育児・介護休業法に定められた育児参加制度一覧!

育児参加制度 育児介護休業法

育児休業については、育児・介護休業法という法律に定められています。

しかし、育児休業という言葉は知っていても、その内容、対象者、取得できる期間や回数などは知らないという人は少なくありません。

また、育児・介護休業法には、育児休業以外にも子どもの養育に利用できる制度や、子どもを養育する労働者を支援するために雇用者側が整備すべき措置なども規定されていますが、あまり知られていません。

この記事では、育児・介護休業法の概要を解説するとともに、育児・介護休業法に定められた育児参加制度を一覧表にして示しています。

育児・介護休業法とは

育児・介護休業法とは、育児や介護を行う労働者を支援することを目的として、育児休業や介護休業などを定めた法律です。

育児休業だけでなく、子の看護休暇や育児目的休暇などの休暇制度、マタハラ・パタハラの防止や残業の免除など雇用者側の義務についても定められています。

正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」ですが、一般的には育児・介護休業法と呼ばれています。

1995年に育児休業法を改正するかたちで成立した法律で、現代日本の育児や介護の状況を踏まえて改正が繰り返されています。

2017年1月1日に施行された改正育児・介護休業法

2016年3月に改正育児・介護休業法が交付され、翌年1月1日から施行されています。

主な改正内容は、以下のとおりです。

  • 有期契約労働者の育児休業取得要件を緩和(申請時点で雇用期間が1年以上継続など)
  • 子の看護休暇の取得単位の変更(1日単位のみから、1日または斑日単位で取得できるようになった)
  • 育児休業の対象となる子どもの範囲の変更(法律上の親子関係にある子どものみでなく、特別養子縁組の試験養育期間中の子どもや里親委託されている子どもも対象となった)
  • マタハラ・パタハラの防止措置を講じるという、雇用者側の努力義務を新設

2017年10月1日に施行された改正育児・介護休業法

2017年1月に改正法が施行されましたが、同年年3月には再び改正され、同年10月1日から施行されています。
2017年10月1日に施行された改正育児・介護休業法の主な改正内容は、以下のとおりです。

  • 子どもが1歳6ヶ月に達した時点で一定の事情がある場合について、育児休業の期間を最長で2歳まで延長できることとなった
  • 育児休業中に支払われる育児休業給付金の給付期間も最長2歳まで延長されることとなった
  • 労働者やその配偶者の妊娠・出産を知った場合に、労働者に対して育児休業などの制度を知らせるという、雇用者側の努力義務を新設
  • 未就学の子どもを養育する労働者が、子どもの養育を目的として利用できる休暇制度を設けるという、雇用者側の努力義務を新設

育児・介護休業法に定められた育児休業制度一覧

育児・介護休業法に定められた育児休業制度の名称と内容は、以下のとおりです。

名称 内容
育児休業 労働者が、原則として1歳未満の子どもを養育することを目的とした休業
子の看護休暇 未就学の子どもを養育する労働者が、病気やケガをした子どもの看護や、予防接種、健康診断を受けさせるために取得できる休暇
育児目的休暇(努力義務) 未就学の子どもを養育する労働者が、子どもの養育を目的として利用できる休暇
残業の免除(育児のための所定外労働の制限) 3歳未満の子どもを養育する労働者が、子どもの養育を目的として請求することにより、残業が免除される制度
育児のための時間外労働の制限 未就学の子どもを養育する労働者が、子どもの養育を目的として請求することにより、一定時間(1ヶ月で24時間、1年で150時間)を超える時間外労働が免除される制度
育児のための深夜業の制限 未就学の子どもを養育する労働者が、子どもの養育を目的として請求することにより、午後10時~午前5時の労働が免除される制度
育児のための所定外労働時間短縮の措置 3歳未満の子どもを養育する労働者について、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務を設けなければならないという、雇用者側の義務
小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置(努力義務) 未就学の子どもを養育する労働者について、必要な措置を講じるよう努めなければならないという、雇用者側の努力義務
不利益取扱いの禁止 育児休業などの取得などを理由とする不利益な取扱い禁止する、雇用者側の義務
マタハラ・パタハラなどの防止 妊娠、出産、育児休業などを理由とする嫌がらせ等を防止する措置を講じなければならないという、雇用者側の義務
育児休業等に関するハラスメントの防止 育児休業などを理由とする上司や同僚によるハラスメントを防止する措置を講じなければならないという、雇用者側の義務
育児休業制度の個別周知(努力義務) 労働者やその配偶者の妊娠・出産を知った場合に、労働者に対して育児休業などの制度を知らせるという、雇用者側の努力義務

