知的障害の赤ちゃんの頃の特徴・兆候は?いつ分かる?発達障害との違いは?

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昔は、知能などに遅れがある障害を精神薄弱や精神遅滞と呼んでいましたが、約20年前に知的障害(知的発達障害の略)という言葉が使われるようになり、一般社会にも広まっています。

しかし、知的障害とはどのような障害で、原因、症状、特徴は何かなどについて、正しく理解している人は多くありません。

そのため、「乳児期の赤ちゃんの頃に見られる知的障害の兆候(特徴)は?」、「知的障害と発達障害の違いは?」という疑問を抱えたり、子どもが知的障害と診断されて絶望的な気持ちになったりするお父さんお母さんが少なくありません。

この記事では、知的障害とはどんな障害なのか、知的障害の原因・分類・診断される時期、兆候と特徴、発達障害との違いについて紹介します。

知的障害とは

赤ちゃんの知的障害とは

知的障害とは、知的能力全般(判断・理解・記憶・思考・知覚など)の発達が遅れた水準に留まり、社会生活への適応に障害が生じている状態のことです。

知的能力に若干の遅れがあっても社会適応に問題がない場合、そもそも病院を受診することがありませんし、受診しても知的障害とは診断されないことが多いものです。

知的障害は、一昔前には「精神薄弱」と呼ばれていましたが、精神的な欠陥を連想させるネガティブな名称であったことから、1970年台に「精神遅滞」という言葉が使われるようになりました。

1999年からは、知的発達障害(略して知能障害)という言葉が使われるようになっています。

知的障害の原因

赤ちゃんの知的障害の原因

知的障害の原因は、以下の3つの要因に分類することができます。

  1. 生理的要因
  2. 病理的要因
  3. 心理・社会的要因

ただし、知的障害の原因は、特定できないことも少なくありません。

特に、軽度の知的障害の場合、原因が特定できることの方が少ないのが現状です。

知的障害の原因1:生理的要因

知能に異常を生じさせる病気などに罹患していなくても、①知的障害のある親から遺伝や、②遺伝子の組み合わせによって子どもが知的障害になることがあります。

生理的要因による知的障害は、障害の程度が軽度もしくは中度で、合併症がなく、健康状態にも問題がないことが多いという特徴があります。

統計上、知的障害の大半は生理的要因によるものです。

知的障害の原因2:病理的要因

脳に病気や傷があることによって、知的発達が阻害されることがあります。

具体的な原因としては、先天性の疾患、出産時の事故、出生後の病気や事故などが考えられます。

  • 先天性の疾患:自閉症スペクトラム障害(発達障害)、染色体異常など
  • 出産時の事故:分娩時に脳が圧迫された、酸素が不足したなど
  • 出生後の病気や事故:高熱が続いた、脳出血、交通事故など

病理的要因による知的障害の場合、障害の程度が重い上、脳性麻痺、てんかん、心臓病などの合併症を抱えていることも多くなっています。

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知的障害の原因3:心理・社会的要因

知的障害は、生育環境が原因で生じることもあります。

例えば、親の虐待、親子間の著しいコミュニケーション不足、刺激が極端に少ない養育環境などが、知的障害の原因となり得ます。

心理・社会的要因による知的障害は、親の関わり方や養育環境が改善され、適切な教育や療育を継続的に受けることで、知的能力が回復することがあるのが特徴です。

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知的障害の分類

赤ちゃんの知的障害の分類

知的障害は、発達検査や知能検査の結果によって、4種類に分類されます。

  • 知能指数50~69
  • 知能指数35~49
  • 知能指数20~34
  • 知能指数20以下

知能指数50~69:軽度

知能指数が50~69の場合は、軽度の知的障害です。

精神年齢は、9歳~12歳未満の水準です。

子ども自身に自覚症状がなく、親から見てもきょうだいや同年代の他の子どもと区別がつかないことが多いレベルです。

知的能力の遅れによって日常生活に支障が出ることもあまりないため、気づかれないままになることもあります。

知能指数35~49:中度(中等度)

