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乳児期の子育て

乳児ボツリヌス症とは?後遺症と死亡例は?原因食品と症状、治療、予防は?

赤ちゃん 病気

乳児期の赤ちゃんは、大人に比べて内臓の発達が未熟なので、離乳食に使う食材、食べさせる量、時間などに細心の注意を払う必要があります。

特に、食材については、乳児期に食べさせてはいけない物がたくさんあり、離乳食を作る時に基礎知識として持っておかないと、赤ちゃんの健康や成長に深刻な影響を与えます。

乳児ボツリヌス症は、乳児期の赤ちゃんにハチミツなどを食べさせることで発症する病気です。

日本国内では、1986年に初めて確認されて以降、約20件の発症例が報告されており、2017年には死亡例がニュースで取り上げられました。

このページでは、乳児ボツリヌス症の概要、症状、原因、治療、後遺症、予防方法について紹介します。

乳児ボツリヌス症とは

乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の赤ちゃんが、ハチミツや黒糖などの食品に混入したボツリヌス菌の芽胞(菌のかたまり)を食べることで発症する感染症です。

芽胞が赤ちゃんの腸内で発芽、増殖して、ボツリヌス毒素という毒素を出すことで発症します。

ボツリヌス症には、食品の中で増殖した菌が出す毒素で発症するボツリヌス食中毒と、傷に感染した菌が出す毒素で発症する創傷ボツリヌスという類型があり、乳児ボツリヌス症とは区別されます。

乳児ボツリヌス症は、生後3週頃から生後6ヶ月頃の乳児期の赤ちゃんが発症しやすい病気ですが、1歳未満のうちは発症のリスクがあります。

生後1歳を超えると、消化器官が発達しますし、また、腸内細菌の環境が整ってくるので、ボツリヌス菌の芽胞を食べても発症しなくなります。

乳児ボツリヌス菌の症状

乳児ボツリヌス症の症状について確認していきましょう。

潜伏期間

ボツリヌス菌の芽胞を摂取してから発症するまでには、3日から1ヶ月の潜伏期間があり、発症した当初は原因が分からないことが少なくありません。

そのため、乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因だと考えられることもあります。

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乳児ボツリヌス症の主な症状

ボツリヌス毒素は神経系を麻痺させる毒素で、乳児ボツリヌス症を発症すると、筋肉が左右対称に麻痺を起こして身体を思うように動かせなくなります。

具体的には、次のような症状が出ます。

  • 便秘になる
  • 赤ちゃんの元気がなくなり、泣き声が弱々しくなる
  • 母乳やミルクを飲む力が弱くなる
  • 筋肉の緊張が低下し、無表情になったり、首や手足がグッタリする
  • 呼吸筋が麻痺して呼吸不全に陥る

致死率は1~3%で、ボツリヌス食中毒や創傷ボツリヌスに比べると低くなっています。

乳児ボツリヌス症の原因

乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌の芽胞が混入した食品(原因食品)を食べることで発症します。

1歳未満の赤ちゃんは、消化器官が十分発達していませんし、大腸細菌叢(腸内細菌の環境)も整っていないため、ボツリヌス菌の芽胞が腸内で発芽、増殖してしまいます。

しかし、生後1歳を超えると消化器官が発達し、腸内細菌の環境も整っていくため、ボツリヌス菌の芽胞が腸内に入っても発症しなくなります。

ボツリヌス菌の芽胞は、ハチミツ、黒糖、黒砂糖、野菜ジュースなどに混入している可能性があります。

規制やチェック体制が厳格な日本国内の食品に芽胞が混入されていることはまれで、ほとんどの赤ちゃんは、外国産の食品を食べて発症しています。

外国産=危険というわけではありませんが、外国産の食品を食べて発症するケースが多いことは事実ですから、1歳未満の赤ちゃんには、特に外国産の原因食品を食べさせない配慮は必要です。

乳児ボツリヌス症の治療

赤ちゃんが食べた原因食品、赤ちゃんの便や血液からボツリヌス毒素が検出されることで、乳児ボツリヌス症と診断されます。

呼吸筋の麻痺による呼吸不全を防止するために呼吸管理を行い、長期間続く便秘には浣腸や抗菌薬で対処します。

なお、ボツリヌス食中毒の治療で行われる、毒素を中和する抗毒素治療や抗生剤による治療は、安全性や身体への負担を考えて、赤ちゃんには行わないのが一般的です。

乳児ボツリヌス症の後遺症

現時点で、後遺症は確認されていません。

しかし、感染してから数ヶ月間は、ボツリヌス菌がウンチの中から検出されることがあり、二次感染のリスクがあります。

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乳児ボツリヌス症の予防方法

1歳未満の赤ちゃんに、ボツリヌス菌の芽胞が混入している可能性のある食品を食べさせないことが何より大切です。

また、加工食品を購入する場合には、材料に原因食品が含まれていないことを確認してください。

乳児ボツリヌス症の死亡例(2017年4月追記)

2017年3月、日本国内で初めて、乳児ボツリヌス症による死亡例が報告されました。

2017年2月20日、生後5ヶ月の男の子が、呼吸不全などの症状で救急搬送されて入院したものの、3月30日に死亡が確認されたというものです。

調査の結果、男の子は、生後4ヶ月頃から、ジュースにハチミツを混ぜた飲み物を親から与えられていたことが分かり、また、男の子の自宅にあったハチミツからはボツリヌス菌が検出されたため、離乳食のハチミツが原因の食中毒と判断されました。

この報告を受け、厚生労働省は、4月11日から「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」というホームページに掲載し、赤ちゃんを育てる親や食品事業者の注意喚起を促しています。

また、離乳食にハチミツを使用するレシピを掲載していたサイトが注目され、物議をかもしています。

まとめ

乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌の芽胞の混入が考えられる食品を食べさせないことで予防できる病気です。

ハチミツや黒糖だけでなく、ボツリヌス菌の芽胞の混入が考えられる食品を確認し、赤ちゃんに与えないようにしましょう。

なお、最近は、ネットで離乳食に関する情報を収集し、それを鵜呑みにして離乳食を作って赤ちゃんに与える親が増えています。

しかし、ネット上の離乳食に関する情報は、誤った情報や不正確な情報が多いものですし、問題が起こっても情報をネットに掲載していた人に責任を追及するのは難しいものです。

ネットによる情報収集はとても便利なので、子育てに追われた状況でつい利用したくなる気持ちは理解できますが、ネット情報を鵜呑みにせず、必ず書籍、保健センター、小児科の医師など複数の情報源で確認することを心がけてください。

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