パラシュート反射とは?やり方は?いつからいつまで?できない、消失しないと異常?

赤ちゃん パラシュート反射

パラシュート反射は、出生後しばらくして出現する姿勢反射の一つです。

「パラシュート」から「落ちるときに起こる反射」ということはイメージできると思いますが、具体的にはどのような反射なのでしょうか。

この記事では、パラシュート反射とは、原始反射との違い、出現時期と消失時期、パラシュート反射ができない場合について紹介します。

パラシュート反射とは

パラシュート反射は、赤ちゃんを立たせた状態またはうつ伏せの状態から抱き上げた後、急に頭を下にして床に近づけた場合に、赤ちゃんが両手を広げて身体を支えようとする姿勢反射です。

また、赤ちゃんを座らせた状態で身体を前後左右に傾けた場合に、赤ちゃんが両手を広げて身体を支えようとする反応もパラシュート反射に含まれています。

私たちは、バランスを崩して転びそうになると、反射的に両手を床の方に伸ばして身体を支えようとしますが、乳児期の赤ちゃんのうちはパラシュート反射によって同じような反応が起こります。

パラシュートを開いて空から地面へ降りていく人が、着地の直前に両足を大きく開いて身体を支えようとする動作に似ていることから、パラシュート反射と呼ばれています。

姿勢反射とは

姿勢反射とは、身体の姿勢を調節したり保持したりする反射です。

大脳皮質や中脳の発達に伴って、生後6ヶ月頃から姿勢反射が獲得されていきます。

獲得された反射の多くは消失せず、その後の生活の中で姿勢の調節や保持に役立ちます。

姿勢反射には、パラシュート反射以外にホッピング反射や視覚性立ち直り反射などがあります。

ホッピング反射 立たせた赤ちゃんの身体を前後左右に倒そうとすると、足を踏み出して平衡を保とうとする姿勢反射(生後9ヶ月頃に獲得)
視覚性立ち直り反射 座らせた赤ちゃんの身体を左右に傾けると、頭を垂直に保とうとする姿勢反射(生後6ヶ月頃に獲得)

姿勢反射と原始反射の違い

パラシュート反射を含む姿勢反射と勘違いされやすいのが、原始反射です。

姿勢反射と原始反射の違いはどこにあるのでしょうか。

原始反射とは

原始反射とは、赤ちゃんが胎外の環境に適応して生きていくために必要な機能です。

反射とは、感覚器から得たある刺激に対してある反応を示すことで、脊髄と脳幹が中枢の役割を果たしています。

原始反射は、健康な赤ちゃんの場合、お母さんの胎内にいる頃に出現して、生まれたての頃から機能し、中脳や大脳皮質など高次の脳が成熟するにつれて消失していきます。

引用:赤ちゃんの原始反射とは?一覧(種類、出現・消失時期)は?新生児に起こる?|乳児期の子育て

原始反射は、赤ちゃんが胎外生活を送るために欠かせない能力です。

たくさんの種類がありますが、有名なのはモロー反射、ギャラン反射、手掌把握反射です。

モロー反射 仰向けに寝かせた赤ちゃんの頭を少し持ち上げてから下ろすと、赤ちゃんが両腕を外側に向けて開き、その後、両腕を自分の体に引き寄せる原始反射
ギャラン反射 うつ伏せに寝かせた赤ちゃんの背中を、肩甲骨から背骨に沿って指で上から下にゆっくりこすることで、こすった側へ身体を曲げる原始反射
手掌把握反射 指などで赤ちゃんの手の平を刺激すると、手の平を握る原始反射

その他の原始反射については、関連記事で紹介しています。

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赤ちゃんの原始反射とは?一覧(種類、出現・消失時期)は?新生児に起こる?|乳児期の子育て

