後産とは?痛みはいつまで?胎盤が出ない時の対応は?読み方や意味は?

後産 痛み いつまで 胎盤 手術

女性は、赤ちゃんが無事に産まれて一安心した後、後産に臨まなければなりません。

出産経験のある女性なら誰でも知っていることですが、初めて妊娠した女性や男性の中には「お産は赤ちゃんが生まれたら終わり」と思っている人も一定数います。

また、後陣痛と後産を混同している人も少なくありません。

この記事では、後産の概要(意味、読み方、内容、後産期や後陣痛との違い)、時期、痛み、トラブルについて紹介します。

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後産とは(意味)

後産とは、赤ちゃんが生まれた後、子宮内に残った胎盤、卵膜、臍帯(へその緒)などを体外に排出することです。

胎盤、卵膜、臍帯(へその緒)は、いずれも赤ちゃん(胎児)が子宮内で過ごすために必要なもので、赤ちゃんが生まれた後は役目を果たして胎外へ出て行くのです。

  • 胎盤:胎盤を介して胎児に酸素・栄養の供給と二酸化炭素・排出物の受け取りを行うとともに、妊娠の維持に必要なホルモンを分泌する
  • 卵膜:子宮内で胎児を包み、細菌の侵入予防や羊水の保持の役割を果たす3枚の膜(胎児羊膜、絨毛膜、脱落膜)
  • 臍帯(へその緒):胎児と胎盤をつなぐ器官で、酸素・栄養や二酸化炭素・排出物が行き来する

分娩における出血のほとんどは、赤ちゃんが生まれた時ではなく後産の時に起こります。

そのため、後産が長引く場合は、胎盤を早く排出させて出血量を少なく抑えるために子宮収縮剤が使われることがあります。

後産の読み方

後産と書いて「あとざん」、「こうざん」、「こうさん」、「のちざん」などと読みます。

医学的には「こうさん」をよく使いますが、「あとざん」と読む医師が多く、また、「こうざん」や「のちざん」も間違いではありません。

後産と後産期の違い

後産と混同されて使われる言葉に後産期があります。

後産期とは、赤ちゃんが生まれてから後産までの期間のことです。

後産が「分娩後に胎盤、卵膜、臍帯などが体外に排出される「現象」」であるのに対し、分娩期は「分娩から後産までの「期間」」であり、この点が両者の違いです。

ただし、後産と後産期をごちゃ混ぜに使う医師もおり、明確に区別されていないことが多いのが現状です。

なお、分娩を3つの期に分類し、子宮口が全開になるまでを分娩第1期、赤ちゃんが生まれるまでを分娩第2期、後産期を分娩第3期と呼ぶこともあります。

後産と後陣痛の違い

もう一つ、後産と後陣痛の違いについても見ておきます。

後陣痛(こうじんつう)とは、後陣痛とは、赤ちゃんが生まれて後産も終わった後に始まる陣痛のことです。

空っぽになった子宮が、妊娠前の大きさまで戻るために急速に収縮することによって起こる現象です。

個人差はありますが、2~3日程度は継続し、一週間以上も続くこともあります。

後産が「子宮内の胎盤などを排出するための現象」なのに対して、後陣痛は「子宮を妊娠前の大きさに戻す現象」です。

また、後産が10~30分程度で終わる一方で、後陣痛は短くても2~3日は続くところも違います。

後産はいつから、いつまで?

赤ちゃんが生まれた後は、子宮が急速に収縮して陣痛の周期が一定ではなくなり、強い痛みも一時的に和らぎます。

しかし、ホッと一息つけるのも束の間です。

赤ちゃんが生まれてから10分程度が経過すると、再び陣痛(後産期陣痛)が起こって子宮の収縮が促され、胎盤が剥がれ落ちて臍帯や卵膜と一緒に母体の外へ出てきます。

個人差はありますが、後産期陣痛が起こってから胎盤などが排出されるまでに要する時間は10~30分くらいです。

胎盤などが全て排出された後は、医師が裂傷や会陰切開による傷口を縫い合わせ、分娩の処置を終えます。

なお、後産は大量の出血を伴うため、後産開始から30分が経過しても胎盤などが全て排出されない場合、医師が排出を早めるために子宮収縮剤の使用などの処置に踏み切ることがあります。

