閉じる
  1. 赤ちゃんの予防接種のスケジュールは?定期接種と任意接種の違いは?
  2. 新生児期~乳児期の赤ちゃんがかかりやすい病気と、病気の目印の症状まとめ…
  3. 赤ちゃんの発達障害の特徴と兆候、診断時期は?知的障害との違いは?
  4. 赤ちゃんの鼻水の原因と対応は?黄色や透明だと病院受診?
  5. 新生児生理的体重減少とは?原因と計算法は?異常があるときの症状は?
  6. カンガルーケアとは?メリットとデメリット、自閉症の原因になる?
  7. 新生児黄疸の原因と数値は?症状はいつまで?治療法は?
  8. 意外と知らない予防接種ワクチンの副反応(副作用)、種類、接種方法
  9. 赤ちゃんの夜泣きはいつから(何ヶ月)いつまで?原因・理由と対処法は?
  10. 赤ちゃんが頭や首を振るのはなぜ?激しい、上下、病気が原因の首振りとは?…
閉じる

乳児期の子育て

くる病とは?原因、症状、治療法は?日焼け止めの影響と骨軟化症との違いは?

くる病 赤ちゃん 骨軟化症

くる病とはどんな病気か知っていますか?

一昔前は、栄養状態の悪さから発症する赤ちゃんや子供がたくさんいたのですが、社会の発展とともに多くの人が栄養バランスのとれた食事を摂取できるようになり、栄養状態を理由とするくる病は減っていきました。

ところが、最近の日本では、再びくる病と診断される乳幼児が増加しています。

このページでは、くる病の概要、原因、症状、治療法、日焼け止めとくる病の関係について紹介します。

スポンサーリンク

くる病とは

くる病とは、骨や軟骨が発育する時期に、骨が曲がったり、柔らかくなったり、もろくなったりする病気です。

通常、骨は、カルシウム塩が沈着することで、硬化した組織などが健常に形成されます。

しかし、何らかの原因によって石灰化が障害されることで、石灰化していない骨(類骨)が増加します。

この状態がくる病です。

くる病と骨軟化症の違い(=骨端腺の閉鎖の前か後か)

骨軟化症とは、骨や軟骨の石灰化障害により類骨が増加する病気です。

つまり、症状はくる病と同じです。

くる病と骨軟化症の違いは、骨端線の閉鎖前に発症する(くる病)か、閉鎖後に発症する(骨軟化症)かです。

骨端線とは、骨の端にある軟骨組織が密集している部分です。

骨端線に骨の組織が積み重なることで、骨は縦方向に伸びていきます。

レントゲン撮影した時に、間接に近い骨の先端部分に点線様の隙間が空いているのが確認できますが、これが骨端線です。

骨端腺は、小児期のうちは柔らかく積み重なりやすいのですが、成長するにつれて硬くなって消失していき、骨端腺がなくなると骨の成長は止まります(骨端腺の閉鎖)。

骨端腺が閉鎖する時期は、男の子が17歳頃、女の子が15歳頃です。

くる病の原因

くる病の主な原因は、次のとおりです。

  • ビタミンD不足
  • ビタミンDを活性化する酵素の異常
  • ビタミンD受容体の異常
  • リン不足
  • 遺伝子異常:家族性低リン血清ビタミンD抵抗性くる病(男性)
  • 消化管の病気
  • 未熟児
  • その他

くる病の原因:ビタミンD不足

ビタミンDは、カルシウムのバランスを整えたり、骨の健康を維持したりする機能があります。

人がビタミンDを得る方法は、食べ物から摂取するか、紫外線を浴びることで生合成するかです。

大人の場合は、短時間紫外線を浴びるだけで必要な量のビタミンDを得ることができますが、乳児期の赤ちゃんの場合は、低月齢であるほど紫外線に触れる機会が少なく、十分なビタミンDを得にくいものです。

その分、食べ物からビタミンDを摂取すれば良いのですが、離乳食開始前の赤ちゃんは母乳化ミルクしか飲まないため、何かとビタミンDが不足しがちで、くる病を発症することがあります。

特に、未熟児として出生した赤ちゃんや、アトピー性皮膚炎などの治療の一環として過剰な除去食を食べさせられた赤ちゃん、過剰な紫外線対策を受けた赤ちゃんは、ビタミンD不足に陥るリスクが高いと言われています。

