育休(育児休業)とは?制度概要から、育休取得率、取得期間、育児休業給付金まで

育休 育児休業

育児休業は、労働者が子どもを養育するために取得できる休業制度です。

近年、男性の育児休業取得が国の施策として推進されていますが、女性と比較すると低い水準を推移しています。

その原因の一つとして、「働かないと生活費がなくなる。」、「育休なんて男が取得するものではない。」など、育児休業に関する男性の知識不足や古い考え方が挙げられます。

しかし、育児休業を希望する男性は増えていますし、休業しやすい職場環境や休業中の生活支援などの整備が進み、周囲の人の意識も変化しつつあります。

この記事では、育休(育児休業制度)の概要、育休取得率、取得期間、育児休業給付金について解説します。

育休(育児休業)とは

育休(育児休業)とは、法律に基づいて、子どもを養育する労働者が取得できる休業制度です。

産休(産前産後休業)と混同して、女性のための休暇制度だと勘違いしている人が少なからずいますが、性別に関わらず子育て中の親であれば取得することができます。

育児休業の法的根拠

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)では、以下のとおり規定されています。

労働者が、(中略)その子を養育するためにする休業をいう。

(育児・介護休業法第2条第1項)

※労働者及び子の定義について割愛

なお、日本における育休に関する法律の歴史は、以下のとおりです。

  • 1975年7月:「育児休業法(義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律)」が成立:女性のみの育休が制度化
  • 1991年:「育児休業等に関する法律が成立」(施行は1992年4月):全事業所の労働者に育休制度が適用
  • 1995年:「育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に改名:介護休業に関する規定の追加に伴う改名
  • 1999年:「育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)」に改名:介護休業制度の義務化に伴う改名

労働者とは

労働者とは、労働力を提供し、その対価として賃金を得ることで生活する人のことです。

労働基準法第9条では、以下のとおり規定されています。

職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者

(労働基準法第9条)

なお、労働基準法上の使用者とは、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」(労働基準法第10条)です。

使用者の指揮命令によって労働力を提供し、労働力の対価として賃金が支払われていることが労働者か否かの基準となります。

育休とは何の略か

育休は、育児休業の略です。

育児休暇や育児休職の略だと勘違いされがちですが、育児「休業」の略です。

会社によっては、育児休業制度と育児休暇制度をまとめて育休制度と表記しているところもありますが、この記事では育休=育児休業としています。

育児休業と育児休暇の違い

育児休暇とは、各企業などが独自に定めている、育児のために取得できる休暇のことです。

育児休業と合わせて取得したり、育児休業が取得できない労働者が取得したりできるもので、その内容は企業ごとに異なります。

休暇期間中の給料の有無や支払額についても企業よって様々です。

一方の育児休業は、育児・介護休業法に定められた休業で、原則として企業は労働者から育児休業申出があれば認めなければなりません。

また、育児休業期間中は、一定の条件を満たすことで雇用保険から育児休業一時金が支払われます。

育休(育児休業)の取得率

育児休業の取得率は、以下のとおりです。

年度 育児休業取得率(%)
男性 女性
2007 1.56 89.7
2008 1.23 90.6
2009 1.72 85.6
2010 1.38 83.7
2011 2.63 87.3
2012 1.89 83.6
2013 2.03 83.0
2014 2.30 83.6
2015 2.65 81.5
2016 3.16 81.8
2017 5.14 83.2

※2011年度は、岩手県、宮城県、福島県を除く全国の結果

※2017年度は、速報値

出典:平成29年度雇用均等基本調査(速報)|厚生労働省

雇用均等基本調査とは、雇用均等に関する問題の実態を把握することを目的として、毎年、厚生労働省が実施している調査です。

育休(育児休業)の対象者

育児・介護休業法に規定されている育児休業の対象者は、原則として1歳に満たない子どもを養育している労働者です。

男女を問わず取得することができ、また、配偶者が専業主婦(主夫)など育児に専念できる状況であっても対象となります。

養育する子どもが実子であるか養子であるかも問われません。

事業主は、労働者から育児休業の申出があったときは、原則として申出を拒むことはできません(第6条)。

また、事業主は、労働者が育児休業の申出を行ったり、育児休業を取得したりしたことを理由に、労働者に解雇などの不利益な取り扱いをしてはならないと定められています(第10条)。

育休(育児休業)の対象から除外される人

以下の労働者は育児休業の対象者から除外されています。

  • 日雇い労働者
  • 申出時点で同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者(有期契約労働者)
  • 育児休業終了後に引き続き雇用される見込みがないことが明らかな労働者

有期雇用労働者が育休(育児休業)を取得する条件

有期雇用労働者(有期契約労働者)については、以下の条件のいずれにも該当する場合に、育児休業が取得できることになっています(第5条第1項)。

  1. 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
  2. 子が1歳6ヵ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

雇用形態がパートやアルバイトでも、これらの条件に該当していれば育児休業を取得することができます。

労使協定によって育休(育児休業)対象者から除外される人

以下の労働者については、事業主と労働者が育児休業の対象から除外する労使協定を締結することにより、対象者から除外されます。(第6条ただし書き)。

  1. 雇用された期間が1年に満たない労働者
  2. 育児休業の申出があった日から起算して、1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

2.と3.については、法律上は「育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの」とされており、厚生労働省令に具体的な内容が記載されています。

