自閉症の赤ちゃんの特徴と症状!2ヶ月~6ヶ月頃の特徴は手や顔?診断は?

赤ちゃん 自閉症 症状 兆候

発達障害という障害があることが世間一般に知られるようになり、しばらく経ちました。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、学習障害などの名称は、乳幼児期や学童期の子どもを持つ親なら一度は聞いたことがあるでしょう。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)をはじめとする発達障害が社会的に認知され、発達障害児への適切な関わり方や接し方が教育現場や一般家庭にも浸透するなどして、発達障害の子どもが生きやすい世の中になるのは望ましいことです。

一方で、発達障害の症状や特徴など一部の上方だけが一人歩きして、「うちの子は発達障害なのではないか。」、「同じ保育園に自閉症っぽい子どもがいる。」などと親を不安にさせていることがあります。

赤ちゃんについても、「視線が合わない」、「逆手バイバイをする」、「人見知りや後追いをしない」など、赤ちゃんが見せてくれる無数のしぐさの一部を切り取って、自閉症(自閉症スペクトラム障害)の症状と結びつけてしまう親が少なくありません。

これでは、赤ちゃんが持つ素晴らしい能力や素質に目が向かず、育児にも前向きになりにくいでしょう。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)などの発達障害の知識を得ることは大切ですが、基本的なところをしっかり押さえ、赤ちゃんに発達障害を疑うような症状が見られても心配しすぎず、早めに小児科を受診させるという意識を持つことが求められます。

この記事では、自閉症の概要、乳児期の赤ちゃんに見られる自閉症の特徴や兆候、自閉症の赤ちゃんへの対応について紹介します。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)とは

発達障害 図 自閉症

(※DSM-5では、レット症候群は発達障害から除外されています。)

自閉症(自閉症スペクトラム障害)とは、①対人関係(社会性)の障害、②コミュニケーション能力の障害、③限定した常同的な興味、行動および活動(想像力の障害とそれに基づく行動の障害)の3つを特徴とする障害です。

生後まもなくから3歳までに、この3つの症状が見られた場合に自閉症と診断されます。

自閉症スペクトラムは、「自閉」という言葉から「心を閉ざす」というイメージを持たれがちですが、心の病気ではなく、生まれつき脳に何らかの障害があることで生じる発達障害の一つです。

自閉症と発達障害

発達障害とは、行動、コミュニケーション、社会適応の問題を主な症状に持つ障害です。

主な発達障害は、以下のとおりです。

  • 自閉性スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

どの発達障害も、生まれつきの障害であること、脳の一部の機能に障害があることは一致しています。

しかし、発達障害は人によって症状も日常生活に支障を及ぼす程度も大きく異なりますし、いくつもの発達障害を抱えている人も多いため、同じ診断名でも特徴や課題は一人ひとり異なるものです。

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自閉症スペクトラムという概念の登場

以前は、自閉症といえば、自閉の程度が重いものだけを指し、珍しい障害だと考えられていました。

しかし、自閉症に関する研究が進み、重度の自閉症だけではなく、アスペルガー症候群(自閉症の3つの特徴のうち、コミュニケーションの障害の程度が軽い発達障害)なども自閉症に含めた、自閉症スペクトラム障害という概念が登場しました。

自閉症スペクトラムとは、重度の自閉症からアスペルガー症候群まで、連続的につながりのあるものとして捉えた概念です。

共通点がある複数の発達障害をグループとしてまとめたもの」と言い換えることができます。

自閉症スペクトラムという考え方の変化により、自閉症の症状が重症ではないために適切な支援を受けられなかった人や、周囲から発達障害だと認知されず誤解を受けていた人が気づかれることになりました。

診断基準も変更されており、診断名についても、自閉症や診断やアスペルガー障害ではなく「自閉症スペクトラム障害」と診断されるようになっています。

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自閉症(自閉症スペクトラム障害)と知的障害

自閉症スペクトラムの子どもの50%以上に、程度の差はあるものの知的障害が見られることが分かっています。

アスペルガー症候群など知的な遅れがない子どもは約30%おり、言語を習得して学校の成績が良い人もいますが、会話をはじめとする対人関係は不得手な子どもが多いものです。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)と合併しやすい障害

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の子どもは、児童期から青年期にかけて、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、てんかんを合併しやすい傾向があります。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の人の数

重度の自閉症の人は500人に1人くらい、症状が軽い人を含めると100人に1人くらいいます。

発症するのは女性よりも男性の方が4倍くらい多くなっています。

また、親族に自閉症の人がいる場合は、発症する確率が5倍から10倍高くなるとされています。

なお、ここでいう自閉症の人の数は、症状の程度に差はあるものの自閉症の診断を受けた人の数を計上しています。

しかし、診断はつかないけれど自閉症のような症状が見られ、日常生活において対人関係などに難しさが見られるいわゆる「グレーゾーン」とされる人は、自閉症の人の数倍はいると考えられています。

