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乳児期の子育て

DSM-5における発達障害の種類(分類)は?DSM-4との違いと特徴は?

子供 発達障害 療育

発達障害や精神疾患の診断に関するマニュアルはいくつもありますが、もっとも有名で世界的に使用されているのがDSMです。

DSMは、DSM-Ⅰの出版以降、発達障害などに関する新たな知見や研究結果を参考にして改定が繰り返されており、現在は、2013年に出版されたDSM-5が最新です。

DSM-Ⅳ(DSM-Ⅳ-TR)からDSM-5への改定に伴い、発達障害に関してもいくつも変更がなされています。

このページでは、DSM-5の概要、DSM-Ⅳ(DSM-Ⅳ-TR)からの変更点(発達障害に関する部分を中心に)について紹介します。

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DSM-5とは

DSMとは、精神障害のための共通言語と標準的な基準を提示した、アメリカ精神医学会が出版している書籍です。

正式名称は、「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」で、日本では「精神障害の診断と統計マニュアル」と訳されていますが、通常はDSMと略称で呼ばれています。

DSM-5とは、2013年5月18日に公開されたDSMの第5版で、2016年10月現在、最新のDSMです。

第4版であるDSM-4から20年ぶりに改訂され、発達障害に関する記述も大きく変更されています。

なお、DSM-Ⅰ~DSM-Ⅳはローマ数字で「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」と表記されていますが、DSM-5では改定したことを明確にするために、アラビア数字で「5」と表記されています。

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DSM-5の特徴(DSM-Ⅳからの変更点)

DSM-5の特徴はたくさんありますが、診断システムと発達障害に関する変更について紹介します。

DSM-5の特徴:多軸診断システムの廃止とディメンション診断(多元的診断)の導入

DSM-5の特徴として、まず、DSM-Ⅳで採用された多軸診断システムを廃止したことが挙げられます。

多軸診断システムとは、第Ⅰ軸~第Ⅴ軸まで診断の軸を準備し、5つの異なる側面から網羅的かつ総合的に診断するシステムです。

5つの軸は、次のとおりです。

  • 第Ⅰ軸:精神疾患
  • 第Ⅱ軸:知的障害(精神発達遅滞)と人格障害(パーソナリティ障害)
  • 第Ⅲ軸:身体疾患
  • 第Ⅳ軸:心理社会的問題(環境的な問題)
  • 第Ⅴ軸:機能の全体的な適応評価(GAF)

DSM-5では、多軸診断システムに代わって、ディメンション診断(多元的診断)が導入されています。

ディメンション診断(多元的診断)とは、各種疾患やパーソナリティ障害のスペクトラム(連続体)を想定し、発達障害などのレベル(重症度)を%表示(パーセント表示)するものです。

つまり、単純に診断名をつけるだけでなく、精神疾患の重複、病態の変化、重症度について、DSM-Ⅳよりも直接的な判断がなされることになります。

ただし、多軸診断システムの軸の区分が完全になくなったわけではありません。

多軸診断システムの5つの軸のうち、第Ⅰ軸(精神疾患)と第Ⅱ軸(知的障害、人格障害)はまとめられ、第Ⅲ軸(身体疾患)も各疾患の中に併せて記載されています。

また、第Ⅳ軸(心理社会的問題・環境的な問題)は、「ICD-10-CM Zコード」(2014年10月1日から)を使用しています。

  • ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類):WHO(世界保健機関)が作成する死因や疾病に関する統計と分類の第10版
  • ICD-10-CM:ICD-10に説明を加えたもの

第Ⅴ軸(機能の全体的な適応評価)も、「WHODAS2.0(世界保健機構障害評価尺度第2版)」が暫定的に採用されています。

  • WHODAS2.0:精神障害ではない全般的な機能不全を分類したICFから作成された、精神障害・精神疾患と社会経済的・職業的な気泡不全を区別することを目指した分類

DSM-5では、精神障害や精神疾患は、一般的なストレス反応や文化的に許容される反応とは異なる病的反応と定義されています。

また、正常か異常化の区別は、診断基準の適応だけでは判断できず、医師の臨床的・経験的な要素が重要だと考えられています。

DSM-5の特徴:広汎性発達障害の廃止と自閉症スペクトラムの採用

DSM-Ⅳでは、先天的な脳の障害によって広範な領域に生じる発達上の障害を「広汎性発達障害(PDD)」という概念で表現していました。

しかし、DSM-5では、広汎性発達障害という概念が廃止され、自閉症スペクトラム(ASD)という診断名が採用されました。

自閉症スペクトラムというのは、各発達障害を「連続体」(スペクトラム)として捉える概念です。

自閉性スペクトラムに含まれる発達障害は、次のとおりです。

  • 自閉性障害
  • アスペルガー障害
  • 小児崩壊性障害
  • 特定不能の広汎性発達障害、非定型自閉症

DSM-Ⅳでは、上の4つとレット症候群が広汎性発達障害に含まれていました。

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DSM-5の特徴:精神障害と発達障害が神経発達障害にまとめられた

精神障害と発達障害は、DSM-Ⅳでは、「通常、幼児期、小児期または青年期に初めて診断される障害」というカテゴリーにまとめられていましたが、DSM-5では「神経発達障害」にまとめられました。

神経発達障害にまとめられた精神障害と発達障害は、次のとおりです。

  • 知的能力障害群:知的障害、全般性発達遅延、特定できない知的障害
  • コミュニケーション障害群:言語障害、会話音声障害、吃音、小児期発症の流暢性障害、社会性コミュニケーション障害、特定できないコミュニケーション障害
  • 自閉症スペクトラム:自閉性障害、アスペルガー障害、小児崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害、非定型自閉症
  • 注意欠如・多動障害群:注意欠如・多動症、混合発現型、不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、他で特定される注意欠如・多動性障害、特定できない注意欠如・多動性障害
  • 限局性学習障害:読みの障害、書く表現の障害、算数の障害
  • 運動障害群:発達性協調運動障害、常同運動障害、チック障害、トゥレット障害、持続性(慢性)運動または音声チック障害、一時的なチック障害、他で特定されるチック障害、特定できないチック障害
  • その他の神経発達障害:他で特定される神経発達障害、特定できない神経発達障害

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まとめ

発達障害の診断基準は、今後も変更される可能性があります。

お子さんに発達上の課題がうかがえる場合や、受診させることを検討している場合は、事前に最新の情報をチェックしておくと、医師の話を理解しやすいでしょう。

また、お子さんに発達上の課題がある場合、適切な診断を受け、課題に応じた療育を受けることが大切ですが、発達障害を扱う医師の中には、新しい知見を取り入れようとせず、古い知見で診断を行ったり、時代遅れな説明をしたりする人も少なくないのが現状です。

お父さんお母さんが最新の知見を理解しておけば、医師の説明が適切かどうかが分かるので、医師を選ぶ時に役立つはずです。

最後になりましたが、発達障害の種類や特徴について知りたい人は、「赤ちゃん・幼児の頃からチェックしたい発達障害の種類と特徴」をご覧ください。

DSM-Ⅳ(DSM-Ⅳ-TR)をベースに、DSM-5の内容も盛り込んで発達障害の種類や特徴を紹介しており、各発達障害について詳しく書いたページへのリンクも貼ってあります。

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