生理的微笑・新生児微笑とは?いつからいつまで?社会的微笑との違いは?

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生理的微笑や新生児微笑、自発的微笑という言葉を知っていますか?

新生児期の赤ちゃんは、無意識のうちにニコッと微笑むことがあり、生理的微笑(新生児微笑、自発的微笑)と呼ばれています。

後天的に獲得された子どもや大人の「笑い」、「微笑み」とは違って先天的に備わっているもので、微笑みが起こるメカニズムも異なります。

どうして生理的微笑が起こり、いつからいつまで見ることができるのでしょうか?

また、生理的微笑の後に赤ちゃんが獲得する微笑み「社会的微笑」とはどこが違うのでしょうか?

この記事では、生理的微笑(新生児微笑、自発的微笑)の概要、見られる時期(いつから、いつまで)、生じる理由、社会的微笑との違いについて紹介します。

生理的微笑、新生児微笑、自発的微笑とは

生理的微笑とは、赤ちゃんが生まれ持った、本能的・無意識的に起こる微笑みのことです。

赤ちゃんは、生まれたての頃には片方の唇だけをキュッと上げることが多く、日齢を経るにつれて両方の唇を上げるようになることが知られています。

私たち大人の「笑い」や「微笑み」は、他人と円滑にコミュニケーションするためのツールとして獲得したもので、挨拶や会話など日常のあらゆる場面で意識して使用しています。

一方で、生理的微笑は、赤ちゃんが生まれた時から備わっており、本人の意思とは無関係に起こる微笑みです。

つまり、「先天的に備わっている」ことと「意無意識的に起こる」という点で、大人の「笑い」や「微笑み」とは区別されています。

生理的微笑と新生児微笑、自発的微笑

生理的微笑は、新生児期を中心に起こる現象であることから「新生児微笑」、赤ちゃんの意思とは関係なく無意識的(自発的)に起こることから「自発的微笑」と呼ばれることもあります。

一般的には新生児微笑の方が浸透していますが、研究などでは生理的微笑や自発的微笑と呼ばれることが多くなっています。

また、日本以外では生理的微笑を「天使の微笑み」と呼ぶ地域もあり、新生児の微笑みの可愛さが万国共通であることを示しています。

自発的微笑は二ホンザルにも見られる(28.8.3追記)

生理的微笑(新生児微笑・自発的微笑)は、人とチンパンジーの赤ちゃんにのみ見られる現象だと考えられていました。

しかし、2016年8月、京都大学霊長類研究所が、ニホンザルの赤ちゃんにも自発的微笑が見られるという研究結果を発表しました。

研究の中では、人の自発的微笑は、親への愛嬌(親の関心を引いて育ててもらうためのもの)だとと考えられる一方で、ニホンザルの自発的微笑は、頬の筋肉の発達を促す動きの可能性があると指摘されています。

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生理的微笑(新生児微笑、自発的微笑)はいつから、いつまで

生理的微笑(新生児微笑)は、いつから始まり、いつまで続くのでしょうか。

生理的微笑(新生児微笑)はいつから

生理的微笑(新生児微笑)は、赤ちゃんが生まれたての頃から見ることができます。

早ければ誕生日(出産した日)に新生児微笑が確認できたという人もいます。

赤ちゃんが眠っている時に起こることが多いですが、授乳を終えた後、抱っこして寝かしつけている時などにもニコッと笑ってくれることがあります。

なお、生理的微笑(新生児微笑)は、生まれてすぐに見られることから、胎児の頃から起こっているのではないかという指摘もあります。

現時点では、胎児期の生理的微笑を確認する方法は確立されていませんが、エコー検査(超音波検査)の進化により、子宮の中で微笑む赤ちゃんを確認できる日が来る可能性はあるでしょう。

生理的微笑(新生児微笑)はいつまで

個人差はありますが、生理的微笑が見られるのは新生児期(生後0ヶ月)が多く、生後1ヶ月目に入ると少なくなっていくのが一般的です。

生後2ヶ月~生後3ヶ月頃になると自然に消失し、後ほど紹介する社会的微笑へと変化していきます。

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生理的微笑(新生児微笑、自発的微笑)が起こる理由

生理的微笑(新生児微笑)が起こる理由は諸説ありますが、親にきちんと育ててもらうためだという考え方が主流です。

つまり、愛くるしい微笑みを見せることで親の注意を引き、お世話をしてもらうために生理的微笑が起こるということです。

何とも打算的な理由ですが、親にお世話をしてもらわないと十分な食事さえ得ることができない赤ちゃんが、外の世界で生き抜くために獲得した能力だと考えられているのです。

なお、親が話しかけたりお世話したりしたタイミングなどで生理的微笑が起こり、「赤ちゃんが喜んで笑顔を見せてくれた。」と思えることもあります。

確かに、親の働きかけに対して赤ちゃんが反応することはありますが、生理的微笑については、刺激に対して赤ちゃんの意思で反応しているのではないことが分かっています。

ただし、生理的微笑が起こった時に微笑みを返し、抱っこしたり傍に寄ったりしてあげると、赤ちゃんは「私が笑うと、お父さんお母さんが笑顔になって優しくしてくれる。」ということを学習します。

