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乳児期の子育て

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?原因と対応、赤ちゃんの兆候・特徴は?

赤ちゃん 注意欠陥多動性障害 ADHD 兆候 特徴

発達障害に詳しくなくても、注意欠陥多動性障害やADHDという名称を聞いたことはあることがあるでしょう。

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、発達障害の中でもよく知られた障害の一つで、幼児期以降の集団生活場面において、落ち着きのなさ、不注意傾向、衝動的な言動などを繰り返すことによって発見されることが多いものです。

この記事では、ADHD(注意欠陥多動性障害)の概要、原因、対応(療育)、赤ちゃんの頃に見られる兆候(チェックポイント)について紹介します。

注意欠陥多動性障害(ADHD) とは

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは、①年齢や発達段階に見合わない不注意、②多動性、③衝動性の3つの症状を特徴とする発達障害です。

Attention Deficit Hyperactivity Disorderを略して「ADHD」、日本語に翻訳すると「注意欠陥多動性障害」です。

名称の中に「衝動性」は含まれていませんが、注意欠陥多動性障害と診断される子どもの中には、衝動性の症状に悩んでいる子どもがたくさんいます。

特に、幼児期から学童期にかけては衝動性の症状が強く現れる傾向があります。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)の発症率

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、100人に3人から7人くらいの確率で発症します。

つまり、1クラス35人の学校では、クラスに一人は注意欠陥多動性障害の子どもがいるという計算になります。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の原因

他の発達障害と同じで、原因が特定されているわけではありません。

しかし、遺伝的要因や、前頭葉や線条体のドーパミンの機能障害が原因だという説が有力視されています。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の原因を「子どもの性格や親の育て方」に求めようとする人がいますが、事実無根です。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴的な症状

ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状にはかなりの個人差がありますが、大きく3つに分類することができます。

  • 不注意優位型:不注意が目立つ類型だが、衝動性や多動性がないわけでなない
  • 多動性・衝動性優位型:衝動性と多動性が目立つ累計だが、不注意がないわけではない
  • 混合型:不注意、多動性、衝動性の3つの症状が同程度に目立つ類型

不注意、多動性、衝動性の具体的な症状は、次のとおりです。

ADHDの特徴的な症状1:不注意優位型

  • 物事に集中できない
  • 注意が持続しない
  • 指示に従えずに目的を達成できない(反抗的もしくは指示が理解できないわけではない)
  • 努力を要する課題を避けたり嫌ったりする
  • 物をよくなくす
  • 順序立てて行動できない

ADHDの特徴的な症状2:多動性・衝動性優位型

  • 手足をそわそわと動かし続ける
  • 待つことができない
  • じっとしていられずに動き回る
  • 静かに話したり動いたりすることができない
  • 順番を待たずに行動してしまう
  • 会話などで割り込んでしまう
  • 刺激にすぐ反応してしまう(欲しいと思ったら万引きしてしまう、けんかを売られたと思ったらすぐ叩いてしまうなど)

ADHDの特徴的な症状3:混合型

不注意と多動性・衝動性が同じくらい現れている場合が混合型です。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の診断基準

ADHD(注意欠陥多動性障害)の診断については、アメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5に記載されています。

DSM-5におけるADHD(注意欠陥多動性障害)の診断基準は、以下のとおりです。

A.以下の⑴または⑵によって特徴づけられる、不注意または多動性-衝動性の特徴的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの

⑴不注意

以下の症状のうち6つ以上について、6ヶ月以上継続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的及び学業的・職業的活動に直接悪影響を及ぼしている。

(※いずれの症状についても、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。成年期後期及び17歳以上の場合、5つ以上の症状があることが必要。)

(a)学業、仕事、その他の活動中において、綿密に注意することができない、または不注意による間違いをする

(b)課題または遊びの活動中において、注意を持続することが困難

(c)直接話しかけられた時に、聞いていないように見える

(d)指示に従うことができず、学業、用事、または職場での仕事をやり遂げることができない

(e)課題や活動を順序立てて行うことが困難

(f)精神的努力の持続を必要とする課題に取り組むことを避けたり、嫌ったり、もしくは消極的な姿勢で臨んだりする

(g)課題や活動に必要な物をなくす

(h)外からの刺激によってすぐ気が散る

(i)日々の生活(活動)において忘れっぽい

⑵多動性-衝動性

以下の症状のうち6つ以上について、6ヶ月以上継続したことがあり、

以下の症状のうち6つ以上について、6ヶ月以上継続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的及び学業的・職業的活動に直接悪影響を及ぼしている。

