torch症候群とは?torch症候群の症状、検査、治療と予後は?

torch症候群 赤ちゃん 検査 予後

妊娠中のお母さんから赤ちゃんに感染(母子感染)する病原体は無数にありますが、病原体によって、感染経路、感染・発症の時期や確率は異なっています。

torch症候群は、母子感染する病原体の中でも赤ちゃんに重い先天性の症状を引き起こす病原体をまとめたものです。

このページでは、torch症候群の概要、症状、検査法、治療法、予後について紹介します。

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torch症候群とは

torch症候群とは、母子感染する病原体のうち、お母さんの症状は軽いのに、おなかの中の赤ちゃんに重い奇形や神経・臓器・感覚器の障害を引き起こす病原体の総称です。

病原体は、次のとおりです。

  • t:トキソプラズマ原虫(toxoplasma gondii)
  • o:その他(others、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウィルス、水痘ウィルスなど)
  • r:風疹ウィルス(rubella virus)
  • c:サイトメガロウィルス(cytomegalo virus)
  • h:単純ヘルペスウィルス(herpes simplex virus)

病原体の英語名の頭文字を取ってtorch症候群(たいまつ症候群)と呼ばれています。

B型肝炎ウィルスや水痘ウィルスが「others」にまとめられていますが、引き起こされる症状が軽いわけではないので注意してください。

torch症候群の症状、検査、治療、予後

torch症候群に含まれる病原菌が引き起こす病気は、病原体によって症状、検査、治療法が異なっています。

なお、othersに含まれる病原体が引き起こす病気については、記載すると長くなりすぎるため、このページでは割愛しています。

torch症候群:先天性トキソプラズマ症

先天性トキソプラズマ症とは、妊娠中のお母さんがトキソプラズマ原虫に感染して血液中に流れ込み、胎盤を通して赤ちゃんに感染する病気です。

妊娠初期に感染するほど、赤ちゃんに重い症状が現れる傾向があり、最悪の場合は流産や死産を引き起こすこともあります。

先天性トキソプラズマ症の症状

先天性トキソプラズマ症の主な症状は、頭蓋骨の形成異常、小頭症、水頭症、黄疸、脈絡髄膜炎、脾臓や肝臓の肥大、精神発達遅滞などです。

先天性トキソプラズマ症の検査

血液検査の他、新生児末梢血白血球・髄液・羊水検査でトキソプラズマ原虫の有無を調べます。

先天性トキソプラズマ症の治療

妊娠中のお母さんのトキソプラズマ感染が判明した場合は、アセチルスピラマイシンという薬を服用することで母子感染を防止するとともに、感染した場合の赤ちゃんへの影響を小さくします。

