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乳児期の子育て

愛着障害とは?赤ちゃん・子供の症状とチェック方法、対応・治療は?

愛着障害 アタッチメント 子供

子供は、乳幼児期に、お母さんなど養育者からたくさん愛情をもらい、お世話してもらうことで、特別な情緒的結びつきを築きます。

これを愛着と言います。

養育者と愛着関係を築いた子供は、親との間に安心感や安全感を抱き、自分が周囲から大切にされる存在だと認識できるようになります。

そのため、少しずつ親から離れて、自分の意思で積極的に周囲に働きかけ、良い人間関係を築いたり、困難な課題に取り組んで達成したりできるようになりますし、失敗してもそれを活かして行動を修正する力も身につけます。

しかし、乳幼児期に、養育者から十分な愛情やお世話を得られなかった子供は、愛着関係を築くことができないままとなり、その後の成長発達に色々な問題を抱えることになります。

これが愛着障害です。

このページでは、愛着障害の概要、症状、治療(対応)と、愛着障害をチェックする方法について紹介します。

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愛着障害とは

愛着障害とは、生後2年目までに母子(主な養育者と子供)間の愛着関係が形成されなかった場合に起こる障害などのことです。

英語では、attachment(愛着、愛情、傾倒などと訳される)と言い、愛着に関する論文などではattachmentとして表記されることが増えてきました。

愛着障害は、心理学者ジョン・ボウルビィが提唱した愛着理論に基づく心理学用語です。

愛着理論では、子供が精神的、社会的に健全な発達を遂げるためには、養育者と親密な関係を維持して安心感や安全感を得る(愛着関係を形成する)必要があり、それがないと発達に様々な課題を抱える(愛着障害)と説明しています。

そして、通常、養育者と子供の愛着関係は生後2年目までに形成され、愛着が生後2、3年以内に形成されない場合は、愛着は遅れて形成されると考えられています。

愛着障害を引き起こす原因

愛着障害の原因は、生後2年目までに「養育者と子供の愛着関係が形成されないこと」ですが、具体的な内容について見ていきましょう。

愛着障害を引き起こす原因:虐待

まず、愛着障害の主な原因となるのが、虐待です。

虐待は、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)4つに分類されています。

  • 身体的虐待:殴る、蹴る、カッターや包丁で切る、アイロンを押し付ける、やけどさせる、首を絞める、熱湯や水風呂に沈める、逆さづりする、引きずり回す、異物を飲ませる、冬場に家の外へしめ出すなど
  • 心理的虐待:大声で叱る・脅す、無視をする、自尊心を傷つける言葉を継続的に言い続ける、きょうだいを差別する、夫婦喧嘩や暴力場面を子供に見せる、拒否的な態度をとるなど
  • 性的虐待:性器や性交を見せる、子どもとの性行為、性的行為の強要など
  • ネグレクト(ネグレクト):家に子供一人を残して外出する、食事を食べさせない(母乳やミルクを十分に与えない)、服を着させない(着替えさせない)、保育園や学校に行かせない、病気の子供を病院に連れて行かない、子供を無視する、子供を置き去りにするなど

核家族化が進み、地域社会の関係も薄れた現代日本では、乳幼児に対するネグレクト(育児放棄)が大きな問題となってきています。

また、乳幼児を対象とする性的虐待も毎年のように発生しています。

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愛着障害を引き起こす原因:子どもへの不適切な関わり

虐待とまではいかなくても、子供に不適切な関わり方を続けることで、子供が愛着障害になることがあります。

  • 子供のことをかまわない
  • 子供の褒めず、叱責や否定ばかりする
  • 指示ばかりして、子供が従わないと叱責する
  • 子供に八つ当たりする
  • 不安定な様子を子供に見せる
  • 自傷行為や自殺行為の場面を子供に見せる
  • きょうだいと比べて叱ったり責めたりする
  • 子供を溺愛して過度に密着している

こうした不適切な関わりを乳幼児のうちから受け続けた子供は、基本的信頼感が育まれず、自尊心や積極性も低いままになります。

また、周囲に対する強い不信感や不安を抱えることになり、うまく人の輪に入って人間関係を築くことができません。

一方で、養育者と子供が過度に密着している場合、愛着は形成されるものの、子供はいつまで経っても養育者の庇護下から抜け出せず、その後の社会生活に影響が出るようになります。

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愛着障害を引き起こす原因:家庭環境

子育てに問題がなくても、家庭環境の問題が愛着障害を引き起こすことがあります。

  • 養育者が死亡した
  • 親の離婚や別居によって養育者と離れ離れになり、会うこともなくなった
  • 施設や里親に預けられた
  • 親が仕事で不在がち
  • 養育者が再婚した
  • 養育者が、再婚相手やその間にできた子供ばかりかわいがる

通常、乳幼児期の子供にとって、養育者は「いつでもそばにいてくれて、何でもお世話してくれて、自分のことを認めてくれる存在」です。

しかし、家庭の事情によって養育者の関心が他に向いたり、離れ離れになったりすると、子供は愛着の対象を喪失して想像しがたいくらいの絶望感に襲われることになります。

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愛着障害の分類と症状、チェックポイント

愛着障害は、DSM-5では、心的外傷及びストレス因関連症候群というカテゴリー内で、「反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害」と「脱抑制型対人交流障害/反応性愛着障害脱抑制型」に分類されています。

ネット上には、DSM-ⅣやDSM-Ⅳ-TRなどの情報に基づいた記事が散見されるので注意してください。

  • DSM-5:アメリカ精神医学会が出版している、精神障害のための共通言語と標準的な基準を提示した書籍の第5版

反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害の症状(DSM-5の診断基準)

