と覚醒などのリズムを調節する「体内時計(生物時計、概日時計、生体時計とも呼ばれることもあります。)」という仕組みが備わっています。

体内時計は、脳の視交叉上核という部位に中心があることが分かっており、睡眠と覚醒以外にも血圧の日内変動、自律神経やホルモンの分泌、臓器の働きなども調節しています。

つまり、人は、体内時計の働きにより、意識していなくても日中は心身が活動する状態になり、夜間は自然に眠りにつくことができるのです。

体内時計とメラトニン

体内時計の働きには、メラトニン(睡眠ホルモン)というホルモンの分泌が大きく関係しています。

人は、朝起きて光を浴びることで脳内の体内時計がリセットされて活動できる状態になり、メラトニンの分泌も止まります。

起きてから約14~16時間が経過すると再びメラトニンが分泌され、メラトニンの分泌が高まるにつれて身体の深部体温が低下し、眠気を感じて睡りに落ちます。
そして、翌朝起きて光を浴びることで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌も止まって、新しい一日の周期が刻まれ始めます。

大人の睡眠リズム(レム睡眠・ノンレム睡眠の周期)

人の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があり、眠っている間は2つの睡眠が交互に繰り返されています。

レム睡眠とは、「身体は寝ていて、脳は起きている」という眠りの浅い状態で、一方のノンレム睡眠は、「体も脳も寝ている」という眠りの深い状態です。

大人のレム睡眠とノンレム睡眠は、90分前後の周期で繰り返されます。

新生児の睡眠リズム(生活リズム)

新生児期の赤ちゃんは、1日を周期とする生活リズムは身につけておらず、胎児の頃に覚えた特別なリズム=ウルトラディアンリズムによって数時間ごとに睡眠と覚醒を繰り返します。

また、レム睡眠とノンレム睡眠の周期も大人とは異なっています。

レム睡眠とノンレム睡眠の周期

新生児は、レム睡眠とノンレム睡眠の周期が約40分で、大人の90分前後と比べると半分以下だということが分かっています。

つまり、1度の睡眠に占めるレム睡眠(浅い眠り)の割合が高くなるため、その分、ちょっとした物音で目を覚ましたり、いわゆる背中スイッチがオンになったりするのです。

なお、起きている時の出来事を思い出して寝言泣きをするのも、レム睡眠の時期です。

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赤ちゃんの睡眠リズムの変化

赤ちゃんは、新生児期のうちはウルトラディアンリズムに基づく睡眠リズムを持っているため、昼夜問わず数十分から数時間おきに寝起きします。

しかし、朝起きて光を浴び、昼間は明るくにぎやかなところで遊び、夜は静かで暗いところで寝るという生活を繰り返すうちに、大人と同じ生活リズム(サーカディアンリズム)へと近づいていきます。

ただし、ある日突然、1日の周期に沿った生活リズムを身につけられるわけではありません。

朝起きて夜寝るというリズムを意識した生活を送らせていた場合、生後1~2ヶ月頃になると、赤ちゃんの寝起きのリズムが毎日少しずつずれる「フリーラン」という時期に入ります。

そして、フリーランの時期にも健康的なリズムを維持していれば、生後3~4ヶ月には大人に近い生活リズムを身につけ始めるようになります。

こうしたリズムの変化に伴って、レム睡眠とノンレム睡眠の周期も長くなっていきます。

赤ちゃんの睡眠リズムが変化する順序

赤ちゃんの睡眠リズムが変化する順序をまとめると、以下のとおりとなります。

  1. 胎生期30週頃:ウルトラディアンリズムが現れる
  2. 新生児期:ウルトラディアンリズムによる睡眠リズム(数時間ごとに目を覚ます)
  3. 生後1~2ヶ月頃:フリーラン(ウルトラディアンリズムによる睡眠リズムが崩れ、寝起きのリズムが少しずつ変化していく)
  4. 生後3~4ヶ月頃:サーディカリアンリズムによる睡眠リズム(大人と同じような睡眠リズム)

ただし、生後3~4ヶ月頃になっても、大人と全く同じ生活リズムが獲得されるわけではありません。

日中に何度も寝たり起きたりしますし、夜中にも空腹や排泄で目を覚まします。

あくまで昼と夜の区別がつくようになり、日中は決まった時間に昼寝をし、夜起きる回数が減って、「日中は遊んで、夜は眠る」という生活リズムの基礎ができていくということです。

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まとめ

新生児の睡眠リズム=ウルトラディアンリズムについて紹介しました。

新生児が頻繁に目を覚ますのは、ウルトラディアンリズムという新生児特有のリズムが原因であり、異常や障害が原因ではありません。

朝昼晩を意識した環境づくりをしていれば、赤ちゃんは、自然と健全な生活リズムを身につけていきます。

一方で、お父さんお母さんが昼夜逆転の生活をしていたり、日中でも電気をつけず引きこもったりしていると、いつまで経っても健全な生活リズムが身につきません。

また、新生児期~乳児期に健全な生活リズムを身につけておくと、成長しても崩れにくいものですが、身につけていない場合、幼児期以降に身につけさせるのは難しいと考えられています。