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乳児期の子育て

エンテロウィルスD68とは?感染経路と年齢、麻痺や症状、後遺症は?治る?

エンテロウィルスD68 感染経路 後遺症

2015年8月~12月までの間に、発熱など風邪に似た症状が出た後、原因不明の手足の麻痺症状を起こして入院する子供が相次いだというニュースを覚えていますか?

2016年8月29日、厚生労働省の研究班は、国立感染症研究所が調査した結果、麻痺症状を起こした子供の一部からエンテロウィルスD68が検出されており、麻痺とエンテロウィルスとの関連性があるという報告をしました。

しかし、エンテロウィルスと言われても、どんなウィルスなのかピンとこなかった人が多いのではないでしょうか?

実は、エンテロウィルスは、子供の夏風邪の一つである手足口病など身近な病気を引き起こすウィルスのグループなのですが、ノロウィルスやロタウィルス、インフルエンザウィルスなどに比べて知名度が低く、その怖さもあまり知られていないのが現状です。

そこで、このページでは、エンテロウィルスの概要、最近注目されているエンテロウィルスD68とはどんなウィルスか、感染経路や症状、感染・発症しやすい年齢、治療法と後遺症について紹介します。

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エンテロウィルスとは

エンテロウィルスとは、ポリオウィルスやエコーウィルスなど腸管内で増殖するウィルスの総称です。

100種類以上もあることから「エンテロウィルス属」と呼ばれたり、腸管内で増殖するという特徴から「腸管ウィルス」と呼ばれたりすることもあります。

代表的なエンテロウィルス

  • ポリオウィルス:ポリオ(急性灰白髄炎)の原因となるウィルス
  • エコーウィルス:無菌性髄膜炎や結膜炎、気道疾患などの原因となるウィルス
  • コクサッキーウィルス:髄膜炎や筋炎などの原因となるウィルス
  • エンテロウィルス71:手足口病などの原因となるウィルス

エンテロウィルスが流行する時期

エンテロウィルスに属するウィルスは、温帯の地域では一年を通して発生しており、中でも4月~12月にかけて流行が起こりやすい傾向があります。

年によって、流行するウィルスやそれによって引き起こされる病気が異なります。

エンテロウィルスの感染経路

エンテロウィルスの主な感染経路は、次の2つです。

  • 発症した人の咳やくしゃみといった飛沫による感染
  • ウィルスが付着した手で口や鼻を触ることによる感染(便が手や指を介して間接的に口から摂取されることによる糞口感染が多い)

エンテロウィルスは、まず、咽頭(口腔と消化管の間)で感染し、それから消化管(腸管)で増殖します。

咽頭からウィルスが検出されるのはごく短期間ですが、便中からは長期にわたって検出されます。

エンテロウィルスが引き起こす症状と病気

エンテロウィルスに感染しても、何の症状も出ないことが多いものです。

症状が出た場合の主な症状と病気は、次のとおりです。

  • 風邪に似た症状(発熱、筋肉痛、だるさを感じる、食欲がなくなるなど)
  • 軽度の胃腸症状
  • 扁桃炎
  • 肺炎
  • 手足口病
  • ヘルパンギーナ
  • 発疹
  • 急性胃腸炎
  • 無菌性髄膜炎
  • 髄膜脳炎
  • ギラン・バレー症候群
  • ポリオ

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エンテロウィルスD68とは

エンテロウィルスD68とは、エンテロウィルスの一種です。

エンテロウィルスD68の感染経路

他のエンテロウィルスと同じで、飛沫感染、もしくは、ウィルスが付着した手指で口や鼻を触ることによる感染です。

エンテロウィルスD68に感染・発症しやすい年齢

エンテロウィルスD68に感染・発症した人の多くは、就学前の子供です。

子供の感染・発症が多い理由としては、以前に感染したことがなく免疫を持っていなかったためと考えられています。

エンテロウィルスD68の流行する時期

エンテロウィルスD68は、夏から秋にかけて流行します。

国立感染症研究所によると、日本においては、9月をピークとして増加しています。

アメリカ合衆国では、2014年にエンテロウィルスD68を原因とする感染症が大流行し、1000人以上が感染、呼吸器疾患などを発症する人も続出しました。

また、同時期に手足の麻痺症状が出た人の一部から、エンテロウィルスD68が検出されました。

日本では、2015年の秋に原因不明の麻痺症状が出た人が相次ぎ、検査を実施した人の1/4からエンテロウィルスD68が検出されました。(2016年8月29日付厚生労働省発表)