反応性アタッチメント障害/反応性愛着障害の主な症状は、不適切な愛着行動(幼児期もしくは小児期に、子供が主な養育者に「安心したい」、「助けて」という行動をほとんど示さないこと)です。

具体的な症状(診断基準、チェックポイント)は、次のとおりです。

A. 次の1.及び2.の両方の行動が見られる

  1. 心理的苦痛を感じている時に、滅多にまたは最小限にしか安楽・慰安を求めない
  2. 心理的苦痛を感じている時に、滅多にまたは最小限にしか安楽・慰安に反応しない

B.次の1.~3.のうち、少なくとも2つ以上の行動が見られる

  1. 他人に対して最小限しか関わろうとせず、情緒的な反応(笑う、泣く、怒るなど)も乏しい
  2. 肯定的な感情(楽しい、嬉しいなど)が限定されている
  3. 大人が穏やかな(怒っていない)態度で接しても、怒り、悲しみ、恐怖を感じている様子がうかがえる

C.次の1.~3.のうち、少なくとも1つ以上の不十分な養育を経験している

  1. 養育者から、愛情を持って関わられたり、安心したりする経験がなかった
  2. 養育者が頻繁に変わる環境で養育された
  3. 特定の人と愛着関係を築きにくい環境で養育された

その他、診断する際は、子供が生後9ヶ月以上の年齢であること、生後5歳より前から症状が見られること、自閉スペクトラムの診断基準を満たさないことが基準になります。

脱抑制型対人交流障害/反応性愛着障害脱抑制型(DSM-5の診断基準)

脱抑制型対人交流障害/反応性愛着障害脱抑制型の主な症状は、「初対面の人でも過剰になれなれしく接すること」です。

具体的な症状(診断基準、チェックポイント)は、次のとおりです。

A.次の1.~4.のうち、少なくとも2つ以上の行動が見られる

  1. 見慣れない大人に接近して交流することへのためらいが、乏しいもしくは欠けている
  2. 分化や年齢を逸脱したレベルで、過度になれなれしい言葉遣いや身体的行動をする
  3. 慣れない状況でも、主な養育者がいなくても平気な様子でいる
  4. 見慣れない大人に喜んでついていこうとする

B.次の1.~3.のうち、少なくとも1つ以上の不十分な養育を経験している

  • 養育者から、愛情を持って関わられたり、安心したりする経験がなかった
  • 養育者が頻繁に変わる環境で養育された
  • 特定の人と愛着関係を築きにくい環境で養育された

その他、診断する際は、子供が生後9ヶ月以上の年齢であること、注意欠如・多動症の衝動性(AD/HD)の診断基準を満たさないことが基準になります。

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愛着障害の治療・対応

愛着障害の原因は、養育者の関わりや家庭環境なので、治療・対応も家庭で行うことが望ましく、それが望めない場合や、障害の程度が重い場合にカウンセリングなど専門機関を受診させることになります。

家庭でできる愛着障害の治療・対応

愛着障害の子どもに対して、家庭でできる治療・対応は、できるだけ子供と一緒に過ごし、愛情を持って関わり、子供の安全基地になることです。

安全基地とは、子供と愛着関係にある養育者が提供する、安心感や安全感を保証する環境のことです。

子供は、養育者を安全基地として認識すると、「傷ついても安全基地に戻ってくれば癒してもらえる。」という安心感を抱くことができ、外の世界に興味を持って探検に出かけるようになります。

しかし、虐待や養育者の不適切な関わりによって、安全基地となる相手が見つからなかった子供は、他人を信用できず、自信も持てないままとなり、周囲に対する積極性が育まれず、周囲の関わりにも肯定的な反応を返さなくなります。

そのため、できる限り子供と一緒に過ごし、子供の期待や要求に応えてあげて、子供が養育者と一緒にいる時に安心感や安全感を感じられるようにしてあげましょう。

四六時中一緒に遊ぶことができなくても、毎日、同じ時間に同じ人が一緒に食事をとり、一緒にお風呂に入り、一緒に寝ることで、子供は「いつも見守ってくれている。」と感じることができます。

また、愛着障害の子供は、他人を傷つけたり、ルールを無視した行動をとったりしがちですが、頭ごなしに怒らず、社会のルールを穏やかな口調で教え、親として「悲しい」気持ちを伝えましょう。

そして、何より大切なのは、褒めてあげることです。

褒めることは、子供の自尊心や自己有用感を高める最善の方法なので、ちょっとしたことでも大げさなくらい褒めてあげ、子供に「たくさん褒められているし、大切にされているんだ。」という気持ちを持たせてあげましょう。

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まとめ

愛着障害は、子供の将来に大きな影響を与えるものです。

子供を虐待しないことは大前提ですが、日々の子育ての中では、「つい、怒鳴ってしまった。」、「あまりにわがままを言うので無視した。」ということがあるかもしれません。

そんな時に大切なのは、落ち込むことではなくて、繰り返さないことと、子供のケアをすることです。

やってしまったことは消えませんが、丁寧にケアをして、同じことを繰り返さないようにすれば、子供への影響は最小限に食い止めることができます。

なお、ネット上では、愛着障害について誤った情報や古い情報に基づく記事が散見されるので、注意してください。

もし、お子さんが愛着障害かもしれないと本気で心配されている場合は、小児科や保健センターで相談してみるか、情報収集のために書籍を購入することをおすすめします。

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