後産の痛み

後産による痛みは、個人差が大きく、出産時のような「いきみたくなる痛み」を感じる人もいれば、体内に異物感を感じる程度の人もいます。

また、通常、後産期陣痛は赤ちゃんが生まれるまでの陣痛よりも軽いため、「あまり痛みを感じなかった。」という人も一定数います。

一方で、初産の場合、「赤ちゃんが生まれて安心し、気を抜いていたところに再び陣痛が始まり、何事かと不安になった。」という人が少なくありません。

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後産のトラブル

後産では、以下のようなトラブルが起こることがあります。

  • 胎盤癒着(癒着胎盤)
  • 胎盤遺残
  • 弛緩出血

いずれも適切な処置が行われないと母体に深刻な影響を与えるもので、最悪の場合は命を落とすこともあります。

胎盤癒着(癒着胎盤)

胎盤癒着とは、胎盤が子宮に癒着し、赤ちゃんが生まれた後も剥がれ落ちず子宮内に留まる状態です。

通常、妊娠すると子宮内部に脱落膜(卵膜の一つ)が作られ、そこに胎盤が癒着して、赤ちゃんが生まれた後に子宮から剥がれ落ちるようになっています。

しかし、脱落膜がうまく作られないと、絨毛が脱落膜の奥の子宮筋層まで根を張ってがっちり子宮にくっついてしまい、後産で剥がれ落ちにくくなります。

胎盤癒着の原因としては、前置胎盤、帝王切開など子宮の手術歴がある、人工中絶手術、子宮内膜の炎症や損傷、子宮奇形などが挙げられます。

胎盤が剥がれかけている場合は、医師が手で胎盤を剥がす「用手剥離」が行われますが、子宮壁に癒着していると大量出血を引き起こすリスクがあるため、慎重に判断されます。

用手剥離が高リスクの場合は、開腹手術による摘出に切り替えられます。

また、癒着がひどかったり、止血が難しかったりすると、子宮摘出が行われることもあります。

胎盤遺残

胎盤遺残とは、子宮から剥がれ落ちた胎盤の全部または一部が子宮内に残った状態のことです。

胎盤遺残の原因は、胎盤を胎外へ排出する力(娩出力)が弱いことや、子宮峡部などの異常収縮により内子宮口が閉じること(排出する力はあるけれど、出口が塞がってしまう)です。

娩出力が弱い場合は、子宮のマッサージを行い、胎盤が排出されなければ筋肉注射や静脈注射などにより排出を促します。

薬によって異常な収縮を抑えた上で、用手剥離などによって胎盤を取り出します。

弛緩出血

弛緩出血とは、後産で胎盤が排出された後も出血が止まらない状態のことです。

通常、胎盤が剥がれた部位の血管は、子宮筋の収縮によって圧迫されて出血が止まるようになっています。

しかし、後産後も子宮の収縮が十分に起こらず、出血が止まらないことがあり、これが弛緩出血です。

分娩が長時間にわたったり、反対にあまりに短時間に終わったりした場合に起こるリスクが高くなっています。

治療としては、まず、子宮内に指を挿入して胎盤遺残の有無を確認し、あれば取り除きます。

その上で、マッサージや子宮収縮剤の使用によって子宮の収縮を促します。

出血が止まらず母体に深刻な影響が出る恐れがある場合、子宮摘出手術が行われることもあります。

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まとめ

後産は、赤ちゃんが生まれた後に、胎盤、卵膜、臍帯(へその緒)など赤ちゃんの子宮内での生活を支えたものが役目を終えて出てくる現象です。

通常は、赤ちゃんが生まれてから短時間のうちに後産が始まり、10~30分程度で胎盤などが全て排出され、傷口の縫合などが済めば、分娩が全て終了します。

しかし、胎盤が剥がれなかったり、胎盤の全部または一部が子宮内に残ったり、子宮筋の収縮不足で出血が続いたりするなどのトラブルが起こることもあり、赤ちゃんが無事に生まれたからといって気が抜けません。

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