赤ちゃんの喃語とは?いつから?少ないと自閉症?クーイングの違いと意味は?

喃語(なんご)

子育てをしていると、まだ言葉を覚えていないはずの赤ちゃんが「あ~」、「まんまん」、「あうあう」といった発声をするのを聞き、「今、赤ちゃんが言葉を放した。」、「パパって言ったんじゃないか?」などと嬉しくなったことがあるでしょう。

これが喃語、もしくはクーイングです。

喃語やクーイングは、赤ちゃんが周囲の人とコミュニケーションをしたり、言葉を学習したりするために必要不可欠な行動です。

この記事では、喃語の概要、喃語が始まる時期、クーイングとの違い、喃語と自閉症の関係について紹介します。

喃語とは(意味)

喃語とは、まだ言葉を話せない赤ちゃんが意識的に発する、「意味を持たない声」のことです。

単なる音の羅列ではなく、「ばぶばぶ」、「まぁまぁ」、「だぁだぁ」など、おしゃべりをするようにリズムや抑揚ののある声を出すのが特徴です。

赤ちゃんは、喃語の発声を繰り返すことで口、喉、声帯、横隔膜の使い方を覚え、より多彩で難しい声を出せるようになります。

そして、月齢を経るにつれて喃語のバリエーションが増え、大人の真似をして意味のある言葉を発することも増えていき、ゆくゆくは言葉の習得へとつながっていきます。

なお、生後2~3ヶ月頃から始まるクーイングとは区別されており、通常、クーイング、喃語、意味のある単語の順番で獲得していきます。

喃語の読み方

喃語と書いて「なんご」と読みます。

喃は「のう」と読み、呼びかけたり、同意を求めたりする時に使う言葉です。

クーイングの意味とは

クーイングとは、赤ちゃんが舌を使わずに、「あ~」「う~」「えっえ」などの母音を発声することです。

人間が言葉を身につけるための第一ステップです。

クーイングは、タイミングによっては赤ちゃんが自発的に話しているように見えることもあります。

しかし、機嫌が良い時などに、赤ちゃんの意思とは無関係に自然と出てくるもので、自発的なものではありません。

クーイングの発声は、赤ちゃんの喉や口の中が、言葉を話すための機能を備えるようになってきた証拠です。

喃語とクーイングの違い

喃語とクーイングは、いずれも「意味のない発声」というところは共通していますが、発声する時期や音などに違いがあります。

クーイングが母音のみの発声なのに対して、喃語は、「あうあう」「ばぶばぶ」など、子音を含む多音節からなる音を発声するのが特徴です。

つまり、「母音」を発声するのがクーイング、「多音節(母音+母音もしくは母音+子音)」の声を発声するのが喃語だと区別することができます。

クーイングと喃語を同じものだと記載しているネットの記事や書籍もありますが、厳密には異なるものとされています。

スポンサーリンク

喃語やクーイングはいつから

赤ちゃんが喃語やクーイングを始める時期や、発する声について、月齢ごとに見ていきましょう。

クーイングが始まる(生後2~3ヶ月頃)

赤ちゃんは、生後2ヶ月頃になると、周囲から話しかけられたときや、機嫌が良いときにクーイングを始めます。

発する声は、「あ~」「う~」などの単純な母音です。

親が話しかけた時に、タイミングよくクーイングを返してくれることがありますが、赤ちゃんの意思によるものではありません。

喃語を話し始める(生後4ヶ月~5ヶ月頃)

生後4ヶ月頃の赤ちゃんは、クーイングを卒業して喃語を話し始めるようになります。

ただし、最初は、クーイングと大差ない「あ~」、「あうあ~」といった母音の発声が多いものです。

クーイングと喃語を混同する記載が見られるのも、こうした過渡期があるためだと考えられます。

生後5ヶ月頃になると、「き~」、「ぷ~」など子音を発声することができるようになります。

離乳食を始めた後は、食材を繰り返し噛むことで口の力が鍛えられるので、離乳食を始める前よりも多彩な声を出すことができる傾向があります。

生後6~7ヶ月頃

生後6~7ヶ月になると、赤ちゃんは、「まあまあ」、「あうあう」など、同じ音を何度も繰り返す反復喃語を発声できるようになります。

赤ちゃんでも比較的発声しやすい、母音やま行の音をよく発声しますが、まだまだ聞き取りにくい声が多いものです。

この時期の赤ちゃんは、喃語を発することなく口をもぐもぐ、もごもごさせて、口の形や動かし方を練習することもあります。

関連記事

赤ちゃんの口もぐもぐ・もごもごの原因は点頭てんかんや誤飲?

