赤ちゃんがママを認識するのはいつから?母親や母乳の匂い、声、顔で認識!

赤ちゃん ママ 認識 いつから

「赤ちゃんがママ(母親)を認識する時期がいつからなのか。」と聞かれたら、何と答えますか。

勤務先の幼稚園では、園児のママから「赤ちゃんって、いつからママのことが分かるんだろう。」、「何でママだと認識するんだろう。」などと質問されることが度々あります。

育児関連の書籍やサイトを見ると、「生まれたての頃から認識できている。」という記載もあれば、「生後4ヶ月頃から認識できる。」という記載もあり、「どの情報が本当なの?」と混乱しているママもいます。

実は、赤ちゃんは、五感が発達するにつれてママの匂いや母乳の匂い、顔や髪形、声などを少しずつ認識していくもので、月齢によってママを認識する方法が異なります。

つまり、冒頭の質問には、「声でママを認識するのは新生児の頃からですよ。」というように、認識する方法と時期をセットで答えることになります。

この記事では、赤ちゃんがママを認識する方法と時期について紹介します。

ママを認識する時期と方法:ママの声(聴覚)

赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から、声でママを認識することができます。

聴覚は胎児の頃から発達している

赤ちゃんの聴覚は胎児の頃から発達しています。

胎児は、妊娠28週から30週頃から聴覚が発達し、ママのお腹の外の声や雑音が聞こえるようになります。

聞こえる範囲は狭いですが高音と低音を聞き分けることができ、男性の低い声よりも女性の高めの声の方がより聞き取ることができます。

胎内ではママの血液が流れる音が常に聞こえており、ママのお腹の外から聞こえてくる声や雑音は実際よりもこもって聞こえます。

しかし、ママの声は胎内に響いて聴こえるため、胎外の声や音よりもはっきりと聞き取ることができます。

ママの声に反応して胎児が手足を動かす様子をエコー検査(超音波検査)で確認できることもあり、胎児の頃からママの声とそれ以外を識別できていることが分かります。

ママの声は認識しているけれど、反応はできない

赤ちゃんは、胎児の頃からママの声を聞き慣れているため、生まれたばかりの頃からママの声を認識することができます。

特に、ママの声の中でもマザリーズ(ママが赤ちゃんに向けて発する、通常よりもトーンがやや高く、テンポはゆっくり、ピッチは豊かな語りかけ方)を好むことが分かっています。

ただし、生まれたばかりの頃は、周囲の刺激に対して自分の意思で表情を変えたり身体を動かしたりすることができません。

ママの声に反応したとはっきり分かるような反応を見せてくれるようになるのは、生後2~3ヶ月以降です。

なお、パパなどママ以外の身近な人が、妊娠中のママのお腹に口を近づけて声をかけ続けていた場合、赤ちゃんは、生まれたばかりの頃その人の声を区別できることもあります。

ママを認識する方法と時期:ママの母乳の匂い(嗅覚)

赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から、母乳の匂いでママを認識することができます。

新生児の頃からママの母乳の匂いが分かる

新生児期の赤ちゃんが、「ママの母乳と他人の母乳の匂いを区別できるかどうか」を確かめた実験があります。

実験では、ママの母乳と他人の母乳を染み込ませたガーゼを新生児の近くに置き、新生児がどちらを向くかが観察されました。

その結果、被験者の新生児のほとんどがママの母乳を染み込ませたガーゼの方に顔を向けることや、その傾向は日齢を経るにつれて強くなることが確認されています。

母乳の匂いには個人差がありますが、赤ちゃんは、新生児の頃からママの母乳の匂いを認識し、他の母乳の匂いと区別することができるのです。

そして、母乳が分泌されるようになったママの身体は母乳の匂いが強くなるため、母乳の匂いでママと他の人を区別します。

嗅覚が発達する時期

胎児の嗅覚に関する研究結果などはなく、嗅覚が発達する時期は特定されていません。

しかし、新生児の頃から母乳の匂いを区別できるくらい嗅覚が発達していることから、胎児の頃から嗅覚が備わっているという説が有力です。

ママを認識する方法と時期:ママの顔(視覚)

赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から、ママの顔の輪郭や髪形をぼんやりと認識することができます。

また、生後4ヶ月頃にはママの顔のパーツ(目、鼻、口など)を認識できるようになり、生後6ヶ月頃には目の色などママの顔の細部まで認識できるようになります。

新生児期:ママの顔の輪郭や髪形を認識する

赤ちゃんの視覚は、胎児の頃に備わりますが、子宮内では視覚を活用する機会も必要性も乏しいため、他の五感と比較すると未熟な状態に留まります。

そのため、生まれたばかりの頃は、視力が0.01程度、視野は極めて狭く、両目の焦点も目から約30cm先のごく限られた位置に合わせるのが限界です。

しかし、ママに抱っこされたときの母子の顔の距離が、ちょうど赤ちゃんの目の焦点が合う約30cmなので、ママの顔の輪郭や髪形をぼんやりと見ることができます。

そのため、赤ちゃんは、日常的に授乳や寝かしつけでママに抱っこをしてもらうことで、ママの顔の輪郭や髪形を認識し、他の人と区別できるようになります。

海外の研究結果では、生後4日の乳児でもママの顔と他人の顔を区別できることが示されています。

日常、乳児が最もよく接するのは養育者で、特に母親の顔を見る機会は多い。生後4日の乳児でも、母親顔と見知らぬ未知顔を区別することができ、母親顔の方を長く見ることが示されている(Bushnell, Sai, & Mullin、1989)。

