イクボスとは?イクボス宣言や企業同盟、イクボス検定、イクボスアワードとは?

イクボス イクボス宣言

少し前はイクメンという言葉が流行しましたが、最近はイクボスという単語を耳にする機会が増えてきました。

イクボスは、平たく言えば「部下の育児参加に理解を示してサポートする上司」のことです。

男性の育児参加や女性の活躍できる社会づくりを推進するための取り組みの一環として登場した単語ですが、その内容はあまり知られていません。

また、イクボス宣言、イクボス企業同盟、イクボス検定、イクボスアワードなどイクボスに関連した単語がたくさん登場していますが、それぞれどのような意味なのでしょうか。

この記事では、イクボスの概要とイクボスに関連する単語について解説します。

イクボスとは

イクボスとは、部下の育児参加に理解を示し、そのワークライフバランスやキャリアプランをサポートしながら、仕事では組織として業績を出し、自身のワークライフバランスも良好な上司(経営者や管理職)を意味する単語です。

自発的に育児参加する男性を指す言葉「イクメン」のもじりで、「イク=育児」と「ボス=上司」を組み合わせて作られました。

イクボスとカタカナ表記されることもあれば、育ボスと表記されることもあります。

イクボスという単語を作って初めて使用したのは群馬県だとされています。

イクボスに該当するか否かを判断する明確な基準はありませんが、育児休業の取得や育児参加制度の利用を促したり、仕事と家庭の両立について一緒に考えたりすることにより、職場でイクメンの部下をサポートする上司をイクボスと呼ぶのが一般的です。

日本では、政府が中心となって男性の育児参加を推進しており、男性の育児参加制度を整備して、子育て予定または子育て中の男性に制度利用を促してきました。

しかし、男性が積極的に育児に関わりたいと希望しても、周囲の目が気になったり、上司の圧力に屈したりして、思うように育児参加できない現状が続いています。

また、女性の社会参加が進み、女性が活躍できる社会づくりが推進されていますが、ワークライフバランスを考慮するだけでは女性が活躍できる社会は実現できず、職場における環境整備や上司の理解が重要だと考えられるようになりました。

そこで、男性の育児参加や女性が活躍できる社会づくりを推進するには、上司の意識改革を進めることが重要であると考えられるようになり、イクボスの養成の必要性が叫ばれるようになってきました。

関連記事

育児・介護休業法に定められた育児参加制度一覧!

イクボスに関連する単語

イクボスに関連する主な単語は、以下のとおりです。

  • イクボス宣言
  • イクボス企業同盟
  • イクボス検定
  • イクボスアワード

イクボス宣言

イクボス宣言とは、働く人が良好なワークライフバランスを維持しながら安心して育児に取り組める環境を整備することを、地方自治体や企業が公に宣言することです。

イクボス宣言は、あくまで地方自治体や企業が自発的に「子育てに優しい環境を整備しますよ」と公に宣言することであり、宣言に必要な条件や認定制度などは存在しませんが、宣言した内容に応じた取り組みが実際に行われているか否か内外からチェックされることになり、一定の効果があると考えられています。

イクボス宣言をした地方自治体や企業の取り組み例としては、残業の多い社員よりも仕事を効率的にこなす社員を評価するシステムを構築する、有給休暇取得を推進する、不要な会議を廃止する、育児中の職員のリモートワークを導入するなどがあります。

なお、初めてイクボス宣言をしたのは堺市です。

2014年11月17日、堺市全体でイクボスの人数を増やし、安心して子育てができる環境を整備することを目的として、堺市長がイクボス宣言を行いました。

厚生労働省がイクボス宣言を推奨していることもあり、堺市のイクボス宣言後は地方自治体などのイクボス宣言が相次ぎ、2016年9月に東京都知事、2016年12月には厚生労働大臣がイクボス宣言をしました。

そして、これらのイクボス宣言が大々的に報道されたことで、イクボスやイクボス宣言が社会の注目を浴びるようになりました。

イクボス企業同盟

イクボス企業同盟とは、イクボスの必要性を理解・認識して、積極的に管理職の意識改革を行うことでイクボス(新しい時代の理想の上司)を育てていこうとする企業のネットワークです。

男性の育児参加の推進にはイクボスの養成が必要だと考えられるようになって以降、個々の会社がイクボスの養成に力を注いできましたが、イクボスの養成がうまくいかず、男性の育児参加も進まない会社が少なくありませんでした。

また、イクボスという単語の持つ意味合いが各会社によって異なることも課題でした。

こうした状況下、2014年12月10日、NPO法人ファザーリング・ジャパンの手動でイクボス企業同盟が設立され、(株)みずほフィナンシャルグループ、全日本空輸(株)、コクヨ(株)、グラクソ・スミスクライン(株)、(株)日立ソリューションズ、UBS、東京急行電鉄(株)、サイボウズ(株)、日本生命保険相互会社、富士ゼロックス(株)、トヨタファイナンス(株)の11社が加盟しました。

