水頭症とは?赤ちゃんの原因、症状、治療法は?寿命や後遺症は?

赤ちゃん 水頭症

水頭症という病気を知っていますか。

水頭症は、何らかの原因で脳室が異常に拡大し、外見からも分かるくらい頭が大きくなる病気です。

子どもでも大人でも発症しますが、先天性の水頭症を抱えて生まれてくる赤ちゃんもいます。

病気だと気付かず放置すると、症状が悪化したり後遺症が残ったりする危険が高いため、他の病気と同じく早期発見・早期治療が大切になります。

しかし、水頭症という病気を知らず、「頭の形がおかしい。」、「頭概要に大きい気がするけど。」などと心配しつつ放置してしまい、赤ちゃんに深刻な後遺症や障害が出て初めて病院を受診させるお父さんお母さんも少なからずいるのが現実です。

医療職と同レベルまで水頭症に詳しくなる必要はありませんが、新生児期~乳児期の赤ちゃんが発症する病気の一つとして、基礎的な知識は持っておきたいものです。

この記事では、水頭症の概要、症状、原因、治療法、赤ちゃんの寿命や後遺症との関係について紹介します。

水頭症とは

赤ちゃん 水頭症

水頭症とは、脳脊髄液の循環や吸収に障害が発生することにより、脳脊髄液が溜まった脳室が異常に大きくなる病気です。

人の頭の中には、脳全体を覆うように血液由来の脳脊髄液という体液が循環しています。

脳脊髄液は、脳室の脈絡叢という部位で産生されてから脳や脊髄の表面を循環し、脳やせき髄の毛細血管から吸収されて体液に戻ると考えられています。

そして、循環から吸収までの過程の中で、脳を外部刺激による衝撃から保護する、脳の老廃物を排泄する一方で栄養やホルモンを運搬する、脳の活動に重要な役割を果たしています。

また、通常は、脳脊髄液の産生、循環、吸収というサイクルが繰り返されることにより、脳内の圧力が一定に維持されています。

しかし、何かの原因で脳脊髄液の循環経路に異常が生じて流れが悪くなると、脳室内に脳脊髄液が留まって脳室が拡大し、拡大した脳室が脳を圧迫するようになります。

これが水頭症のメカニズムです。

水頭症の発症率

先天性水頭症の発症率は、0.001で1000人に1人です。

日本産婦人科医会先天異常モニタリングでは、1万人出生あたり7.7人(2002年)とされています。

水頭症の原因

赤ちゃん 水頭症

水頭症の主な原因は、脳脊髄液の過剰生産、脳脊髄液の循環経路の閉鎖、脳脊髄液の吸収障害の3つで、それぞれ異なる病気などが原因で起こります。

水頭症の原因 原因疾患
脳脊髄液の循環経路の閉鎖 中枢系の先天性異常、頭蓋内骨折、髄膜炎など
脳脊髄液の過剰生産 脳室脈絡乳頭症など
脳脊髄液の吸収障害 髄膜炎、くも膜下出血、くも膜顆粒の機能不全など