生後8~9ヶ月頃

赤ちゃんの喃語の音がはっきり言葉として聞き取れるようになるのは、生後8~9ヶ月頃からです。

「ま行」や「ぱ行」の発音はとても聞き取りやすくなり、他の行の発声も上手になります。

「ばぶ、ばぶ」、「まん、まん」など、言葉を区切って発声できるようになっていきます。

偶然、「パパ」、「ママ」という発声をしてくれることもあります。

喃語が少なくなっていく(生後10ヶ月頃)

生後10ヶ月以降になると、赤ちゃんが話す喃語の量は少しずつ減っていく傾向にあります。

一方で、自分の意思を周囲に伝えるための声を出すことが多くなります。

また、指差しや身振り手振りで自分の意思を伝えたり、指差しと声を連動させたりして、お父さんお母さんの注意を引こうとします。

まだまだ意味のある言葉は話せませんが、おっぱいが欲しい、遠くにあるおもちゃを取って欲しい、甘えたい、そんな意思を必死に伝えようと声を出したり身体を動かしたりするようになり、親子のコミュニケーションが楽しくなる時期です。

関連記事

赤ちゃんの指差しはいつから?意味は?指さししないと自閉症?練習法は?

喃語が少ない、喃語を話さない

ここまで書いてきたのは、赤ちゃんがクーイングや喃語を話す一般的な時期についてです。

しかし、言葉の発達も、体重や身長、運動能力の発達などと同じで個人差が大きいもので、生後半年を過ぎても喃語が出ない赤ちゃんもいれば、喃語が一切ないまま月齢が過ぎ、ある日突然、言葉を話し始める赤ちゃんもいます。

そのため、赤ちゃんが喃語を話さないからといって、過度に心配する必要はありません。

ただし、1歳を過ぎても一言も話さない、人見知りを一切しない、周囲に全く興味を示さない、特定のものに異常なこだわりを示すなどの行動が目立つ場合は、注意が必要なこともあります。

自閉症をはじめとする発達上の課題や、口、喉、手、指など身体的な異常を抱えている可能性があるからです。

小児科を受診して赤ちゃんの異常の有無や程度を診てもらい、必要に応じて専門機関を紹介してもらいましょう。

なお、発達障害が世間一般に知られるようになって以降、「喃語を話さない=自閉症(自閉スペクトラム)」と考えて不安になる人が増えています。

しかし、「喃語を話さない=自閉症(自閉症スペクトラム)」ではなく、自閉症と診断されることはありません。

一方で、喃語をたくさん話しているからといって、自閉症(自閉症スペクトラム)でないとも言えません。

自閉症をはじめとする発達障害の診断基準には多くの項目がありますし、発達障害かどうかの診断が困難ないわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる子供も一定数おり、特定の症状だけを見て診断できるものではありません。

関連記事

自閉症の赤ちゃんの特徴と症状!2ヶ月~6ヶ月頃の特徴は手や顔?診断は?