育児休業期間

育児休業を取得できる期間は、原則として子どもが出生した日から子どもの1歳の誕生日の前日までの1年間です(第5条1項)。

ただし、女性が産前産後休業後に育児休業を取得する場合は、子どもが出生した日から58日目(産後休業が終了した日の翌日)から、子どもの1歳の誕生日の前日までです。

  • 男性:子どもが出生した日から、子どもの1歳の誕生日の前日まで
  • 女性:子どもが出生した日から58日目(産後休業終了の翌日)から、子どもの1歳の誕生日の前日まで

育児休業の延長

育児・介護休業法では、以下の条件のいずれかを満たす場合には、子どもが1歳6ヶ月になるまで育児休業を延長することができます(第5条第3項、施行規則第6条)。

  • 保育所への入所を希望して申し込みをしているにも関わらず、子どもが1歳に達する日までに入所できない場合
  • 子どもの養育を行う配偶者が、子どもが1歳に達する日以降に子どもを養育できない事情がある場合

延長の条件となる保育所への入所申込みとは、認可保育園への入所申込みであり、無認可保育所については対象となりません。

また、配偶者が子どもを養育できない具体的な事情とは、以下のとおりです。

  • 配偶者の死亡
  • 子どもの養育が困難になる程度の配偶者の負傷、疾病または心身の障害
  • 離婚や別居(子どもと主たる監護者である配偶者が離れて暮らすことになった場合)
  • 配偶者が6週間以内に出産する予定がある(多胎妊娠の場合は14週間以内)、または、産後8週間を経過していない

いずれの条件で育児休業の延長を申請する場合でも、保育所の申込書・不承諾通知書、配偶者の診断書、戸籍謄本、住民票など事情を証明する資料を添付する必要があります。

育児休業の再度の延長

子どもが1歳6ヶ月に達した時点でも、上記の育児休業の延長の条件をいずれかを満たす場合、再度の申出をすることにより最長で子どもが2歳に達するまで育児休業を取得することができます。

参考:育児休業期間の延長:厚生労働省リーフレット

パパ・ママ育休プラス

パパ・ママ育休プラスとは、パパとママの両方が育児休業を取得する場合に休業期間が延長される制度です。

男性の育児休業取得の推進の一環として、2010年に新設された育児休業制度の特例です。

育児休業の期間は、原則として子どもが1歳に達する日の前日までですが、パパとママの両方が育児休業を取得した場合に限って2ヶ月間延長され、1歳2ヶ月まで取得できるようになります。

パパとママが同時に育児休業を取得しても、ずらして取得しても、パパとママの両方が育児休業を取得すればパパ・ママ育休プラスが適用されます。

ただし、パパとママそれぞれが取得できる育児休業期間は長くなるわけではなく、原則として1年間(ママの場合、産後休業と育児休業を合わせて1年間)のままです。

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育児休業給付金

育児休業給付金とは、会社から給料が支払われない育児休業中の生活を支援する目的で、雇用保険からパパやママに支給される給付金です。

育児休業給付金は、育児・介護休業法と雇用保険法に基づいて1995年に導入された制度です。

一定の要件を満たす雇用保険の被保険者が子どもの養育を目的として休業した場合に、雇用継続給付として給付金が支給されます。

育児休業給付金の対象者

育児休業給付金が支給されるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 雇用保険の一般被保険者、または、高年齢被保険者
  • 育児休業を開始する日までの2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある

有期雇用契約の労働者の場合、休業開始時において、①同一の事業主のもとで1年以上雇用継続し、②子どもが1歳6ヶ月に達するまでに労働契約が満了することが明らかでないという要件を満たす必要があります。

育児休業給付金の対象者

育児休業給付金の支給要件は、以下のとおりです。

  • 支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)の初日から末日まで雇用保険の被保険者である
  • 各支給単位期間に賃金が支払われた場合は、その金額が休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の80%を超えていない
  • 就業日数が1か月ごとの期間ごとに10日以下(就業日数が10日を超える場合は就業時間が80時間以下)

育児休業給付金の支給金額

2014年4月以降の育児休業給付金の給付金額は、以下のとおりです。

  • 育児休業開始から6ヶ月(180日間):休業開始時賃金日額(休業開始前6ヶ月の賃金の日額÷180)×支給日数の67%
  • 育児休業開始から6ヶ月以降(181日以降):休業開始時賃金日額(休業開始前6ヶ月の賃金の日額÷180)×支給日数の50%

休業開始時賃金日額について、育児休業開始前の賃金の日額だと説明しているサイトがありますが、正確には育児休業開始前の賃金日額を180で割った金額です。

育児休業給付金の支給期間

育児休業給付金は、育児休業中のパパやママに雇用保険から支払われる給付金なので、支給期間は育児休業期間中です。

そのため、原則として、育児休業を取得した日から、子どもの1歳の誕生日の前日までです。

ただし、育児休業の延長が認められた場合は延長期間中も支給され、一方で、子どもが1歳になるまでに育児休業を終了した場合は休業終了日までとなります。

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まとめ

育児休業制度は、男女問わず子育て中の親が取得できる休業制度です。

原則として子どもが生まれた日から1歳に達する日の前日まで取得することができ、一定の事情がある場合は延長することもできますし、父母の両方が育休を取得すればパパママ育休プラスという特例が適用されます。

育休中の生活費を不安に思う人が多いですが、休業中は育児休業給付金が支払われるため、収入がゼロになることはありません。

金銭面だけでなく、制度を詳しく知ることで、育児休業に対する不安が杞憂であったと気付く人は多いものです。

子育ては、人生で何度も経験できるものではありません。

赤ちゃんを育てている人や、子どもが生まれる予定のある人は、男女問わず育児休業取得を選択肢の一つに入れ、夫婦でよく話し合ってみてください。

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