赤ちゃんの擦り傷、切り傷の処置はワセリンでモイストヒーリング?消毒は?

赤ちゃん 擦り傷 切り傷 モイストヒーリング

赤ちゃんは、ズリバイやハイハイ、つかまり立ちや伝い歩き、一人歩きを始めると、安全かどうかは気にせず、とにかくあちこち動き回るようになります。

そして、ちょっとした段差や勾配で転んだり、壁やテーブルの足などにぶつかったりして、体中に擦り傷や切り傷をつくってしまいます。

当然ながら、赤ちゃんの生活空間に危険な物を置かず、できるだけ赤ちゃんの行動に気を配るといったケガの予防は大切です。

しかし、どれだけ安全面に気をつけていても、赤ちゃんのケガを100%防ぐことは困難です。

そのため、親としては、予防だけでなく、赤ちゃんがケガをした時に適切に処置する方法を覚えておくことも大切です。

この記事では、赤ちゃんが擦り傷や切り傷を負った時の処置方法であるモイストヒーリング(湿潤療法)について紹介します。

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赤ちゃんの擦り傷や切り傷の処置(モイストヒーリング)

少し前は、擦り傷や切り傷ができたら、①傷口を消毒する、②傷を早く乾かす、③絆創膏などで傷口を覆う、④カサブタを作って治すというのが一般的でした。

この処置のメカニズムは、傷口の上にカサブタができた後、上皮細胞がカサブタや乾燥した真皮の下に潜りこんで傷を治すというものです。

しかし、いくつもの問題点が指摘されていました。

  • 消毒は、傷口に付着した雑菌だけでなく皮膚細胞まで傷つけてしまい、自然治癒力が低下する
  • ガーゼや絆創膏などで傷を覆うと、傷を治すために細胞の成長や再生を促す成分が含まれた体液(浸出液)が吸い取られて傷口が乾燥してしまう
  • 傷口が乾燥すると、皮膚細胞が生きていられない
  • カサブタを作ると傷が残りやすく、傷の治りが遅くなる

こうした問題を解決する処置方法として登場したのが、モイストヒーリング(湿潤療法)です。

モイストヒーリング(湿潤療法)とは

モイストヒーリングとは、傷を乾かさないようにして治す治療法です。

湿潤療法とも呼ばれます。

モイストヒーリングでは、傷口を消毒したり乾燥させたりするのではなく、傷口を覆って浸出液を傷の周りに留める(湿潤状態を保つ)ことで、傷を治します。

モイストヒーリングの効果(メリット)は、以下の3つです。

  1. 痛みを軽くする
  2. 傷跡が残りにくい
  3. 傷を早く治す

痛みを軽くする

モイストヒーリングでは、傷口を洗い流すものの、消毒はしません。

そのため、消毒液による痛みを感じて赤ちゃんが泣くことがありません。

傷跡が残りにくい

モイストヒーリングでは、傷口に浸出液をとどめて湿潤状態を保つことにより、傷の上に上皮細胞を再生させます。

これにより、従来の方法に比べて傷跡が残りにくいと言われています。

傷を早く治す

モイストヒーリングでは、消毒液を使用せず、浸出液による自然治癒を待ちます。

そのため、皮膚細胞が元気な状態で傷の修復にあたることができ、傷の治りも早くなります。

擦り傷や切り傷の処置(モイストヒーリング)の手順とワセリンの使い方

それでは、モイストヒーリングの具体的な処置手順を見ていきましょう。

  1. 傷口を水で洗い、異物を取り除く
  2. 傷口をケアする
  3. 傷口を保護する
  4. 傷口を確認する:傷の治りを確認しながら、ケアと保護を繰り返す

以下、各手順について詳しく紹介します。

擦り傷や切り傷の処置1:傷口を水で洗い、異物を取り除く(消毒液は使わない)

