公務員の育休(育児休業)!期間は3年?給料や手当、取得率は?

公務員 育休 育児休業

一般的に、公務員は民間企業の会社員などよりも育児休業制度が充実していると言われています。

「育児休業が3年間取得できる。」、「民間に比べて育休が取得しやすい。」、「男性の育児休業取得率が民間よりも高い。」などと言われていますが、実際のところはどうでしょうか。

この記事では、公務員の育児休業制度の法的根拠、民間企業との比較(休業期間、給料・手当、社会保険料など)、育児休業の取得率について解説します。

育児休業とは

育児休業とは、法律の規定に基づいて、親が子どもを養育するために取得することができる休業です。

育児休業は、「男性か女性か」や「養育する子どもが実子か養子か」などを問わず取得することができますが、公務員(国や地方の職員)と民間企業の会社員などでは、育児休業の根拠となる法律が異なり、休業の内容にも違いがあります。

公務員の育児休業の法的根拠

民間企業の会社員などの育児休業については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)」に規定されています。

しかし、公務員の育児休業は、「育児休業等に関する法律」という育児・介護休業法とは法律に定められています。

  • 国家公務員(官僚、裁判所職員、国立大学職員など):国家公務員の育児休業等に関する法律
  • 地方公務員(市町村役場の職員など):地方公務員の育児休業等に関する法律
  • 民間企業の会社員など:育児・介護休業法

一般的に育児休業についてネット検索すると、育児・介護休業法に規定された民間企業の会社員などの育児休業に関する情報が出てきますが、これらの情報は公務員には当てはまりません。

公務員の育児休業について知りたい場合は、「育児休業、公務員」などの単語で検索することになるので、注意してください。

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公務員と民間企業の会社員などの育児休業の違い

公務員と民間企業の会社員などの育児休業について、期間、給料、休業中の手当てなどについて比較してみましょう。

公務員 民間企業の会社員など
期間 最長で3年 原則として1年
(最長で2年)
配偶者の身分 問わない
休業中の給料 なし
手当/給付金 共済組合から
育児休業給付金
雇用保険から
育児休業給付金
社会保険料 免除

公務員と民間企業の会社員などの育児休業で大きく異なるのが、育児休業の期間と給付金(手当)の支給元です。

育児休業の期間

公務員と民間企業の会社員などの育児休業の最も大きな違いは、休業できる期間です。

公務員は、最長で3年間の育児休業を取得することができます。

  • 男性:子どもが出生した日から、子どもが3歳に達する日(3歳の誕生日の前日)まで
  • 女性:産後休業が終了した日の翌日から、子どもが3歳に達する日まで(産後休業と育児休業を合わせて最長で3年間)

一方で、民間企業の会社員などは、原則として1年間です。

  • 男性:子どもが出生した日から、子どもが1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)まで
  • 女性:産後休業が終了した日の翌日から、子どもが1歳に達する日まで(産後休業と育児休業を合わせて原則として1年間)

共働きで夫婦の両方が育児休業を取得した場合はパパ・ママ育休プラスが適用され、子どもが1歳2ヶ月に達するまで休業期間が延長されます。

子どもが1歳に達する日までに、保育所の入所申込みをしたにも関わらず入所できない、配偶者が子どもを養育できない事情があるなどの事情がある場合は、子どもが1歳6ヶ月に達する日まで育児休業を延長することができます。

また、子どもが1歳6ヶ月に達する日までに、上記の事情が解消しない場合は、再度の申出を行うことにより、最長で子どもが2歳に達する日まで育児休業を延長することができます。

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配偶者の身分

公務員も民間企業の会社員なども、配偶者が専業主婦(主夫)か否か、産前産後休業、育児休業、育児短時間勤務などの利用の有無にかかわらず、育児休業を取得することができます。

