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乳児期の子育て

移行対象・過渡対象とは?ぬいぐるみが子どもの移行対象?愛着との関係は?

移行対象 ぬいぐるみ 愛着 子ども

乳幼児期のお子さんが肌身離さず持っているものはありませんか?

ぬいぐるみ、ふわふわのタオル、毛布など対象は様々ですが、乳幼児が特別な愛着を示す対象が移行対象です。

スヌーピーでおなじみの「ピーナッツ」ファンの人なら、「ライナスの毛布」というと分かるかもしれません。

移行対象は、母子分化(母子分離)の過程で子どもの心のよりどころとなるもので、正常な発達を示す子どもの多くが持つものです。

このページでは、移行対象の概要、子どもの移行対象となりやすいもの、愛着との関係、移行対象を持つ時期について紹介します。

移行対象とは

移行対象とは、ぬいぐるみ、毛布、タオルなど、乳児期の赤ちゃんや幼児期の子どもが特別な愛着を示す対象です。

イギリスの小児科医・精神科医・精神分析家であるドナルド・ウィニコットが提唱した概念です。

英語では「transitional object」と表記するように、移行対象となるのは、乳幼児の身近にある物(無機物)が中心です。

移行対象以外に、過渡対象と翻訳されることもあります。

また、ライナスの毛布(安全毛布)と呼ばれることもあります。

これは、スヌーピーで有名なマンガ「ピーナッツ」に登場するライナスが、青い毛布を肌身離さず持っており、毛布がなくなるとパニックを起こすことに由来した呼び方です。

移行対象はぬいぐるみが多い?

乳幼児にとっての移行対象は、お母さんと一緒にいる時と同じような安心感を与えてくれるものです。

「移行対象=ぬいぐるみや毛布」と思うかもしれませんが、何が移行対象になるかは、何が乳幼児にお母さんと一緒にいるような安心感を与えるかによって異なります。

移行対象となりやすいのは、触ったり口に入れたりした時の感触がお母さんの肌やおっぱいに似ているものや、乳児期からそばにあって触り慣れているものです。

具体的なもので言うと、ぬいぐるみ、人形、毛布、柔らかいタオルなどです。

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愛着と移行対象の関係

移行対象は、赤ちゃんが身近な養育者との間に築く愛着関係と深い関係があります。

愛着関係を築くまで

赤ちゃんは、自分の身の回りのことが何もできない状態で生まれてきます。

五感はしっかり機能しており、周囲の刺激を感じ取ってはいますが、手足を自力で動かすこともままならず、自分の気持ちや意思を言葉で伝えることも学習しておらず、泣くことで伝えることしかできません。

お腹が空くと母乳やミルクをもらい、尿便をするとおむつを交換してもらい、眠たくなると抱っこして寝かしつけてもらうというように、四六時中、全面的に親からお世話してもらわなければ生きていくことができない状態です。

そして、常に身近にいてノンバーバルなやり取り(抱っこ、微笑みかけ、話しかけなど)をしてくれたり、自分の要求に対して愛情のこもったお世話で答えてくれたりする相手(通常は親、特にお母さん)に特別な絆(愛着関係)を築きます。

通常、新生児期から乳児期の赤ちゃんは、完全にお母さんに依存して欲求が常に満たされている状態で、万能感を抱いています。

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移行対象を持つまで

ところが、月齢を経るにつれて、少しずつ状況が変わっていきます。

赤ちゃんは、お母さんのいる場所や表情を確認しながらではありますが、自分の意思でお母さんのそばを離れて遊ぶことができるようになり、四六時中親がつきっきりという状況ではなくなります。

同時に、しつけが始まります。

この時期の赤ちゃんは、「快か不快か」という基準で自由に行動するので、親から「良いことか悪いことか」、「危険なことかどうか」をきちんと教えてあげる必要が出てくるのです。

しかし、赤ちゃんにとっては、常に欲求を満たしてくれていたお母さんからしつけを受けることは、天地がひっくり返るくらいのショックで、思うように欲求が満たせない不満や、常に受け入れてもらえない不安を抱えます。

そして、親から全面的に受け入れられていた頃の感覚を思い出せる物を移行対象にして、触れたり口に入れたりすることで、欲求不満や不安を軽減させようとするようになります。

母子未分化の状態から分化した状態へ

赤ちゃんは、欲求不満や不安を抱えながら過ごすうちに、自分は万能ではなく、お母さんと自分は一体ではないことを理解します。

そして、赤ちゃんの中で、母子関係が未分化の状態から分化した状態へ移行していきます。

つまり、移行対象は、母子未分化な状態から分化した状態への移行を促す役割を果たしていると言えます。

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赤ちゃんや幼児が移行対象を持つ時期は、いつから、いつまで

個人差はありますが、ここでは標準的な時期を紹介します。

移行対象を持つ時期はいつから

生後6ヶ月~生後1歳頃です。

運動機能の発達という視点で見ると、ずりばいやハイハイ、伝い歩き、一人歩きを覚えてあちこち移動できる時期で、心の発達という視点で見ると、人見知りや後追いを始めるなど愛着関係が行動として現れてくる時期です。

なお、お父さんに対して人見知りする「パパ見知り」が始まることもあります。

移行対象を持つ時期はいつまで

生後2歳~生後3歳頃です。

ただし、親子関係で強い欲求不満や不安を抱え続けている乳幼児の場合、いつまでも移行対象が手放せなくなることがあります。

例えば、親から虐待を受けたり、親が不在がちだったり、親が離婚して一方の親に会えなくなったりした子どもは、両親が揃った円満な家庭で育った子どもよりも、移行対象を手放せなくなる確率が高くなる傾向があります。

ずっと移行対象を持ているのは問題か?

通常、子どもは、①移行対象を持つことで、お母さんが常にそばにおらず、常に欲求を満たしてくれなくても安心感を得られるようになり、②周囲の人や物と安定した交流を持てるようになることで、移行対象を卒業していきます。

そのため、「いつまでも移行対象から卒業できないのは問題だ。」、「心の障害があるのではないか。」と考えるかもしれませんが、「移行対象を手放せないこと=心の障害、心の成長の遅れ」ではありません。

単純に、その子どもにとって「移行対象を手放す時期ではない。」だけかもしれませんし、強い不安を感じて手放せずにいるのかもしれません。

もし、生後3歳を過ぎても子どもが移行対象を手放さずにいる場合は、常日頃から意識して子どもに優しく接し、不安や不満を察して対応してあげましょう。

たくさん抱っこしてあげる、たくさん話しかけてあげる、子どもの前で夫婦喧嘩をしない、親子でたくさん出かけるなど、ちょっとした工夫で子どもは安心し、少しずつ移行対象を手放すようになるはずです。

移行対象を奪い取るのはNG

移行対象を奪い取ることだけは絶対に避けてください。

子どもにとっての移行対象は、「触れていると安心できるもの」であり、「お母さんの代わりのようなもの」です。

それを他人に奪い取られるということは、お母さんと無理やり引き離されることとほぼ同じで、子どもの心に致命的な傷を負わせてしまいます。

必ず、子どもが自分の意思で移行対象を手放すのを待ってあげましょう。

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まとめ

移行対象は、「子どもがいつまでも手放さなくて不安」、「ぬいぐるみを取り上げるとパニックになる。異常があるのではないか。」など、世間ではネガティブな捉え方をされることが多いものです。

しかし、健全な成長発達の過程で多くの子どもが経験することなので、ぜひ温かく見守ってあげてください。

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