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乳児期の子育て

赤ちゃんの社会化に役立つ自分の発見、共同注意、社会的参照、愛着とは?

社会的参照 愛着 共同注意

乳児期の赤ちゃんは、親をはじめ周囲の大人からお世話してもらわないと生きていけません。

そのため、お世話をしてくれる人との密接な関係を築くための能力をいくつも持っています。

中でも、自分の発見、共同注意、社会的参照、愛着はとても大切な能力で、これらの能力によってお世話をしてくれる人との関係を深め、社会性を獲得していきます。

この記事では、乳児期の赤ちゃんの社会化に役立つ能力(自分の発見、共同注意、社会的参照、愛着)について紹介します。

社会化とは

社会化とは、社会の価値や規範、知識、生活様式など(文化)を身につけて、その社会の一員となっていくことです。

親から引き継がれたものが成長とともに花開く遺伝とは異なり、新しい社会や集団に所属して学習することで獲得していくものです。

社会化の段階

社会化には、第1次社会化と第2次社会化の2つがあります。

第1次社会化(幼年期の社会化)とは

第1次社会化とは、乳幼児期から児童期前期(小学校1年生~3年生頃まで)頃の社会化です。

この時期の子どもは、主に家庭内における親(いつもお世話してくれる人)からの関わりや働きかけによって、所属する社会で使われている言語(母語)や、その社会に所属する人と同じ生活習慣を学習して身につけていきます。

子どもは、生まれたばかりの頃は、お母さんとの1対1の関係が社会の全てで、密接な母子関係の中でお母さんの価値観や行動様式、お母さんが所属する社会(子どもが所属することになる社会)の文化を取り入れることで社会性を獲得しながら、社会を広げていきます。

第1次社会化は、人のパーソナリティーやその後の社会化の基本となります。

第2次社会化とは

第2次社会化とは、児童期後期(小学校4年生から6年生頃まで)以降の社会化です。

友人、メディア、学校、会社などが人の社会化に重要な役割を果たすようになり、それに伴って家族が社会化に果たす割合は低下していきます。

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赤ちゃんの社会化に役立つ自分の発見、共同注意、社会的参照、愛着

赤ちゃんの社会化とは、第1次社会化の中でも一番最初の段階で、人のパーソナリティやその後の社会化の基本の基本になるもので、主にお母さん(いつもお世話してくれる人)との関係を深める中で身についていきます。

赤ちゃんの社会化に役立つ主な能力は、次の4つです。

  • 自分の発見
  • 共同注意
  • 社会的参照
  • 愛着

それぞれ、個別に内容を見ていきましょう。

自分の発見(自己の発見)

社会化の前提として、自分を発見(認識)する必要があります。

赤ちゃんは、自分の声(鳴き声、クーイング、喃語)を聞いたり、手足を動かしたりすることで、自分の身体を認識するようになります。

生後数時間の新生児が、スムースに手を口まで持っていったり、手が触れる直前に口が開いたりすることから、自分の身体の認識は生まれる前から獲得していると考えられています。

しかし、鏡に映った自分の姿を自分だと認識するなど、客観的な自分を認識できるようになるのは乳児期後期(生後7ヶ月)以降で、多くの場合、幼児期(生後1歳以降)に入ってからです。

赤ちゃんンが自分を認識しているかどうかを確認する方法としては、マークテストが有名です。

マークテスト

ダブルスクリーンテストは、高性能なビデオカメラが必要ですが、マークテストは一般家庭でも簡単に実施できます。

  1. 赤ちゃんのほっぺたにシールを貼る
  2. 鏡の前に赤ちゃんをつれて行き、反応を見る

赤ちゃんが、自分のほっぺたを気にしたり、シールを剥がそうとしたりすれば、鏡に映っているのが自分だと認識できていると判断します。

引用:乳児期の子育て

共同注意

共同注意とは、ある対象に対する注意を他人と共有することです。

他人の注意を共有することは、他人の気持ちや感情を理解することにもつながるため、心の理論との関係も指摘されています。

赤ちゃんは、生まれたての頃から、泣いたり、表情を変えたり、身体を動かしたりすることでお母さんとコミュニケーションをとりますし、早い時期から、お母さんの表情から感情を読み取ろうとするようになります。