姿勢反射と原始反射の違い

姿勢反射と原始反射の大きな違いは、反射の出現時期と、反射が消失するか否かです。

出現時期 消失の有無
姿勢反射 出生後 消失しない(一部例外あり)
原始反射 出生時 消失する

姿勢反射は、出生後に大脳皮質や中脳が発達することで出現し、多くの反射は一度獲得されると消失することはありません。

一方の原始反射は、出生時すでに備わっていますが、時間の経過とともに消失していきます。

原始反射は、赤ちゃんが自分の意思で身体を動かせるようになるまでのサポート機能なので、必要がなくなると消失していくのです。

病気や異常が原因で原始反射が消失しないと、随意運動(赤ちゃんの意思による運動)が起こらず、日常生活に支障が出ることになります。

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パラシュート反射はいつから、いつまで(消失時期)

パラシュート反射が出現する時期について確認しておきます。

いつから(出現時期)

パラシュート反射が出現するのは、大脳皮質や中脳の発達が進む生後6ヶ月頃からです。

落下時の反射が最初に出現し、その後、身体を前方に傾けた場合、左右に傾けた場合、後方に傾けた場合の順にパラシュート反射が起こるようになります。

パラシュート反射が起こる状況 出現時期
落下時 6ヶ月頃
身体を前方に傾ける 6~7ヶ月
身体を左右に傾ける 7~8ヶ月
身体を後方に傾ける 9~10ヶ月

パラシュート反射は、転倒したときに自分の身を守る術の基礎であり、パラシュート反射を身につけた後は、バランスを崩したときに両手で身体を守ろうとする動きが見られるようになっていきます。

ただし、急に上手な受け身を取ることができるわけではないため、赤ちゃんがつかまり立ちや伝い歩きをしているときは、常に見守ってあげる必要があります。

いつまで(消失時期、消失しないと異常?)

パラシュート反射は、一度獲得すると消失することはありません。

原始反射の場合、ある時期までに消失しないと病気や異常を疑います。

しかし、パラシュート反射など姿勢反射は獲得されると消失することがないため、消失しないことで異常を疑うことはありません。

パラシュート反射の確認方法(やり方)

パラシュート反射は、赤ちゃんの発達の指標の一つであり、10ヶ月健診の検査項目の一つになっています。

また、パラシュート反射の動画がyoutubeやSNSで掲載されるようになり、家庭でやってみたいと思うパパママも増えています。

ここでは、一般的なパラシュート反射のやり方を確認しておきましょう。

  1. 赤ちゃんを座らせるまたはうつ伏せに寝かせる
  2. 赤ちゃんの両脇に腕を入れ、うつ伏せの状態で抱き上げる
  3. 赤ちゃんの頭を下げる

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パラシュート反射の異常

いつまでもパラシュート反射が出現しない場合、脳性麻痺、知的な遅れ、神経の異常などを疑います。

脳性麻痺があると、手や腕がこわばっている、筋力が弱く腕を伸ばすことができないなどの理由からパラシュート反射ができません。

また、身体の異常やケガが原因でパラシュート反射ができないことや、一度獲得した後に脳の障害などで反射が見られなくなることもあります。

例えば、肩や腕に異常がある場合や骨折している場合、反射自体は起こっていても腕を動かすことができず、行動として現れてこないことがあり得ます。

ただし、パラシュート反射がないことだけで何らかの診断がされることはなく、各種検査を実施した上で慎重に判断されることになります。

10ヶ月健診における対応

10ヶ月健診でパラシュート反射が見られない場合、基本的には経過観察となります。

反射が出現する時期は個人差が大きく、10ヶ月健診の時点では小児専門医でも判断が難しいからです。

通常は、生後1歳を過ぎてもパラシュート反射が見られない場合に受診するよう伝えられるか、経過確認のため健診後に通院するよう勧められます。

いずれにしても過剰に心配する必要はなく、普段から赤ちゃんの様子をこまめに観察し、「おかしいな。」と感じたら早めに受診させることを心がけてください。

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まとめ

パラシュート反射は、バランスを崩して転びそうになったときなどに姿勢を調節・保持してケガを防ぐための姿勢反射です。

原始反射と違い、生後8ヶ月~生後1歳頃に獲得された後は、消失することなく普段の生活の中で役立てることができます。

脳性麻痺などの病気や異常が原因でパラシュート反射ができない赤ちゃんもいるため、異常があれば早めに受診させる意識を持っておきましょう。

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