赤ちゃんの擦り傷や切り傷は、まず、水道の水でできるだけきれいに洗い流します。

ただし、滅菌水や石鹸を使用する必要はありません。

消毒液を使うと、皮膚細胞まで傷つけるリスクがあるため、傷口が小さい場合は水で洗い流すだけにしてください。

また、傷口に塗り薬を使用することもありません。

擦り傷や切り傷の処置2:傷口をケアする

傷口を水で洗い流したら、傷口の周辺の水気を拭き取ります。

出血がある場合は、血が止まるまで傷口を押さえておきます。

清潔なガーゼやハンカチ、タオルなどを使用し、傷口に繊維が入らないように注意してください。

擦り傷や切り傷の処置3:傷口を保護する

傷口の保護には、傷口にワセリンを塗ってラップで覆う方法と、市販の創傷被覆材(ドレッシング材)を使用する方法があります。

ワセリンとラップを使う場合は、きれいにした傷口に白色ワセリンを塗り込んだ上でラップを巻きます。

白色ワセリンには保湿効果があるため、塗ると傷口が乾燥せず湿潤環境が保たれます。

モイストヒーリング用の絆創膏は、創傷被覆材(ドレッシング材)と呼ばれており、いくつか種類があります。

  • ハイドロコロイド:滲出液が親水性ポリマーに吸収されて、傷口に湿潤環境を作る
  • ハイドロジェル:含有される水分が乾燥した皮膚細胞を軟化させて湿潤環境を作る
  • ポリウレタンフォーム:滲出液を吸収して湿潤環境を保つ
  • ポリウレタンフィルム:傷口の湿潤環境を保つ(吸水、保持はできない)

いずれも薬局で販売されています。

それぞれメリットとデメリットがあるため、パッケージの説明を読み比べるか、店員に聞いてみてください。

擦り傷や切り傷の処置4:傷口を確認する

モイストヒーリングによる治療は、従来の処置より早く傷が治ると書きましたが、1時間や2時間で治るわけではありません。

こまめに傷口の様子を確認し、傷口のケアと保護を繰り返し行うことが大切です。

もしも、浸出液が多くてドレッシング材がはがれるようなら、1日2回くらいの頻度で取り換えましょう。

また、傷口が感染して化膿している場合、モイストヒーリングでは処置できません。

すぐに小児科で治療を受けさせてください。

化膿しているかどうかを見極めるポイントは、以下の3つです。

  • 傷口周辺が赤く腫れる
  • 傷口周辺が熱を持つ
  • 赤ちゃんが傷を痛がる

腫れや熱は見極めが難しいことがあるため、赤ちゃんが傷を痛がる様子を見せていたら受診させると考えておくと安心です。

擦り傷、切り傷で病院を受診して処置を受けさせる目安

モイストヒーリングは、痛みが少なく、傷跡が残りにくく、傷の治りが早い処置ですが、あくまで家庭でできる応急措置です。

赤ちゃんに以下のような症状が見られる場合は、モイストヒーリングでは処置できないため、すぐに小児科を受診させてください。

  • 傷口が化膿している(炎症を起こしている)
  • 傷口の血が止まらない(傷口を縫う必要があるかもしれない)
  • 傷口から脂肪が見えるくらい傷が深い
  • ガラスや陶器の破片などの異物が身体に入り込んで取り除けない
  • 異物が身体に入り込み、取ると大量に出血しそう
  • 錆びた鉄など汚い物でケガをした(破傷風の恐れがある場合)
  • 人や動物に噛まれた(重い症状を引き起こす菌が血液中に入り込んだリスクがある)
  • 頭や顔から出血している
  • 顔の傷であとが残りそうな傷
  • 怪我から2,3日経ってから痛み出した場合
  • 赤ちゃんの元気がない

赤ちゃんが頭や顔からの出血、出血が止まらないなどのケガをしていて、親として急を要すると判断した場合は、迷わず119番通報をしてください。

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まとめ

モイストヒーリングは、赤ちゃんが擦り傷や切り傷を作った場合に、家庭でできる応急処置として注目されています。

痛みが少ない、傷跡が残りにくい、傷の治りが早いなどメリットが多い処置なので、処置用の絆創膏などを赤ちゃん用品入れなどに常備しておくと安心です。

ただし、モイストヒーリングはあくまで応急処置であり、対応できる傷には限度があります。

親としては、赤ちゃんの傷を見て、モイストヒーリングによる応急処置で対応できるのか、病院を受診させるべきかを迅速かつ適切に見極めることが求められます。

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