こうした言葉を使わないコミュニケーションを繰り返すうちに、お母さんが注意を向けた対象に注意を向けること(共同注意)を獲得していきます。

共同注意を獲得する時期

赤ちゃんは、生後2~3ヶ月頃から、お母さんの視線を目で追ったり、指をさした方向を向いたりしますが、これが共同注意獲得の始まりです。

生後10ヶ月前後には、自分が注意を向けた対象を指差したり、注意の対象とお母さんの顔を交互に見たりして、注意の対象に気づいてもらおうとするようになります。

ただし、生後2,3ヶ月~生後9ヶ月頃の赤ちゃんは、自分と大人が同じ対象に注意を向けていることに気づいていません。

お母さんが赤ちゃんの見ている対象を見ることで、母子が同じ物を見ることはありますが、逆はないのです。

それが、生後9ヶ月前後になると、赤ちゃんがお母さんの見ている対象を認識し、同じ対象を見ることができるようになります。

社会的参照

社会的参照とは、新奇な場面や事物に接してどう反応して良いか迷う場合に、親(いつもお世話してくれる人)の表情などを手掛かりにして、行動を決定する過程のことです。

社会的参照の例を見てみましょう。

  1. 親戚のおじさんが、大声で笑い転げる猫のぬいぐるみを買ってきて、赤ちゃんに渡す
  2. 赤ちゃんは、奇妙なぬいぐるみにどう反応して良いか迷い、そばにいるお母さんの方を振り返る
  3. お母さんが「面白いおもちゃをもらえてよかったね~」と笑顔で声をかける
  4. 赤ちゃんは安心してぬいぐるみで遊び始める

この例の場合、赤ちゃんは奇妙なぬいぐるみにどう反応して良いか迷い、お母さんに助けを求めています。

そして、お母さんが笑顔になるのを見て、安心してぬいぐるみで遊び始めています。

もし、お母さんが怖がるような表情を浮かべて「怖いね~」などと言ったら、赤ちゃんも怖がってぬいぐるみで遊ぼうとはしないでしょう。

社会的参照を獲得する時期(視覚的断崖の実験)

社会的参照を獲得するのは、1歳前後と考えられています。

社会的参照を調べる実験としては、視覚的断崖の実験が有名です。

実験方法は、次のとおりです。

  1. 社会的断崖の実験装置(床がガラス張りになっており、途中で断崖があるように見える高台式の装置)を準備する
  2. 実験装置の上に赤ちゃんを乗せ、ガラス張りの床の上をハイハイで移動させる
  3. 断崖があるように見える地点で立ち止まるかどうかを調べる
  4. 立ち止まった場合に、ゴール地点から①お母さんに笑顔で励ましてもらうか、②お母さんに恐怖の表情を浮かべてもらい、ゴールまで進むかどうかを調べる

実験では、お母さんが笑顔で励ました場合は、多くの赤ちゃんが断崖を渡ってゴールまでハイハイしたのに対し、恐怖の表情を浮かべた場合は、断崖を渡らないという結果が得られました。

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愛着(attachment)

愛着とは、赤ちゃんがお母さん(いつもお世話してくれる人)に対して形成する絆のことです。

生まれつき獲得しているわけではなく、常にお世話してもらったり、コミュニケーションを重ねたりすることで、安心感や安全感、欲求を満たしてもらえるという感覚を抱くことで形成されます。

赤ちゃんは、お母さんと愛着関係を築き、また、自分の置かれた環境を認識できるようになることで、人見知りを始めるようになります。

愛着行動には、3つの種類があります。

  • 発信行動:お母さんの注意や関心を引き、近くに来てかまってもらおうとする
  • 接近行動:自らお母さんに近づいて注意を引く
  • 定位行動:お母さんがどこにいるかを探して確認する

愛着の形成過程

新生児から生後2ヶ月頃までは、生まれ持った反射でお母さんの関心を引き、お母さんのお世話を引き出します。

生後3ヶ月~4ヶ月頃になると、自発的な行動が原始反射に置き換わり、自らお母さんの注意を引いたり、お母さんの言動に大げさに反応したりするようになります。

こうした過程で、お母さんからたくさんお世話してもらい、欲求に応えてもらううちに愛着が形成されていきます。

そして、生後6ヶ月頃からは、愛着行動として愛着が目に見えるかたちで表れてくることになります。

関連ページ

愛着障害とは?赤ちゃん・子供の症状とチェック方法、対応・治療は?


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まとめ

赤ちゃんの社会化に役立つ能力(自分の発見、共同注意、社会的参照、愛着)について紹介しました。

「お母さん(いつもお世話してくれる人)との関係のことばかりだ。」と思うかもしれません。

しかし、乳児期の赤ちゃんにとっては、お母さんとの関係が社会(世界)の全てと言っても過言ではありません。

特に生まれて間もない時期はその傾向が強く、お母さんとの密接な関係がきちんと持てることによって、少しずつお母さん以外の人との関係を築いていくことができるようになるのです。

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