自閉症スペクトラムという概念が浸透するにつれて、グレーゾーンの人も注目され、支援の輪が広がっていくことが期待されています。

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自閉症(自閉症スペクトラム障害)の原因

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自閉症スペクトラム障害の原因は、先天的な脳機能障害です。

遺伝的な要因によって中枢神経に何らかの問題が生じる、胎内環境や周産期の問題といった出生前の要因が関連しているなど様々な可能性が指摘されていますが、原因を特定するには至っていません。

研究が進むにつれて、発達障害を生じさせる要因の一部については分かってきましたが、発達障害の症状は多様で個人差が大きく、その原因も多様であると考えられており、全ての発達障害の人に共通する原因はないと考えられています。

ただし、「生まれつきの障害」であることは明らかにされ、「親のしつけ方や育て方が悪い」、「親の愛情不足」、「子どもの性格の問題」などが悪いなどが原因だという考え方は否定されています。

自閉症スペクトラム障害を含む発達障害の子どもやその親を悩ませてきた「子どものせい」、「親のせい」という周囲の偏見は、根拠がないことが明らかになっているのです。

遺伝要因と環境要因の相互作用

現在は、何らかの遺伝要因を持って生まれた人が、日常生活を送る中で様々な環境要因の影響を受けて発達障害が生じると考える研究者が多くなっています。

つまり、特定の遺伝子を持っていれば必ず発達障害になるのではなく、また、発達障害になる道筋は一人ひとり異なる可能性があるということです。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴的な症状

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自閉症(自閉症スペクトラム障害)は、①対人関係(社会性)の障害、②コミュニケーションの障害、③限定した常同的な興味、行動および活動(想像力の障害とそれに基づく行動の障害)の 3つを特徴としています。

自閉症の特徴1:対人関係(社会性)の障害

周囲との関係性を適切に理解する力が弱いため、その場に応じた適切な言動をとるのが困難です。

また、周囲に対する関心や警戒心が低く、ひとり遊びをしていたり、人見知りをせず見知らぬ人についていったりするなど、対人関係が極端で一方的なものになる傾向があります。

自閉症の特徴2:コミュニケーションの障害

言葉を理解するのが苦手で、発語が遅れたり、オウム返しをしたり、同じ言葉や意味のない言葉を繰り返したりすることがあり、また、言葉を全く話さないこともあります。

相手をジッと見たり、視線を合わさなかったりすることもあります。

自閉症の特徴3:限定した常同的な興味、行動及び活動(想像力の障害とそれに基づく行動の障害)

自分の気持ちをうまく表現できず、相手の気持ちを察する力も未熟です。

また、環境の変化に対応するのが苦手で、初めての人や場所、不測の事態に直面するとパニックになる傾向があります。

こうした自閉症の症状は、年齢、知的障害(精神遅滞)の有無、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の併発の有無などによって、症状の程度は一人一人異なります。

その他の特徴的な症状

個人差はありますが、乳児期の赤ちゃんや幼児期の子どもには、以下の症状(行動)がよく見られます。

  • 親など親しい人の後追いをしない
  • 人見知りをしない
  • 感覚の異常(五感からの情報が脳で正しく処理されず、周囲の刺激に過敏もしくは鈍感)
  • 周囲の子に関心を示さない
  • 発語が遅い(オウム返しが続く)
  • 目線が合わない
  • 指差しをしない
  • 一人遊びが多い
  • 人のまねをしない
  • 逆転バイバイ(手のひらを自分の方に向けてバイバイする)
  • 名前を呼んでも振り向かない
  • 表情が乏しい
  • 落ち着きがない(常にせわしなく動いていて、よく怪我をする)
  • 睡眠時間が短い
  • かんしゃくを起こす
  • こだわり行動(くるくる回る、手のひらを目の前でひらひらさせるといった反復行動、特定の記号や印に注目して突っ込んでいくといった興味の限局、道順や配置にこだわる順序固執など)

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自閉症(自閉症スペクトラム障害)と診断される時期

通常、自閉症(自閉症スペクトラム障害)と診断されるのは、生後3歳頃です。

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の診断基準は、操作的診断基準と呼ばれています。

操作的診断基準とは、原因が不明であるため生物学的に検査する方法がなく、臨床症状によって診断せざるを得ない精神疾患に対して、信頼性の高い診断を行う目的で設定された基準のことです。

操作的診断基準では、対象者の診察時の様子だけでなく、家族などから聴取した対象者の生活史における行動やエピソードなどを診断基準に当てはめて、診断を行います。

乳児期の赤ちゃんの頃の行動やエピソードだけでは、発達障害の専門的な知見を有する医師でも自閉症(自閉症スペクトラム障害)か否か判断することは難しく、乳児期のうちに診断されるケースは少なくなっています。