引用:乳児における母親顔の認識-合成顔実験パラダイムを用いた検討-|自然科学研究機構生理学研究所

ただし、新生児期~生後2ヶ月頃までの赤ちゃんは、ママのおおよその顔の輪郭や髪形はぼんやり見えているものの、目鼻など細かいところまではっきりは分かりません。

そのため、帽子をかぶったり髪形を変えたりすると、赤ちゃんはママだと認識できなくなりますし、顔の輪郭や髪形が似た人をママと誤解することもあります。

生後4ヶ月頃:ママの目、鼻、口を認識する

赤ちゃんは、生後4ヶ月頃になると、視力が向上して視野や目の焦点を合わせられる範囲も広がり、目、鼻、口などママの顔のパーツを判別できるようになります。

髪形を隠したママと他人の顔を区別できたという実験結果も公表されています。

生後4ヵ月以降になって、髪型が隠されても母親顔と未知顔を区別できることが示された(Bushnell、1982)

引用:乳児における母親顔の認識-合成顔実験パラダイムを用いた検討-|自然科学研究機構生理学研究所

生後6ヶ月頃:顔全体からママを認識する

赤ちゃんは、生後6ヶ月頃になると、顔の奥行きや、肌や目の色のコントラストを認識できるようになります。

ママの顔を全体として認識できるようになり、髪形を変えたり、目や口など顔の一部を隠したりしても、ママの顔を認識できます。

赤ちゃんがママを認識する方法と時期

赤ちゃんがママを認識する方法と時期をまとめると、以下のとおりです。

ママの認識方法 時期(月齢)
ママの声(聴覚) 新生児期
ママの匂い(嗅覚) 新生児期
ママの顔(視覚) 新生児期:顔の輪郭や髪形
生後3~4ヶ月:目、鼻、口など
生後5~6ヶ月:顔の細部

新生児の頃から聴覚、嗅覚、視覚でママを認識することができており、月齢を経るにつれて視覚が向上することでママの顔の細部まで認識できるようになることが分かります。

人見知りは、ママと他人を区別できている証拠

人見知りとは、関わりの少ない人や見知らぬ人に会った時に、不安や怖さと好奇心を同時に抱いて葛藤状態になり、泣き出したり、お父さんママを探し求めたりする行動のことです。

赤ちゃんが人見知りを始める標準的な時期は、生後6ヶ月頃です。

生後6ヶ月頃になると、ママの声、匂い、顔を認識できるようになり、はっきり他人と区別できるようになります。

そして、最も身近なママが傍にいると安心する一方で、身近でない人には好奇心と不安や怖さを同時に抱いて葛藤します。

その結果、安心できるママに対しては何かと要求したり、甘えたりし、ママの姿が見えなくなると不安を感じる一方で、身近でない人に会うと、警戒して距離を取ったり、不安を感じて泣き出したり、ママに近づいたりするのです。

このように、赤ちゃんが人見知りをした相手を拒絶する態度を示すのは、赤ちゃんの感情表現が豊かになり、顔や身体を自分の意思で動かせることになった証でもあります。

関連記事

赤ちゃんの人見知りはいつからいつまで?原因と対策、人見知りしないと自閉症?

赤ちゃんとのコミュニケーションは生まれたばかりの頃から始めよう

赤ちゃんがママを認識する時期と方法について書く中で、赤ちゃんの聴覚や嗅覚が新生児期から発達していることに触れてきましたが、実は、それ以外の五感(触覚や味覚)も早い時期から発達しています。

つまり、外界からの刺激は知覚され、情報として脳内にインプットされて蓄積されているのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の意思で身体を動かすことができないため、話しかけても表情が変わらず反応もないため、コミュニケーションをとろうというモチベーションが上がらないかもしれません。

しかし、早いうちから赤ちゃんにたくさん話しかけておくことで、赤ちゃんの脳を刺激することができますし、赤ちゃんが成長して言葉を学習したときにコミュニケーションをとりやすくなります。

関連記事

赤ちゃんの言葉の理解はいつから始まる?言葉の理解を促す話しかけ方とは?

まとめ

赤ちゃんは、生まれたばかりの頃から聴覚、嗅覚、視覚でママを認識しており、月齢とともに視覚が向上するとママの顔を全体として知覚できるようになります。

そして、声、顔、匂いなどでママと他の人をはっきり区別できるようになると人見知りを始め、ママと他の人に対する態度の差が大きくなっていきます。

初めて人見知りを経験すると、「どうしてこんなに態度が違うの?」と困惑してしまうかもしれません。

しかし、人見知りは赤ちゃんが健全に成長している証なので、温かく見守っていきましょう。