出生後に判明した場合、海外では服薬治療が行われています。

しかし、日本ではまだ治療薬が認可されておらず、一時的な助成を除くと自費で購入することになります。

torch症候群:先天性風疹症候群

先天性風疹症候群とは、妊娠中のお母さんが風疹ウィルスに感染することにより、おなかの中の赤ちゃんがウィルス感染する病気です。

妊娠初期に感染するほど赤ちゃんの症状が重くなる傾向があり、妊娠10週以前のお母さんが感染した場合、約90%の赤ちゃんに異常や障害が現れると考えられています。

先天性風疹症候群の症状

先天性風疹症候群の主な症状は、難聴(耳の異常)、心臓の異常(先天性心疾患)、白内障(目の異常)です。

先天性風疹症候群の検査

妊娠初期のスクリーニング検査で、血液検査で風疹の抗体の有無や量を調べます。

先天性風疹症候群の治療

根治法は確立されていません。

難聴や目の異常など、症状に対する治療が中心になります。

torch症候群:先天性サイトメガロウィルス感染症

先天性サイトメガロウィルスとは、妊娠中のお母さんがサイトメガロウィルスに感染することで、おなかの中の赤ちゃんに感染する病気です。

torch症候群の中でも、日本における発症率が高く、赤ちゃんに重い神経症状を引き起こす確率が高いと言われています。

先天性サイトメガロウィルス感染症の症状

先天性サイトメガロウィルス感染症の主な症状は、小頭症、水頭症、肝臓の異常、黄疸、子宮内胎児発育不全、肺炎、網膜炎、脳炎などです。

最悪の場合は、流産や死産の可能性もあります。

先天性サイトメガロウィルス感染症の検査

血液検査により、サイトメガロウィルスに特異的な抗体を調べます。

先天性サイトメガロウィルス感染症の治療

海外では、サイトメガロウィルスの抗体が含まれる免疫グロブリン製剤を静脈内投与することで、赤ちゃんへの感染率の低下や発症の抑制ができるという研究結果が発表されています。

しかし、日本では免疫グロブリン製剤が販売されておらず、同じ治療は行われていません。

出生後の赤ちゃんに対しては、症状の程度を慎重に確認しながら、必要に応じて抗ウィルス薬による治療を行います。

torch症候群:先天性ヘルペスウィルス感染症

先天性ヘルペスウィルス感染症とは、妊娠中のお母さんに感染したヘルペスウィルスが、赤ちゃんに感染する病気です。

産道感染が約80%、胎内感染が約5%で、その他は生まれた後に家族や医師・助産師からの感染です。

妊娠後期に感染する方が赤ちゃんに重い症状が現れる可能性が高い傾向があります。

先天性ヘルペスウィルス感染症の症状

主な症状は、皮膚の水疱(水ぶくれ)、中枢神経の疾患などです。

先天性ヘルペスウィルス感染症の検査

通常、皮膚の症状や痛みの訴えから診断されますが、血液検査や水ぶくれの分泌物の検査によってウィルスの有無を確認することもあります。

先天性ヘルペスウィルス感染症の治療

抗ウィルス薬の服用によって、ウィルスの増殖を抑える治療を行います。

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torch症候群の予後

torch症候群は、いずれの病原菌による病気であっても、発見が遅れるほど症状が重くなり、予後も悪くなる傾向があります。

そのため、可能な限り、妊娠する前にtorch症候群の感染の有無を確認し、感染している場合は治療をしたうえで妊娠の準備を始めましょう。

妊娠後に感染が判明した場合は、医師の指示に従って適切な治療を確実に行うことが大切です。

torch症候群の予防に役立つ妊娠初期の検査

torch症候群の予防法として一番有効なのは、妊娠初期に血液検査などを受け、torch症候群の病原体の感染が確認された場合は必要な治療を受けることです。

妊娠初期の検査の種類と検査できる項目は、次のとおりです。

血液検査

  • 梅毒
  • B型肝炎抗体(HBs抗原)
  • C型肝炎抗体(HCV)
  • HIV抗体
  • トキソプラズマ抗体
  • 風疹抗体
  • ATLV(成人T細胞白血病ウィルス)

子宮頚管粘膜検査

  • クラミジア

細菌培養検査

  • B群溶血性連鎖球菌(GBS)

妊娠初期は、お母さんにとってとてもつらい時期で、妊婦健診を欠席したり、日をずらしたりする人も少なくありません。

しかし、妊婦健診で行われる感染症検査は、torch症候群を予防する上で大切なものなので、できる限り予定通り受検するようにしましょう。

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まとめ

torch症候群について紹介しました。

torch症候群は、赤ちゃんに生まれた時から重い異常や障害を負わせてしまうものなので、可能な限り予防することが大切です。

torch症候群の多くは、お母さんが感染・発症しても軽度で済むことが多いため、あまり危機感を持てず、妊娠初期の辛さから感染症検査を受けるモチベーションも上がらないことはあるでしょう。

しかし、赤ちゃんが元気に生まれてくる確率を上げるために必要不可欠なことなので、「必要な手間」だと考えて、早い時期に受検するようにしてください。

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