麻痺症状が出た人の多くが5歳以下で、その約80%が現在も麻痺症状が残っているという報告もされています。

エンテロウィルスD68が引き起こす症状

エンテロウィルスD68が引き起こす主な症状は、次のとおりです。

  • 風邪に似た症状(発熱、鼻水、咳など)
  • ぜんそくに似た発作
  • 呼吸器疾患(呼吸困難を伴う肺炎など)

加えて、麻痺症状が出た子供からエンテロウィルスD68が検出されたケースが日本や欧米各国で相次いでおり、麻痺と関係があると考えられるようになってきています。

ただし、現時点では結論は出ておらず、あくまでも関係している疑いがあるというレベルです。

エンテロウィルスD68の検査と診断

エンテロウィルスD68の症状は、風邪やぜんそくなど他の病気と似ているため、症状だけで診断することは難しく、疑いがある場合は、鼻咽頭などから検体を採取して検査を行う必要があります。

呼吸器疾患が見られる場合は、他のウィルスや細菌と区別(鑑別)する必要があります。

特に、風邪の原因となるライノウィルスと似ているため、慎重に判断することになります。

また、弛緩性麻痺が見られる場合は、エンテロウィルスに属する他のウィルスと区別(鑑別)しなければなりません。

検査を実施している機関

まずは、住んでいる地域の保健センター(保健所)に問い合わせます。

都市では各地域の衛生研究所で実施していますが、地方では実施していないところも少なくなく、国立感染症研究所が代わりに実施する場合もあります。

エンテロウィルスD68の治療法

現在、エンテロウィルスD68を根本的に治療する方法は見つかっておらず、対症療法や支持療法が中心となります。

エンテロウィルスD68との関係が疑われる急性弛緩性麻痺に対しては、ガンマグロブリン療法などが行われますが、治療を受けても麻痺が残る場合が少なくありません。

  • 対症療法:病気の原因自体ではなく、主な症状を改善するための治療法
  • 支持療法:病気そのものの治療ではなく、患者の生活の質を改善する目的で行う治療法
  • ガンマグロブリン療法:ガンマグロブリン(ウィルスや細菌を中和する抗体の働きをする、血液中に含まれるたんぱく質)を製剤して静脈注射する治療法

エンテロウィルスD68の後遺症

手足の弛緩性麻痺の症状が出た場合、治療を受けても80~90%と高い確率で麻痺が残ることが報告されています。

ただし、エンテロウィルスD68との関係が断定されていないことは、すでに紹介したとおりです。

エンテロウィルスD68の予防法

現時点で、根治法が見つかっていないため、予防が何より大切になります。

予防法の基本は、感染経路である飛沫感染と接触感染を防ぐことで、主な予防法は、次のとおりです。

  • 外出時はマスクを着用する
  • 流行時期はなるべく人ごみを避ける
  • 外出後は手洗い、うがいをする

なお、エンテロウィルスD68は、他のエンテロウィルスと同じでアルコール消毒に対する抵抗性が強いと言われています。

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まとめ

エンテロウィルスの概要と、エンテロウィルスD68について紹介しました。

特に、エンテロウィルスD68は、2015年秋に日本で流行し、同時期に発生した未就学児を中心とする弛緩性麻痺症状との関係が指摘されており、今後も注意が必要です。

予防を徹底することはもちろんですが、感染の疑いがある場合は、早めに小児科や保健センターに相談しましょう。

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