(※いずれの症状についても、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題や指示を理解できないことでもない。成年期後期及び17歳以上の場合、5つ以上の症状があることが必要。)

(a)手足をせわしなく動かしたり、トントンと叩いたり、イスの上で手をもじもじさせたりする

(b)着席していることを求められる場面において、離席することがある

(c)不適切な状況で、走り回ったり高いところへ登ったりする

(d)静かに遊んだり活動したりすることができない

(e)ジッとしていられない、もしくは、エンジンがかかったように行動することがある

(f)おしゃべりが過ぎる

(g)質問を聞き終る前に応え始める

(h)順番を待って行動することが難しい

(i)他人の邪魔をする

B.不注意または多動性・衝動性の症状のうちのいくつかについて、12歳未満から確認されていた

C.不注意または多動性・衝動性の症状のうちのいくつかについて、2つ以上の状況において確認できる

D.不注意または多動性・衝動性の症状が、社会的、学業的もしくは職業的機能に支障をきたしたり、質を低下させたりしている証拠がある

E.症状が、統合失調症やその他の精神病性障害の経過中に生じるものではなく、他の精神疾患では説明できない

乳児期の赤ちゃんに見られるADHD(注意欠陥多動性障害)の兆候

発達障害は、認知、言語、学習といった発達領域の問題として現れてきます。

発達の各領域が未熟な乳児期の赤ちゃんの場合、ある行動がADHD(注意欠陥多動性障害)によるものか否かの判断が難しく、発達障害に詳しい医師でも判断できないことがほとんどです。

ただし、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された子どもが乳児期にとっていた特徴的な行動(ADHDの子どもの親が語った、子どもの乳児期の様子)は、研究結果からピックアップすることができます。

  • 視線が合わない
  • 抱っこを嫌がって泣いたり反り返ったりする
  • 指差しをしない
  • クレーン現象が見られる

いずれの行動も、健全な発達を遂げている赤ちゃんであっても一時的には見られることがありますし、感覚器官や身体の異常によって症状が出ていることもあります。

そのため、赤ちゃんに上記の症状が見られるからといって過剰に不安を抱く必要はありませんが、念のためかかりつけの小児科医に相談してみましょう。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)への対応

現在のところ、ADHD(注意欠陥多動性障害)を根本的に治療する方法は見つかっていません。

ただし、①薬物療法、②環境への介入、③行動への介入の3つを、本人や周囲のニーズに応じて組み合わせることで、ADHDの症状が日常生活へ及ぼす影響を抑えることができるようになってきました。

ADHD(注意欠陥多動性障害)への対応1:薬物療法

メチルフェニデートやアトモキセチンという薬が不注意、多動性、衝動性を軽減する効果があることが分かっています。

薬は、医師の診断を受け、その指示の下で適切に使用する必要があります。

ADHD(注意欠陥多動性障害)への対応2:環境への介入

環境への介入とは、家庭や学校など子どもが生活する環境において、障害の特性に応じた対応を行うということです。

家族と学校が子どもへの支援で協力する、子どもが問題を起こしたときの相談先を決めておく、室内に注意を引くような物を置かないといった対応が考えられます。

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ADHD(注意欠陥多動性障害)への対応3:行動への介入

社会生活を送る上で問題となる行動を減らし、適切な行動を増やしていくための介入です。

適切な行動には報酬(ほめる、拍手するなど)を与え、不適切な行動には報酬を与えないという方法で、適切な行動の増加を目指します。

不適切な行動をとった場合でも過剰な叱責をせず、不適切な行動をとらなかったり、その頻度が下がったりした場合にほめることが大切です。

まとめ

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、幼児期から学童期にかけて集団生活を送る中で発見されやすい障害です。

ADHDの子どもは、不注意、多動性、衝動性という障害特性によって、場にそぐわない言動や不適切な態度を繰り返してしまい、集団生活の中で浮いてしまったり、嫌われてしまったりしやすく、いじめ被害に遭うことも少なくありません。

また、大人にも、単なるわがままや指導に従わないせいだと勘違いされてしまい、頭ごなしに叱責されてしまいがちです。

しかし、他の発達障害と同じく、一番つらい思いをして悩んでいるのは障害のある子ども自身で、「どうして変な行動ばかりとってしまうんだろう。」、「仲良くしたいのに、うまくいかないのはなぜだろう。」と人知れず悩み、ストレスを募らせているものです。

親としては、発達障害のある子どもを育てるしんどさをグッとこらえ、子どもの辛さや悩みに寄り添ってやる姿勢も大切になります。

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