そして、月齢を経るにつれて、親の話しかけや微笑みかけに笑顔を返したり、楽しい時や嬉しい時に笑顔を見せたりしてくれるようになります。

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生理的微笑(新生児微笑)から社会的微笑へ

社会的微笑とは、親に抱っこしてあやしてもらったり、興味のある物を見たりした時に赤ちゃんが見せる微笑みのことです。

例えば、お父さんお母さんなど身近な人を見つけた時にニコッと微笑むのが社会的微笑です。

抱っこや興味の対象など何らかの刺激に対する反応として微笑むところが、無意識に起こる生理的微笑とは異なります。

社会的微笑はいつから

社会的微笑が見られるようになるのは、生後2~3ヶ月頃です。

生後2ヶ月頃になると生理的微笑が起こる頻度が少なくなり、代わりに社会的微笑を見せる頻度が多くなります。

社会的微笑は、赤ちゃんが微笑もうと思って微笑んでいるわけではありませんが、周囲の刺激に対する反応として起こる微笑みであり、赤ちゃんの中に社会性が芽生えていることの確かな証です。

赤ちゃんが喜ぶことをたくさんしてあげると、赤ちゃんはたくさん微笑み、次第に自分の意思で満面の笑みを浮かべてくれるようになります。

通常、「赤ちゃんが笑うのはいつから」と聞かれたら、社会的微笑を始める生後2~3ヶ月頃と答えることが多いでしょう。

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赤ちゃんが声を出して笑う時期

新生児微笑(生理的微笑)も社会的微笑も、無意識に起こるか周囲の刺激に対する反応として起こるかの違いはありますが、「微笑」という名称のとおりいずれも微笑むしぐさです。

つまり、ニッコリするだけで、口の形やタイミングなどで偶然声が出ることはあるにしても、意識して声を出して笑うことはありません。

赤ちゃんが声を出して笑うようになるのは、個人差はありますが、生後6ヶ月前後からです。

生後6ヶ月頃には、赤ちゃんなりに好みの刺激や笑いのツボができつつあり、それらに接すると声を出して笑ってくれるようになります。

赤ちゃんに笑ってもらうには

赤ちゃんは、新生児微笑(生理的微笑)をきっかけに、「自分の意思で笑うこと」を後天的に学習します。

したがって、赤ちゃんに笑ってもらうには、普段から赤ちゃんと一緒に過ごす時間をたくさん持ち、言語的・非言語的なコミュニケーションやスキンシップを十分に取ることが大切です。

ポイントは、赤ちゃんの月齢に応じたコミュニケーションをすることです。

例えば、生後2~3ヶ月の社会的微笑を始めたばかりの赤ちゃんに「いないいないばあっ!」をやって見せても驚くだけですし、変顔を見せても「何が面白いの?」という顔をされるだけです。

まずは、普段からたくさん赤ちゃんに優しく微笑みかけることから始め、反応を見ながら赤ちゃんが面白がってくれる行動を見つけていくことが大切です。

新生児微笑(生理的微笑)と新生児模倣

新生児模倣とは、新生児(生後0ヶ月の赤ちゃん)が、他人の顔などの動きを真似ることです。

例えば、舌を出したり、口を開け閉めしたりするものです。

新生児微笑と名前が似ていることから混同したり、新生児微笑は新生児模倣の一つなのではないかと誤解したりする人がいます。

しかし、新生児微笑は、新生児模倣はまったく別の現象ですし、新生児模倣の一つでもありません。

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赤ちゃんが笑わないと自閉症スペクトラムなどの発達障害?

赤ちゃんが笑わないと「自閉症スペクトラム障害(発達障害)ではないか。」と心配する人がいます。

自閉症スペクトラム障害などの発達障害の症状の中に「笑わない」という項目があるためですが、赤ちゃんが笑わないからといって障害だと決めつけることはできません。

発達障害は複雑な診断基準に基づいて、おおむね生後3歳以降に診断されるもので、赤ちゃんが笑わないからと言って自閉症スペクトラム障害などと診断されることはありません。

そもそも、赤ちゃんが新生児微笑(生理的微笑)を見せるタイミングや頻度などは個人差が大きく、「一度も新生児微笑を見ることができかなった。」というお父さんお母さんも一定数います。

また、社会的微笑についても、笑い始める時期や頻度などは、赤ちゃん自身の気質や性格、表情筋の発達、家庭環境などの影響が大きく、赤ちゃん一人ひとり違います。

もしも、赤ちゃんが笑わないだけでなく、視線が合わない、泣かない、感覚が過敏、抱っこを嫌がるなど発達障害の他の症状が複数見られ、親自身が心配な場合は、小児科に相談してみてください。

まとめ

生理的微笑は、赤ちゃんの意思とは無関係に起こる現象ですが、生まれたての赤ちゃんの微笑みはとても可愛らしく、見ると幸せな気持ちになれるものです。

それこそ「天使の微笑み」という表現がピッタリとはまります。

生理的微笑が起こる頻度は個人差が大きく、ほとんど起こらないこともありますが、起こった時は微笑みを返し、赤ちゃんに微笑む姿を見せてあげましょう。

赤ちゃんは、自分の行動に対して親が微笑んでくれるのをみるうちに、「微笑むと親が喜んで優しくしてくれる」ことを覚えて微笑みを返すようになります。

生後2ヶ月を過ぎる頃から生理的微笑が起こる頻度は低くなりますが、代わりに刺激に対する反応として社会的微笑が見られるようになり、赤ちゃんの成長を目の当たりにするようになります。