※平成29年10月1日に施行された改正育児・介護休業法の内容を踏まえて作成

育児休業などの対象者、期間、回数

育児・介護休業法に規定された育児休業などの対象者、期間、回数を見ておきましょう。

育児休業

対象者
  • 日々雇用を除く労働者
期間
  • 原則として子どもが1歳に達する日までの連続した期間
  • 父母がともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳2ヶ月に達する日まで
  • 子どもが1歳に達する日に(子どもが1歳2ヶ月に達する日までの育児休業を1歳を超えて取得している場合、その終了予定日に)、父母の一方が育児休業中であり、一定の事情がある場合は、子どもが1歳6ヶ月に達する日まで
  • 1歳6ヶ月に達した時点で一定の事情がある場合、再度の申出により最長2歳まで延長できる
回数
  • 子ども1人について原則1回
  • 子どもの出生後8週間以内に産後休業をしていない従業員が最初の育児休業を取得した場合、再度の育児休業取得が可能
  • 一定の事情がある場合、再度の取得が可能
  • 子どもが1歳6ヶ月までの育児休業は、子どもが1歳までの育児休業とは別に取得が可能

子の看護休暇

対象者
  • 日々雇用を除く労働者
回数
  • 1年に5日(子どもが2人以上の場合は10日)
  • 1日または半日(所定労働時間の2分の1)単位で取得が可能

育児目的休暇

対象者
  • 未就学の子どもを養育する労働者

育児目的休暇は、2017年10月1日に施行された改正育児・介護休業法で新設された(雇用者側に整備する努力義務が課された)、育児のために利用できる休暇です。

厚生労働省は以下の休暇を例示しています。

  • 配偶者出産休暇:配偶者の出産前後に育児が必要になった場合に取得できる休暇
  • 多目的休暇:子どもの入園式や卒園式などの行事参加などのために取得できる休暇

育児・介護休業法では子の看護休暇が規定されていますが、取得の目的が「看護」に限定されています。

育児目的休暇は、取得の目的が看護に限られず、より幅広い目的で取得できる休暇として整備されることが多くなっています。

ただし、あくまで努力義務なので、整備が進んでいない会社も多いのが現状です。

残業の免除(育児のための所定外労働の制限)

対象者
  • 日々雇用を除く、3歳未満の子どもを養育する労働者
期間
  • 1回の請求について1ヶ月以上1年以内
回数
  • 回数制限なし

育児のための時間外労働の制限

対象者
  • 未就学の子どもを養育する労働者
期間
  • 1回の請求について1ヶ月以上1年以内
回数
  • 回数制限なし

育児のための深夜業の制限

対象者
  • 未就学の子どもを養育する労働者
期間
  • 1回の請求について1ヶ月以上6ヶ月以内
回数
  • 回数制限なし

育児のための所定外労働時間短縮の措置

対象者
  • 日々雇用や1日の労働時間が6時間以下の人を除く労働者
期間
  • 子どもが3歳に達する日まで

まとめ

女性が活躍できる社会づくりや男性の育児参加を国が推進する中で、育児休業や育児参加に関する制度は日々改善され、また、新しい制度が創設されています。

特に、目下の課題である男性の育休取得率の向上を意識した改善や新制度の創設が相次いでおり、お父さんもお母さんも家事育児と仕事を両立できる社会になりつつあります。

「男性が育休なんて。」という古い考えを持った人も少なからずいますが、育休などの育児参加制度を積極的に活用して家事育児の楽しさと大変さを体感するお父さんが増えれば、「育児は夫婦そろって取り組むものだ。」という認識が広まっていくはずです。

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