ヘルパンギーナとは?症状、原因、潜伏期間、治療は?手足口病との違いは?

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保育園や幼稚園に乳幼児を預けていると、「ヘルパンギーナに注意してください。」というお知らせをもらうことがあります。

ヘルパンギーナは、乳幼児に多く見られる「子どもの3大夏風邪」の一つで、夏頃になると毎年のように流行する病気です。

では、ヘルパンギーナはどのような原因で発症し、どのような症状があり、どんな治療を受けるのでしょうか。

また、ヘルパンギーナと混同されやすい病気に手足口病がありますが、違いは何なのでしょうか。

この記事では、ヘルパンギーナの原因、潜伏期間、症状、治療法、手足口病との違いについて紹介します。

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナとは、突然の発熱、喉の腫れ・水疱・痛みなどを特徴とする、ウィルス性の感染症です。

乳幼児が多く発症する感染症の一種で、手足口病とプール熱と合わせて「子どもの3大夏風邪」と呼ばれます。

一度治っても何度もかかることがあります。

ヘルパンギーナにかかりやすい年齢

ヘルパンギーナにかかりやすいのは生後4歳以下の乳幼児です。

特に、生後1歳~4歳の幼児がかかりやすい病気ですが、一方で、新生児期から乳児期(生後0歳)の赤ちゃんの発症率はそれほど高くありません。

生後1歳以降の幼児がかかりやすい理由としては、ウィルスへの抵抗力が弱いことに加え、ウィルス感染を予防する衛生管理能力や予防への意識が低いことや、保育園や幼稚園など集団生活の場で他の子どもと接触する機会が多いことが挙げられます。

生後0歳の新生児や乳児の感染が少ないのは、生後6ヶ月頃までは母体からもらった抗体に守られており、その後も幼児期に比べると家族以外との関わりが少ないためです。

ただし、お母さんがヘルパンギーナに感染していると、出産時に赤ちゃんへ感染するリスクがあります。

ヘルパンギーナに感染しやすい時期

ヘルパンギーナにかかりやすいのは、梅雨頃から初夏にかけてです。

6月頃から感染・発症する人が増えて、7~8月頃にピークを迎えます。

まれではありますが、冬場にかかることもあります。

ヘルパンギーナの原因

ヘルパンギーナの原因は、ウィルス感染です。

ヘルパンギーナの原因となるウィルスは、コクサッキーウィルスA群と呼ばれるウィルス群です。

コクサッキーウィルスA群は、「群」という名前のとおりいくつも種類があり、ある種類のウィルスに感染して回復しても、別のウィルスに感染することがあります。

また、コクサッキーウィルスA群はノンエンベロープウィルス(アルコール消毒剤や熱への抵抗力が強いウィルス)で、通常の消毒では効果が薄いとされています。

ノンエンベロープウィルスには、コクサッキーウィルスの他、手足口病や無菌性髄膜炎の原因となるエンテロウィルスや、胃腸炎の原因となるノロウィルスやロタウィルスなどがあります。