脳脊髄液の循環経路の閉鎖

出生前の神経発達の異常や脳奇形による脳構造の異常などにより、先天的に脳脊髄液の循環経路が塞がれていて水頭症を発症することがあります。

また、頭の病気で脳室や脳脊髄液の循環経路が塞がれた場合も、水頭症を発症します。

例えば、血液のかたまり(血腫)や脳腫瘍が脳室や脳脊髄液の循環経路を塞いでしまうことがあります。

脳脊髄液の過剰生産

脳室や循環経路が物理的に塞がれていないのに脳脊髄液の流れが滞る場合、脳室内に腫瘍ができて脳脊髄液が過剰に産生されている可能性があります。

脳や脊髄の毛細血管の吸収量を上回る量の脳脊髄液が産生されると、吸収しきれなかった分が脳室内に溜まって水頭症を引き起こします。

脳脊髄液の吸収障害

髄膜炎やくも膜下出血などが原因で脳脊髄液の吸収障害が起こった場合も、水頭症を発症する可能性があります。

「交通性」と「非交通性」で分類

水頭症は、原因で分類される他、交通性か非交通性かで分類されることもあります。

交通性 脳室の経路で脳脊髄液の流れに異常が見られる場合
非交通性 くも膜下腔(脳表)で脳脊髄液の停滞、生産や吸収に異常が見られる場合

水頭症と遺伝

水頭症は、遺伝によって発症することがあります。

遺伝性の水頭症で発症率が高いのは、X染色体劣性遺伝性水頭症です。

水頭症の症状

赤ちゃん 水頭症

子どもの水頭症は、脳表で脳脊髄液の流れや生産・吸収に異常が生じる非交通性水頭症が多くなっています。

赤ちゃんの水頭症の主な症状は、頭が異様に大きくなることです。

子どもや大人の場合、頭蓋骨が1枚に縫合されているため、水頭症を発症しても頭が大きくなることはありません。

しかし、赤ちゃんの場合、頭蓋骨の縫合が完成しておらず、脳脊髄液の圧力で膨らんだ脳室によって頭蓋骨が内側から押し広げられてしまい、頭が異様に大きくなるのです。

他にも、以下のような症状が現れます。

  • 大泉門が「焼けたオモチ」のようにプクッと膨らむ(触っても凹みが感じられなくなる)
  • 落日現象(黒目の下半分が下まぶたにかかり、白目が目立つ現象)
  • 頭痛、吐き気、嘔吐
  • けいれん
  • 無呼吸発作
  • 徐脈
  • 食欲がなくなって体重が減る
  • 倦怠感が強まって動きが緩慢になる
  • たくさん寝てもうとうと寝ている
  • 慢性的に機嫌が悪くなる

赤ちゃんは、頭が痛い、吐き気がするなどと言葉で表現できないため、機嫌が悪くなる、食欲がなくなるなど行動で異常を知らせます。

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水頭症の後遺症

水頭症の赤ちゃんに適切な治療を受けさせず放置すると、症状が慢性化して日常生活に支障が出るようになります。

また、脳の発達が阻害され、神経系の障害(視力の低下や眼球運動の異常など)や精神遅滞(知的障害)、言語障害、麻痺などを引き起こす危険があります。

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水頭症の診断

赤ちゃん 水頭症

赤ちゃんの水頭症は、頭部のMRI検査やCTスキャンで頭蓋骨の縫合の解離の有無や脳室の拡大の有無などを検査した上で診断されます。

また、脳脊髄液の流れを検査する方法も活用機会が増えています。

先天性水頭症の場合、妊婦健診で実施する超音波検査で脳室のサイズや脳室内の様子を確認し、水頭症が判明することもあります。

水頭症の治療

赤ちゃん 水頭症

水頭症は、「脳内に留まった脳脊髄液を流す通路を新しく作る」手術によって治療するのが一般的です。

赤ちゃんの場合は、シャントという管を脳室からおなかまでつなぐ「シャント手術」が行われることが多くなっています。

一定量の脳脊髄液がシャントを通ってお腹まで流れて吸収され、脳内には脳を保護するための適量が残るよう調節するのです。

脳脊髄液の通路が塞がれている場合、第三脳室に穴を開けて脳脊髄液を流す「第三脳室底開窓術」という手術が行われることもあります。

管を通したり、脳室に穴を開けたりすると聞くと、「リスクが高いのではないか。」、「赤ちゃんの身体に負担が大きいのではないか。」と不安になるかもしれません。

しかし、シャント手術も第三脳室底開窓術も赤ちゃんへの術式が確立されており、成功率が比較的高い手術です。

また、手術の負担は0ではありませんが、水頭症を放置することで赤ちゃんが抱える負担に比べるとはるかに軽いものです。

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水頭症と寿命の関係

赤ちゃん 水頭症

乳児期に発見して適切な手術治療を受けた赤ちゃんは、その後のリハビリやケアを受けることで、日常生活を支障なく送れるまで回復することがあります。

しかし、発見や治療が遅れた場合は、症状の項目で紹介したような深刻な後遺症や障害に苦しむことになり、症状によっては幼いうちに亡くなることもあります。

まとめ

水頭症は、脳室内に脳脊髄液が異常に溜まり、脳室が膨らんで脳を圧迫する病気です。

新生児期から赤ちゃんにも起こりうる病気で、頭蓋骨の縫合が未了のうちに発症すると、脳室の圧力の影響で頭が異様に大きくなります。

水頭症の原因は、脳脊髄液の経路が塞がれたり、異常生産や吸収異常が起こったりすることで、交通性と非交通性に分類することができます。

治療法はシャント手術が一般的ですが、第三脳室底開窓術という術式が行われることもあります。

いずれにしても早期発見と早期治療が大切であり、赤ちゃんの様子に異常が見られたら、早めに小児科を受診させる習慣をつけておいてください。

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