スポンサーリンク

赤ちゃんとたくさん話すことが言葉の発達を促す

赤ちゃんは、言葉を話すことも、親が話す言葉の意味を理解することもできません。

しかし、お父さんお母さんから話しかけられたり、喃語を発したりするのは大好きです。

お父さんお母さんから赤ちゃんにたくさん話しかけ、赤ちゃんの喃語に笑顔で答えてあげることで、赤ちゃんは「反応してくれているし、喜んでくれている。もっと話そう。」という気持ちになります。

その結果、言葉の理解が促進され、喃語をたくさん話すことで言葉を話すための機能もより早く向上しますし、親子の絆やコミュニケーション能力も磨かれていきます。

一方で、お父さんお母さんが、赤ちゃんが発した喃語を「何を言っているか分からない。」、「ただの音」と考えて無視してしまうと、赤ちゃんは、「お父さんお母さんは、僕の話を聞いてくれないなあ。」、「一人ぼっちだなあ」という寂しさや悲しさを抱きます。

そして、お父さんお母さんから思うような反応が得られない状態が継続すると、赤ちゃんは、自発的に話さなくなり、安心感や安全感も抱けなくなって、その後の成長発達や社会適応に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

スポンサーリンク

「クーイングや喃語に理解を示し、答えを返したお母さんの赤ちゃんと、理解せずに他のことをしたお母さんの赤ちゃんを比較すると、前者の赤ちゃんの方が言葉の発音の発達が進んだ。」という、アメリカのアイオワ大学の研究結果もあります。

この研究結果からも、赤ちゃんとたくさんコミュニケーションをとることの大切さが分かります。

また、ワシントン大学とコネチカット大学が「赤ちゃん言葉で話しかけた方が、赤ちゃんの語彙数が増える」という研究結果を発表した後は、赤ちゃん言葉の重要性が注目されるようになってきています。

喃語と寝言の関係

赤ちゃんは、生まれたての頃から寝言を言うことがあります。

しかし、生まれてからしばらくは泣く以外に表現方法を知らないので、寝言もいわゆる寝言泣きばかりです。

それが、月齢を経て喃語を話すようになると寝言にも反省され、喃語のバリエーションが増えると寝言のバリエーションも増えていきます。

関連記事

赤ちゃんの寝言でうなる、叫ぶ、笑う?寝言泣きと夜泣きの区別は?

まとめ

喃語やクーイングは、赤ちゃんが言葉を話せるようになるための大切なステップで、喃語を促すには、お父さんお母さんの話しかけや反応が必要不可欠です。

しかし、臨床現場では、赤ちゃんの喃語を「どう反応して良いか分からない。」、「反応しても意味がないと思うから無視する。」というお父さんお母さんが少なからずいるのが現状です。

これまでの関わりを急に変えることは難しいかもしれませんが、できるだけ意識して赤ちゃんに話しかけ、赤ちゃんの喃語に反応してあげましょう。

うちの場合

うちの赤ちゃんは、言葉を話すのがゆっくりで、生後3ヶ月くらいからクーイングが始まりました。

喃語については正確な時期を把握し損ねたのですが、少なくとも生後8ヶ月頃には「まあまあ」と言えるようになっていました。

生後1歳4ヶ月前後から、「まんま」、「わんわん」、「ぶーぶー」など意味のある言葉を放すようになり、順調に語彙が増えてきました。

唯一、「わんわん」は言えるのに「パパ」が言えず、私のことをいつまでも「ママ」と呼び続けるのは気がかりでしたが、生後1歳6ヶ月頃には無事「パパ」を覚え、「ジジ(おじいちゃん)」、「ババ(おばあちゃん)」など親族を指す言葉も次々習得していきました。

こうして赤ちゃんのクーイング、喃語、言葉の習得を振り返ると、一般的な時期より若干遅めですが、問題なく言葉を習得していることが分かります。

本文中に書いたとおり、クーイング、喃語、言葉の習得は個人差が大きく、一般的な時期より数ヶ月程度遅れていても気にしすぎる必要はないということでしょう。

追記(2018.3)

生後2歳6ヶ月頃に言葉の爆発期を迎え、一気に2語文、3語文を獲得しました。

今では生後3歳になり、保育所のお友達の中でも1,2を争うくらいのおしゃべりで、語彙も豊富です。

また、妻や私の会話にも注意深く耳を傾け、内容もおおむね理解している様子です。

加えて、日本語以外にも強い興味を示すようになり、教育テレビで英語の番組を見たり、ユーチューブで英語の音楽を聴いたりしています。