くる病の原因:ビタミンDを活性化する酵素の異常(ビタミンD依存性Ⅰ型くる病)

ビタミンDは、体内に取り入れるだけでは十分に作用せず、特定の酵素に活性化してもらう必要があります。

そのため、ビタミンDを活性化する酵素が異常をきたした場合、活性体のビタミンDが産生されずにくる病を発症してしまうことがあります。

くる病の原因:ビタミンD受容体の異常(ビタミンD依存性Ⅱ型くる病)

ビタミンDを十分に摂取し、活性化酵素が正常でも、ビタミンDの受容体となるたんぱく質が以上をきたしている場合は、ビタミンDが正常に作用せずにくる病を発症することがあります。

くる病の原因:リン不足

腎臓におけるリン再吸収障害によってくる病を発症することもあります。

通常、生後1歳頃になってから、四肢の変形や低身長、歩行の異常や遅れなどが目立つようになって気づかれます。

くる病の原因:その他

ビタミンDやリン以外にも、遺伝子の異常、骨や軟骨の腫瘍、投与された薬剤などが原因でくる病を発症することがあります。

くる病と日焼け止め(紫外線対策)

紹介したように、ビタミンDは、紫外線を浴びることで生合成されます。

しかし、日本では、2000年頃から、紫外線が赤ちゃんの皮膚に与える悪影響が社会的に認知されるようになり、日光浴という言葉が鳴りを潜め、日焼け止め対策も徹底されるようになりました。

赤ちゃん用の日焼け止めクリームやジェルが無数に販売され、日よけ、帽子、衣類などで紫外線対策を徹底するよう呼びかける声もあちこちから聞こえてきます。

赤ちゃんの日焼け止めは、スキンケアや皮膚がんの予防のためには必要ですが、適度に紫外線を浴びさせてあげないとビタミンDが十分に得られず、くる病になるリスクが高まります。

日本においては、くる病を発症する乳幼児が増加していますが、その原因の一つに「過剰な日焼け止め対策」が挙げられています。

関連ページ

赤ちゃんの日焼けはなぜ危ない?日焼けしたときの対応は?

くる病の症状

くる病の主な症状は、次のとおりです。

  • 頭蓋骨が柔らかくなる
  • 低身長(身体の成長が早い時期に止まる)
  • X脚やO脚(足が変形・曲がったまま成長する)
  • 関節が膨らむ
  • 肋骨念珠(1つ1つの肋骨の一部がコブ状に膨らむ)
  • 胸郭・脊柱の変形
  • 低カルシウム血症(歩行や筋緊張の低下、けいれんなど)
  • 歯がくすむ、虫歯になりやすくなる

生後1歳以降に一人歩きを始めた時に、歩き方がおかしくて気づくことが多くなっています。

くる病の後遺症

くる病の主な後遺症は、次のとおりです。

  • 骨粗しょう症
  • 1型糖尿病

くる病の検査と診断

くる病を発症した乳児は、頭蓋骨全体が柔らかくなるため、触診によって頭頂部後方や後頭部の骨の状態を確認します。

また、X線検査で骨の状態を調べたり、血液検査でビタミンDや血清カルシウム・リンなどの異常の有無を調べたりして診断します。

くる病の治療法

ビタミンD製剤を投与する薬物療法が中心です。

1日当たりの投与量は、赤ちゃんの月齢や状態などによって慎重に判断されます。

リン不足を伴う場合はリン製剤も投与されることになります。

また、下肢の変形の程度に応じて矯正用の装具を付けたり、骨の矯正や延長のための手術を行ったりすることもあります。

スポンサーリンク

まとめ

くる病は、赤ちゃんの身体の成長発達に深刻な影響をもたらす病気です。

遺伝性のくる病を防ぐことは困難ですが、後天性のくる病については、適度な紫外線対策や食事の栄養バランスなど、普段の育児に一工夫を加えることで手軽に予防できるので、実践してみましょう。

また、他の病気と同じで、くる病も早期発見・早期治療がとても大切です。

少しでも赤ちゃんの様子に違和感を感じたら、念のため小児科を受診してみましょう。

ページ上部へ戻る