知能指数が35~49の場合は、中度(中等度)の知的障害です。

精神年齢は、6歳~9歳未満の水準です。

親や周囲の人は、子どもの言動や態度から知的障害があることに気づきます。

同年代の子どもと比べて学習能力が低く、行動や判断もゆっくりなので、家庭や保育所・学校など日常生活場面で様々な支障が出ます。

子どもも「他の子どもにできることが自分にはできない。」、「自分だけ遅れている。」ことを自覚し、劣等感を強める傾向があります。

知能指数20~34:重度

知能指数が20~34の場合は、重度の知的障害です。

精神年齢は、3歳~6歳未満の水準です。

病理的要因による知的障害では重度以上の場合が多く、知的な遅れ以外に様々な病気を合併していることがあります。

また、知的障害に加えて発達障害(自閉症スペクトラム障害など)がある場合、パニックなどの問題行動を起こしやすくなる傾向も指摘されています。

知能指数20以下:最重度

知能指数が20以下の場合は、最重度の知的障害です。

精神年齢は、3歳未満の水準です。

知的な遅れによって日常生活のほぼ全ての場面で支障が出ます。

また、運動機能の異常を伴って寝たきりで過ごす子どももいます。

補足:知能指数70~85:境界域(ボーダー)

知能指数70~85の場合は境界域(ボーダー)と呼ばれます。

知能指数は、一般的な水準より低いものの知的障害ほど低くはなく、知的障害とは診断されません。

知的障害のない人の中でもあまり目立たないことが多いですが、環境によっては周囲にうまく適応できないこともあります。

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知的障害はいつ分かる?兆候や特徴は?

知的障害はいつわかる?特徴は?

染色体異常など先天性疾患が原因の場合は、奇形など外見的な異常を伴うことが多いので、生まれたての頃に分かることが多いものです。

外見的な異常がない場合は、言葉の遅れや不器用さ、遊び方など行動面の遅れから知的障害を疑います。

例えば、いつまで経っても話さない、寝返りできない、物をつかめない、座れないなど、標準的な発達に比べてはっきりとした遅れが見られます。

乳児健診や小児科受診の際に医師から指摘されることもあります。

ただし、軽度知的障害の場合は、これといった問題がなく、障害が見過ごされたまま成長する子どもも少なくありません。

中度以上の知的障害を抱えている場合、幼児期や児童期に入ると、対人関係や学習など日常生活の様々な場面で支障が生じるため、親、保育士、教師などが気づきます。

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知的障害と発達障害の違い

知的障害と発達障害の違い

知的障害と発達障害はまったく別の障害です。

しかし、どちらも名称に「障害」がつくこと、定義が分かりにくいこと、発達障害と知的障害がある子どもが少なくないことなどから混同されがちです。

知的障害は「知的能力全般が年齢相応の発達より遅れている」状態です。

一方の発達障害は、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの総称で、主に「行動、コミュニケーション、社会適応に問題がある」状態です。

知的障害を伴う場合もありますが、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)のように知的障害のない発達障害もあります。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)と発達障害

自閉症とは、①対人関係(社会性)の障害、②コミュニケーションの障害、③限定した常同的な興味、行動および活動(想像力の障害とそれに基づく行動の障害)の3つを特徴とする発達障害です。

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)のように知的障害のない人もいますが、知的障害を抱える人が多いものです。

医師の診断では、知的障害の症状が重度の場合は知的障害と診断され、軽度の場合は自閉症スペクトラム障害(自閉症)と診断される傾向があります。

知的障害と学習障害(LD)

知的障害と間違われやすい発達障害の最たるものが学習障害です。

学習障害は、「読み書き、計算など学習の特定の分野に問題がある障害」ですが、知的能力全般の障害は認められません。

学習に困難がある場合、発達検査や知能検査で知能指数が70以上であれば学習障害、70未満であれば知的障害が疑われます。

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知的障害と認知症の違い

知的能力が低下した状態には、認知症も当てはまります。

しかし、認知症が「一度発達した知的能力が低下した状態」であるのに対して、知的障害は「知的能力の発達が進まない状態」であり、両者は別のものとして区別されます。

まとめ

知的障害は、障害の程度にもよりますが、子どもの日常生活に支障をもたらす障害です。

心理・社会的要因による知的障害以外は完全に治療する方法は見つかっていません。