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乳児期の子育て

アスペルガー症候群(AS)とは?乳児期の赤ちゃんに特徴的な兆候は?

赤ちゃん アスペルガー症候群 兆候

発達障害の中でも良く知られている障害の一つが、アスペルガー症候群(DSM-5では自閉症スペクトラム障害に含まれる)です。

アスペルガー症候群は、「高名な学者や研究者にアスペルガー症候群が多い。」という噂が広まったこともさることながら、「重大事件の被告人がアスペルガー障害と診断されていた」というニュースが報道されたことで一気に有名になり、発達障害のある人への偏見が強まる一因ともなりました。

しかし、アスペルガー症候群が具体的にどのような障害なのかについては、あまり知られていません。

また、乳幼児期にどのような兆候や特徴が見られるのかについても、情報があまり出回っていません。

この記事では、アスペルガー症候群の概要、特徴的な症状、乳児期に見られる兆候、アスペルガー症候群の子どもの対応について紹介します。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)とは

アスペルガー症候群とは、自閉症の3つである①対人関係(社会性)の障害、②コミュニケーションの障害、③限定した常同的な興味、行動および活動(想像力の障害とそれに基づく行動の障害)のうち、コミュニケーション能力の障害が軽度で、知的障害がなく、言語の発達にも目立った遅れがみられない障害です。

以前の診断基準では、自閉症と区別してアスペルガー症候群と診断されていました。

しかし、2013年5月にアメリカ精神医学会総会で新たな診断基準(DSM-5)が承認されたことにより、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害(共通点がある複数の発達障害をグループとしてまとめたもの)という障害群に含まれることになりました。

その結果、診断についてもアスペルガー症候群ではなく自閉症スペクトラム障害とされることが多くなっています。

ただし、一般的には自閉症スペクトラム障害が定着しておらず、アスペルガー症候群の方が分かりやすいと思われるため、この記事ではアスペルガー症候群(見出しには自閉症スペクトラム障害を併記)と記載しています。

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自閉症スペクトラムという考え方

高機能自閉症(知的発達に遅れのない自閉症)や非定型自閉症(自閉症であることは確実だが診断基準を満たさないもの)は、「自閉症の症状があるが、知的発達に目立った遅れがない。」という点でアスペルガー症候群と共通しており、これまで両者の質的違いについて研究が重ねられましたが、明確な違いが示されることはありませんでした。

こうした高機能自閉症とアスペルガー症候群の質的違いを区別できない問題などから、自閉症をカテゴリーごとに分類するのではなく、スペクトラム(連続体)として捉える「自閉症スペクトラム」という考え方が支持されるようになりました。

その結果、アメリカ精神医学会総会が作成した診断基準(DSM-5)では、自閉症スペクトラム障害という障害群にアスペルガー症候群が含まれることになっています。

自閉症スペクトラム障害には、アスペルガー症候群の他、自閉症とその他の広汎性発達障害(非定型自閉症)が含まれています。

なお、以前の診断基準で広汎性発達障害に含まれていた小児期崩壊性障害とレット症候群は、自閉症スペクトラム障害には含まれません。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の合併症

アスペルガー症候群がある人は、気分障害(うつ病)、解離性障害などを合併しやすい傾向があります。

学童期の不登校との関係を指摘した研究もあります。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の発症率

アスペルガー症候群は、4000人に1人くらいの確率で発症します。

広い意味でのアスペルガー症候群については、自閉症よりも多いと考えられています。

また、女性よりも男性の発症率が高いことが分かっています。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の特徴的な症状

アスペルガー症候群の特徴的な症状は、幼児期以降に表れてくることが多いものです。

具体的な特徴は、以下のとおりです。

アスペルガー症候群の幼児期の特徴

  • 指示に従わず、興味があることに没頭する
  • 集団行動が苦手
  • 特定の音や接触を嫌がる
  • 言葉の遅れはないが、会話による双方向のやりとりは苦手
  • ひとり遊びを好む(集団で遊ばない)
  • 他の子どもにあまり関心を示さない
  • ごっこ遊びができない、もしくは広がりにくい
  • 同じ遊びを繰り返す傾向が強い
  • 行動がパターン化していて、融通がきかない

アスペルガー症候群の幼児期以降の特徴

  • 指示に従わず、興味があることに没頭する
  • 集団行動が苦手
  • 周囲の人の考えがわからない
  • 周囲の人の気持ちを察したり、人の気持ちに合わせて行動したりできない
  • 難しい言葉を知ってはいるが、表面的な使用が多い
  • 表情や身振り、声の抑揚、姿勢などが独特
  • 親しい友人関係を築けない
  • 慣習的な暗黙のルールがわからない
  • 冗談や比喩、皮肉がわからない
  • 興味の対象が独特で変わっている
  • 極端に不器用

乳児期の赤ちゃんに見られるアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の兆候

発達障害の症状は、認知、言語、学習といった発達領域の遅れとして現れてきます。

しかし、乳児期の赤ちゃんは各領域の発達が不十分なので、発達障害に詳しい医師でもどのくらいの遅れがあるのか見極めることは難しいものです。

ただし、アスペルガー症候群と診断された子どもが乳児期にしていた特徴的な行動(アスペルガー症候群の子どもの親が語った、子どもの乳児期の行動)については、研究結果からピックアップすることができます。

  • 視線が合いにくい
  • 聴覚が過敏
  • 抱っこすると、身体を反り返らせて嫌がる
  • 人見知りをしない
  • 寝付きが悪い
  • こだわり行動(くるくる回る、手のひらを目の前でひらひらさせるといった反復行動、特定の記号や印に注目して突っ込んでいくといった興味の限局、道順や配置にこだわる順序固執など)が見られる

これらの行動は、健全な発達をしている赤ちゃんにも見られることがあるため、参考程度に目を通してください。

お子さんに似たような症状が見られる場合には、まずかかりつけの小児科の医師に相談してみましょう。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)の赤ちゃんや子どもへの対応

現在のところ、アスペルガー症候群を根本的に治療する方法は見つかっていません。

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)と診断された場合、医師や専門機関に相談しながら、症状や発達状況、本人や家族のニーズに応じた療育を継続的に受けることで、社会生活を送るための能力を伸ばしていくことになります。

また、アスペルガー症候群の子どもへの支援は、家庭におけるしつけ、学童期の学校での教育、就労支援など、子どもの周りの大人が連携して継続的に行うことが欠かせません。

まずは、お父さんお母さんが、アスペルガー症候群や子どもの特性を理解して適切なしつけを行い、その上で、周囲の協力や支援を得ながら関わっていきましょう。

まとめ

アスペルガー症候群は、コミュニケーション能力の障害が軽度で、言語の遅れが少なく、知的障害もない発達障害で、一見すると発達障害があるようには見えないかもしれません。

対人関係や行動について独特なところがあり、学校生活や社会生活においては奇抜な言動や態度を繰り返して周囲から浮いてしまったり、驚かせてしまったりすることがあります。

また、表面的には障害の有無が分かりにくい上に、知的障害がないこともあり、他の発達障害に比べると発見されにくく、結果的に適切な療育につなげられないケースも少なくありません。

親としては、子どもが幼いころから言動や態度を慎重に見守り、違和感や不安を覚えた場合は早めに病院などに相談しましょう。

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