なお、操作的診断基準では、症状の背景に病態を想定していないため、原因や病態から症状を説明することができる身体の病気と異なり、診断されても病態に基づいた理解が難しいものです。

赤ちゃんの頃に見られる自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴・症状

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自閉症の特徴は低月齢(生後2ヶ月頃)から見られることもあるため、赤ちゃんが気になる行動を見せたら、早めに小児科を受診するようにしましょう。

生後2ヶ月、生後6ヶ月、生後1歳頃に見られる特徴を確認しておきます。

新生児期にも自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴・症状は見られるか

新生児は、自分の意思で自由に身体を動かすことができず、表情を作ったり、目で物を追ったりする能力も未熟です。

そのため、自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴に気づくことは難しいものです。

自閉症に特徴的な顔つきが見られる場合、自閉症の可能性が高いと考えられますが、新生児の時点で診断されることはありません。

生後2ヶ月頃から見られる自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴・症状

  • 表情が乏しい(泣いたり笑ったりしない)
  • お父さんお母さんと目を合わせない
  • 抱っこを嫌がって泣きながら反り返る

生後2ヶ月頃は、赤ちゃんが生理的微笑(無意識に起こる微笑み)を卒業して社会的微笑(刺激に反応して起こる微笑み)を獲得し、表情が豊かになっていく時期です。

また、視力が向上して近くの人や物が見えるようになり、特に人の目を良く見つめます。

この時期に表情が乏しく、目線が合わないというのは、赤ちゃんの発達の観点から何らかの異常を疑うポイントとなります。

通常、赤ちゃんは抱っこを喜ぶものなので、常に激しく嫌がって反り返るようなら、異常を疑って小児科を受診させてみた方が良いでしょう。

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生後6ヶ月頃から見られる自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴・症状

  • 落ち着きがなく、常に体を動かしていて、よく怪我をする
  • 抱っこしても、そわそわして周囲を気にしている
  • 人見知りや後追いをしない

生後6ヶ月頃は、赤ちゃんが人見知りを始め、ズリバイやハイハイを覚えるとお母さんの後追いを始める時期です。

発達障害のある人の生後6ヶ月前後のエピソードを確認すると、人見知りや後追いが一切見られず、また、多動性や注意力不足を指摘できるようなエピソードがよく登場します。

生後1歳頃から見られる自閉症(自閉症スペクトラム障害)の特徴・症状

  • 指差しをしない
  • 言葉の発達に遅れが見られる
  • 呼びかけても返事をしない
  • まねをしない
  • クレーン現象(お父さんお母さんの手を使って、自分のやりたいことを代わりにしてもらおうとすること)を見せる

生後1歳を過ぎると、指差しや大人の真似を繰り返すようになり、言葉もドンドン獲得していきます。

しかし、発達障害の人の生後1歳頃のエピソードを確認すると、指差しをしない、まねをしない、呼んでも反応しない、クレーン現象など、通常の発達とは異なる特徴がよく登場します。

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自閉症(自閉症スペクトラム障害)の赤ちゃんや子どもへの対応

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現在のところ、自閉症を根本的に治療する方法は見つかっていません。

しかし、医師や専門機関に相談しながら、症状や発達状況、子ども自身の特性に応じた適切な療育を受けることで、社会生活を送るためのスキルを伸ばしていくことができます。

家庭におけるしつけ、学童期の学校における教育、就労時の支援など、子どもを取り巻く人が連携して継続的に支援することで、障害が日常生活に及ぼす影響を最低限に抑え、障害を気にせず生活することも可能になります。

また、幼児期から学童期にかけてよく見られる多動、かんしゃく、こだわり行動といった症状は、服薬治療によって軽減できることもあります。

こうした対応は、早い時期に行うほど効果が高いと言われています。

そのため、まず、お父さんお母さんが赤ちゃんや子どもの特性をよく理解し、気になる症状を見つけたら早めに小児科に相談することが大切です。

そして、小児科で自閉症の可能性を指摘されたら、必要に応じて専門機関を受診し、医師などの指導に従いながら家庭においても適切なしつけを行ってあげましょう。

家族以外で赤ちゃんが関わる人たちにも、赤ちゃんや子どもの特性をしっかり伝え、支援を求めていくことも欠かせません。

まとめ

自閉症(自閉症スペクトラム障害)の症状は、個人差が大きいものの、赤ちゃんの頃から何らかの症状が出ていることが少なくありません。

早くから周囲の適切な関わりや支援が得られていれば、自閉症の障害特性が日常生活に与える影響を最小限にとどめることができるので、普段から赤ちゃんの行動を慎重に観察し、発達障害の早期発見・早期相談を心がけましょう。

また、自閉症を持つ赤ちゃんの子育ては、自閉症ではない赤ちゃんの子育てにはない苦労や不安がつきまといます。

親や家族だけで抱え込まず、病院、療育機関、保育園、保健センターなどに相談するなど、親自身のケアにも気を配ることが大切です。

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