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ヘルパンギーナの感染経路

ヘルパンギーナの感染経路には、接触感染と飛沫感染に加え、糞口感染があります。

ヘルパンギーナの感染経路1:接触感染

接触感染とは、ウィルスのついた物に直接的または間接的に触れて感染することです。

乳幼児の多くは、保育園や幼稚園など集団で過ごす場所に置いて、ヘルパンギーナの原因となるウィルスに感染した子どもに触れたり触れられたりして感染します。

また、感染した子どものつばや鼻水がついたおもちゃや絵本などに触れて感染することもあります。

ヘルパンギーナの感染経路2:飛沫感染

飛沫感染とは、咳やくしゃみなどで飛び散るつばなどに含まれるウィルスが口や鼻などの粘膜に触れて感染することです。

乳幼児は、大人に比べると、他の子どもとの距離が近く、直接的に接触する機会も多いため、ウィルスに感染した子どもの咳やくしゃみを浴びて、感染しやすいものです。

咳やくしゃみをする時に手で口をふさぐことを覚えていない乳幼児が多いことも、飛沫感染のリスクを高める一因です。

ヘルパンギーナの感染経路3:糞口感染

糞口感染とは、便の中に含まれるウィルスが手などに付着し、それが口の中に入って感染することです。

ヘルパンギーナの原因となるコクサッキーウィルスA群のウィルスは、症状が治まった後も2~4週間程度は便から排泄されます。

そのため、オムツ交換などの際に手にウィルスが付着し、それが口の中に入りこんで感染するリスクがあります。

ヘルパンギーナの症状

ヘルパンギーナの症状について見ていきましょう。

ヘルパンギーナの原因となるウィルスの潜伏期間

ヘルパンギーナの原因となるウィルスの潜伏期間は、3~6日です。

潜伏期間中は症状が出ませんが、ウィルス感染した状態なので他人に感染させてしまうことはあります。

ヘルパンギーナの症状

ヘルパンギーナの主な症状は、以下のとおりです。

  • 突然の39℃を超える発熱(1~3日程度継続する)
  • 強いのどの痛み
  • のどの発疹と水疱

ヘルパンギーナの症状は、突然、39度を超える高熱が出るところから始まります。

発熱は1~3日程度継続します。

発熱と同時にのどが真っ赤に腫れ、口の中から喉にかけて痛みを伴う水疱性の発疹がたくさんできます。

まれですが、腹痛や下痢の症状が出ることもあります。

ヘルパンギーナが引き起こす合併症

手足口病が引き起こす可能性のある主な合併症は、以下のとおりです。

  • 熱性けいれん
  • 髄膜炎
  • 脳炎

ヘルパンギーナによって高熱が続くことにより、熱性けいれんが起こってしまうことがあります。

また、確率は低いものの髄膜炎や脳炎を合併することもあります。

38度以上の発熱が2日以上続く、乳幼児が泣き止まない、いつもより元気がないなどの症状が見られる場合、ウィルス性の髄膜炎や脳炎を合併している可能性があるため、すぐ小児科を受診させてあげましょう。

また、口の中の発疹がつぶれて口内炎ができ、食べ物や飲み物を口に入れたがらなくなることにより、脱水症状を起こすリスクもあります。

他の夏風邪との見分け方

手足口病以外の「子どもの3大夏風邪」(手足口病、プール熱(咽頭結膜熱))との見分け方を見ておきましょう。

手足口病

手足口病とは、ヘルパンギーナと同じく夏にかかりやすいウィルス性の感染症です。

コクサッキーウィルスなどへの接触感染や飛沫感染が原因で、口の中に水疱性の発疹ができ、髄膜炎や心筋炎などを合併するかのうせいがあるところはヘルパンギーナと共通しています。

しかし、手足口病では、38度を超える高熱が出ることはほとんどない一方で、口以外に手足にも水疱性の発疹が出ます。

プール熱(咽頭結膜熱)

プール熱とは、手足口病やヘルパンギーナと同じ時期にかかりやすい、急性ウィルス性感染症です。

正式名称は咽頭結膜熱です。

しかし、プールなどで感染することから「プール熱」と呼ばれており、一般的にはこちらの方が知られています。

プール熱は、アデノウィルスに感染することで発症し、5~7日の潜伏期間を経て、突然の発熱、喉の奥の痛み、頭痛、身体のだるさ、嘔吐、下痢に加え、大量の目やに、目の痛み、結膜炎などの症状が現れます。

ヘルパンギーナとは接触感染や飛沫感染が原因で感染し、乳幼児がかかりやすいところが共通しています。

一方で、ヘルパンギーナには目の充血や大量の目やにが出るなど目の症状ははありません。

ヘルパンギーナの治療

ヘルパンギーナの原因となるウィルスに効果を発揮するワクチンや薬は見つかっておらず、対症療法が中心となります。

高熱、口の中の発疹や口内炎、のどの腫れ、食事がとれないなどの症状に応じた薬や点滴などを使用し、症状を緩和させ、自然回復を待ちます。

乳幼児の場合、症状が酷い場合は1日から数日程度入院して治療を受けることもあります。

脱水症状への対応

乳児期の赤ちゃんの場合、口の中の発疹がつぶれた後に口内炎ができて強い痛みを感じるようになると、母乳やミルク、離乳食などを摂ろうとしなくなり、脱水症状を起こすことがあります。

対策としては、柑橘系のジュース、塩味・辛味・熱いものは避け、のどごしの良い常温の物(麦茶、イオン飲料、牛乳、冷めたスープ、プリン、ゼリー、豆腐など)を食べさせます。

保育園や幼稚園に登園させる時期

ヘルパンギーナの原因となるウィルスが体内からなくなるまでには1ヶ月前後かかりますが、一般的な家庭では、1ヶ月もずっと保育園や幼稚園を休ませることは困難でしょう。

登園の最低限の目安は、「熱が下がって丸1日以上経過し、子どもが普段どおりに食事ができる状態であること」です。

目安をクリアしていても、子どもの様子で気になるところがある場合は慎重に判断し、心配な場合は医師に登園の可否を聞いてみましょう。

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まとめ

ヘルパンギーナは、多くの乳幼児がかかる病気ですが、放置すると深刻な合併症や脱水症状を招いてしまいます。

そのため、他の病気と同じで早期発見・早期治療が何より大切です。