育児休業中の給料

公務員であっても、民間企業の会社員などと同様、育児休業中に給料は支払われません。

育児休業中の手当て

公務員は、共済組合から育児休業手当金が支給されます。

育児休業手当金とは、職員が育児のために休場した場合に、原則として養育する子どもが1歳に達する日までの間、生活の支援を目的として支給される手当金です。

育児休業手当金の支給額は、標準報酬日額(標準報酬月額÷22)×支給日数の67%(育児休業開始から181日以降は50%)です。

ただし、標準報酬日額が給付上限相当額を超える場合は給付上限相当額が支給されます。

民間企業の会社員などの場合、育児休業中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

育児休業給付金の支給金額は、休業開始時賃金日額(休業開始前6ヶ月の賃金の日額÷180)×支給日数×67%(育児休業開始から181日以降は50%)です。

育児休業手当金も育児休業給付金も、パパ・ママ育休プラスが適用される場合は子どもが1歳2ヶ月に達するまで支給されます。

ただし、パパとママのそれぞれが支給できる期間は1年間が上限です。

また、子どもが保育園に入所できないなど一定の条件を満たす場合については、最長で子どもが1歳6ヶ月(または2歳)に達するまで支給され、支給期間は育児休業期間と同じです。

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育児休業中の共済掛金/社会保険料

公務員も民間企業の会社員なども、育児休業前は給料から社会保険(健康保険、年金)の保険料が天引きされていますが、休業中は支払いが免除されます。

支払いが免除される期間は、育児休業が開始した日を含む月から、育児休業が終了した日の翌日を含む月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業が終了する月)までです。

また、育児休業中に会社から給料やボーナスの支払いがあった場合も、社会保険料は免除となります。

育児休業中も被保険者として健康保険を利用することができ、年金についても育児休業中は保険料を納めた期間として加算されます。

公務員の育児休業の取得率と期間

公務員の育児休業の取得率や取得期間は、総務省自治行政局が公表している、「平成28年度地方公共団体の勤務状況等に関する調査結果」が参考になります。

公務員の育児休業の取得率

調査結果によると、地方公共団体における2016年度の新規育児休業等取得者(%)は、以下のとおりです。

育児休業取得者(%)
男性 2,133人(3.6%)
女性 40,013人(99.1%)

※育児休業取得率は、地方公共団体職員の育児休業取得者数/平成28年度中に新たに育児休業等が取得可能となった職員数で算出

引用:平成28年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果(総務省自治行政局)

女性はほぼ100%が育児休業等を取得しているのに対して、男性の取得率は低い水準にとどまっています。

なお、厚生労働省が公表している「平成29年度雇用均等基本調査」では、2016年度の育児休業取得率は、男性が3.16%、女性が81.8%です。

調査前々年10 月1日から翌年9月30日までの1年間の出産者(男性の場合は配偶者が出産した者)の数/出産者のうち調査時点までに育児休業を開始した者(開始予定の申出をしている者を含む。)の数で算出された数値です。

一概に比較はできませんが、参考値として載せておきます。

公務員の育児休業取得期間

上記調査結果によると、地方公共団体における2016年度の育児休業等の期間は、以下のとおりです。

男性 女性
6ヶ月以下 77.4% 4.5%
6ヶ月超1年以下 18.1% 30.0%
1年超1年6ヶ月以下 2.5% 22.7%
1年6ヶ月超2年以下 0.8% 15.1%
2年超2年6ヶ月以下 0.1% 9.2%
2年6ヶ月超 1.0% 18.5%

女性は6ヶ月から1年6ヶ月の取得期間がボリュームゾーンとなっていますが、男性は1年以下の取得期間が95%以上となっています。

まとめ

公務員と民間企業の会社員などの育児休業を比較すると、一番の違いは育児休業を取得できる期間です。

民間企業の会社員などでも延長制度を利用すれば最大で2年間は育児休業が取得できますが、無条件に3年間の育児休業が取得できるのは公務員のメリットでしょう。

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