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乳児期の子育て

ムコ多糖症とは?原因は遺伝?特徴、治療法は?顔つきや寿命は?【難病】

ムコ多糖症 赤ちゃん 難病 寿命

生まれつきもしくは乳児期に発症しうる難病はいくつもありますが、ムコ多糖症もその一つです。
ムコ多糖症は、進行性の病気で、放置すると、日常生活のあらゆる場面で支障をきたし、寿命も短くなってしまいます。

一方で、重症度や症状によるものの、早期発見・早期治療により社会生活を送れるようになることもあるため、症状や治療法について把握しておくこと大切です。

このページでは、ムコ多糖症の原因、特徴(症状や顔つき)、治療法と、遺伝する確率、寿命について紹介します。

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ムコ多糖症とは

ムコ多糖症とは、遺伝子異常が原因で、生まれつき代謝物質である「ムコ多糖」を分解する酵素が体内になく、ムコ多糖が溜まって様々な障害を引き起こす「進行性」の病気です。

遺伝性の先天性代謝異常症であるライソゾーム病の1種です。

日本では、小児難病(特定疾患)に指定されています。

  • 代謝:酵素の働きにより、体内で作られる特定の物質を分解、排出すること
  • ライソゾーム病:生まれつき体内で酵素が作られない、もしくは、酵素が少ないことで代謝がうまくできず、様々な障害を引き起こす病気

ムコ多糖症の分類

ムコ多糖の分解をうながす酵素は複数あり、ムコ多糖症は、欠損もしくは少ない酵素の種類によって7つに分類されています。

  • Ⅰ型:ハーラー症候群(重症)、ハーラー/シャイエ(中間型)、シャイエ症候群(軽症)
  • Ⅱ型:ハンター症候群(中枢神経障害のある重症型、中間型、中枢神経障害のない軽症型)
  • Ⅲ型:サンフィリッポ症候群(原因酵素が異なるABCDの4亜型がある)
  • Ⅳ型:モルキオ症候群(A型とB型がある)
  • Ⅵ型:マロトー・ラミー症候群:Ⅰ型ハーラー症候群に似た症状があるが、知的障害はない
  • Ⅶ型:スライ症候群:Ⅰ型ハーラー症候群やⅣ型に似た症状がある
  • Ⅸ型:全世界で数例のみ

ムコ多糖症の原因

ムコ多糖症の原因は、遺伝子異常です。

ムコ多糖症を引き起こす原因遺伝子は複数あり、遺伝子の染色体上の位置(配列)によって分類されています。

病気の重症度や進行の早さなどは、遺伝子の配列などによって差があることが分かっています。

ムコ多糖症の発症率と寿命

ムコ多糖症の発症率は、約0.00002%(5万人に1人程度)と言われています。

ムコ多糖症患者の寿命は、個人差はあるものの、ほとんどの人が10歳から15歳までです。

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ムコ多糖症の症状

ムコ多糖症は進行性の病気で、時間の経過とともにジワジワと、しかし確実に、身体全体の臓器や組織が障害されていきます。

ムコ多糖症の主な症状は、次のとおりです。

ムコ多糖症全般に共通する症状(特徴)

  • 特異な顔つき(ガーゴイル様顔貌、開いた口、大きな舌、短い首、歯の形成異常など)
  • 骨や関節の異常(関節拘縮、骨格の変形、低身長、皮膚が厚くなる、毛が多くなる、そけいヘルニアなど)
  • 心臓の異常(心臓弁膜症)
  • 中央神経の障害
  • 運動能力の異常
  • 水頭症(頭の中に脳脊髄液が異常に留まってしまう病気)
  • 視力障害(角膜混濁など)
  • 聴力障害(反復性中耳炎、難聴、聴力喪失など)
  • 肺や上気道の易感染(風邪をひきやすくなり、かつ、重症化しやすくなる)
  • 呼吸困難(気道が狭くなるなど)
  • いびき、睡眠時無呼吸症候群
  • 知的障害(精神発達遅滞)、情緒障害
  • 不器用さ

日本人に多いⅡ型(ハンター症候群)の症状(特徴)

重症型の場合は、幼児期から知的障害(精神発達遅滞)や発達障害に似た多動傾向があり、10歳から15歳頃に亡くなります。

軽症型の場合は、幼児期に症状が出ますが、知的障害がない、もしくは軽度で、周囲の適切な支援があれば社会生活を送れることもあります。

ムコ多糖症の診断

ムコ多糖症に特徴的な症状が見られた場合、尿中グリコサミノグリカンの濃度を測定し、ムコ多糖が異常なくらい多く排泄されていればムコ多糖症を疑います。

レントゲンによってムコ多糖症に特徴的な骨の形を確認することがあります。

その後、皮膚繊維細胞やリンパ球を使って酵素の活性度を測り、酵素活性の欠損や低下が認められる場合に、ムコ多糖症と診断されることになります。

ただし、生まれたての頃は症状がないことがほとんどなので診断は難しく、確定診断がつくのは幼児期以降が多くなっています。

遺伝子解析技術の進歩により、出生前診断でムコ多糖症が診断できるようになってきましたが、倫理的な問題から賛否が分かれています。

ムコ多糖症の治療

根本的な治療法は見つかっていません。

現在、対症療法、酵素補充療法、造血幹細胞移植などが開発されていますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

いずれも早期発見・早期治療が大切です。

対症療法

水頭症にV-Pシャント術、無呼吸に対するアデノイド除去など、症状に対する治療を行います。

ただし、ムコ多糖症の進行を抑えることはできません。

酸素補充療法

欠損もしくは不足しているムコ多糖を分解する酵素を点滴投与し、体内に溜まったムコ多糖を分解する治療法です。

症状の進行を抑えたり、臓器を正常な状態に戻す(呼吸機能、関節、歩行など)効果があります。

一方で、治療に時間がかかり(1週間に1度、2~4時間点滴を受ける)、また、中枢神経、骨の変形、角膜混濁、心臓などにはほぼ効果がありません。

また、薬剤の単価も高価です。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植とは、正常な造血幹細胞を移植することで、正常な細胞が分泌する酵素によってムコ多糖の分解を促す治療法です。

骨髄移植と、臍帯血移植の2種類があります。

呼吸機能、中耳炎、皮膚が厚くなる症状、関節拘留などに改善が見られますし、症状の進行を遅らせることもできます。

一方で、骨の変形には効果がない上、治療後も症状が進行することが分かっています。

また、中枢神経、角膜混濁、心臓弁には効果がありません。

さらに、命の危険に関わるような重篤な副作用が起こることもあり、特に幼少期には適応が限定的になっています。

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まとめ

ムコ多糖症は、患者数が少ないものの、誰にでも発症しうる病気です。

早期発見・早期治療が何より大切なので、赤ちゃんに少しでも気になる症状が見られたら、できるだけ早く小児科に相談してみることが大切です。

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