イクボス企業同盟は、イクボスのあり方やイクボスの養成方法を同盟に加盟する会社間で共有し、社会全体としてイクボスの増加を促進させることを目指しており、設立から着実に加盟社を増やしており、2018年7月15日現在の加盟社は188社にのぼっています。

イクボス企業同盟加盟社は、以下の活動を行っています。

  • 加盟社が社内の取り組みを他社紹介することでノウハウを共有
  • 加盟社が連携してイクボス養成のイベントや勉強会などを開催
  • 企業同盟として社会に向けたメッセージを発信

イクボス検定とは

イクメン検定とは、イクボスに必要な知識やノウハウの理解度や定着度をチェックする検定試験です。

有名なのは、イオンのイクボス検定です。

イオンは、毎月19日をイクボスの日に設定し、グループ内の管理職(約22000人)を対象として、イオンのイクボス検定を実施しています。

イオンのイクボス検定は、スマホを活用して手軽に受験できるようになっており、イオンのイクボスに必要な知識やノウハウをチェックするものから部下の家庭常況などプライベートなものまで幅広く出題されます。

イオンのウェブサイトでは、「「イオンのイクボス検定」合格が、イオングループ管理職のスタンダードとなることを目指しています。 」と記載されており、イクボスの養成に力を入れていることがうかがえます。

その他にも、多くの企業が独自にイクボス検定を実施しています。

なお、NPO法人ファザーリング・ジャパンのウェブサイトではイクボス検定の模擬試験が受検できます。

イクボス検定|イクボスプロジェクト

イクボスアワード

イクボスアワードとは、厚生労働省のイクメンプロジェクト(イクメンを応援し、男性の育児休暇取得を促進するプロジェクト)の一環として、イクボスを企業などからの推薦というかたちで募集し、表彰するものです。

イクボスアワード2018の実施概要は、以下のとおりです。

1 表彰内容

グランプリ、特別奨励賞

2 募集対象

⑴ 企業・団体の代表者を除く管理職(男性・女性は問わない)

⑵ 過去にグランプリを受賞していない方

※企業などの代表者の方の場合、企業・団体の取組として扱うことになるため、イクメン企業アワードへご応募ください。

3 応募要件

⑴ 所属する企業・団体からの推薦であること

⑵ イクボスを推薦する企業・団体は以下の要件を満たすこと

・育児・介護休業法などの関係法令に関する義務規定違反がないこと
・その他の法令上または社会通念上、表彰するにふさわしくないと判断される問題を起こしていないこと

4 審査項目

応募書類と添付資料をもとに、イクメンプロジェクト推進委員会において、以下の観点から審査します。

⑴ 部下の仕事と育児の両立への配慮・工夫

⑵ 業務効率を上げるための工夫

⑶ 自らの仕事と生活の充実

※応募にあたっては部下からの推薦文が必要です。推薦文の内容も評価に加味します。

引用:「イクメン企業アワード2018」・「イクボスアワード2018」の募集を開始

過去のイクボスアワードのグランプリ受賞者(氏名は割愛)は、以下のとおりです。

  • 2017年度:オイシックスドット大地株式会社販売企画室週次企画セクションマネージャー、社会福祉法人あいの土山福祉会エーデル土山法人事務局施設長
  • 2016年度:青森県警察弘前警察署長、戸田建設株式会社東京支店建築工事5部長、P&Gジャパン株式会社経営管理本部 アソシエイトディレクター
  • 2015年度:株式会社丸井グループ株式会社丸井取締役大宮店長、ニフティ株式会社WEBサービス事業部スマートデバイスサービス部部長、医療法人寿芳会 芳野病院理事長・院長
  • 2014年度:株式会社セプテーニクリエイティブ部部長、株式会社ルミネ取締役開発企画部部長

なお、イクボスアワードと同時に、イクメン企業アワード2018(両立支援部門、理解促進部門)も実施されます。

まとめ

男性が積極的に育児参加したいと願っても、子育て中の父母が家事育児と仕事の両立を目指しても、会社の上司の理解を得ることができないと実現することは難しいのが現実です。

そのため、子育てに理解のあるイクボスが増えることは、男女問わず育児参加や家事育児と仕事の両立がしやすくなることに直結します。

現時点では、イクボスという言葉が誕生し、企業などがイクボスの養成に力を入れ始めた段階ですが、働き方改革と相まって、徐々にイクボスが増えていくと考えられています。

ページ上部へ戻る